私のお気に入りの写真からラグを作る。
ニューヨークのメトロポリタン美術館の野外彫刻ルーフガーデンは私のお気に入り。ガーデンから住み慣れたマンハッタンの四方を眺めるのは実に楽しい。
入口にロダンの”考える人”の彫刻があり、ほとんどの新彫刻展は新鋭作家のものが多く、彫刻の隙間を通して眺めるマンハッタンは如何にも新しさに燃えているマンハッタンだ。バーにあるマティニグラスを通してウエストサイドを見ると住んでいたアパートや周辺が見え、自分を遠くから眺めるような、時が止まったようにも見える。ラグ展を企画した2013年夏、この写真からラグを作ると面白いだろうと想像した。この場所行ったことのない人は「これ、なーに?」 「難かしそう!」 とかほとんどの生徒は無感心でA1に拡大した原画は何か月もは残っていた。好きなデザインのラグをほとんどの生徒が作り始め、半分以上はできていた頃、残った中の1枚にやりたいといってくれたのはピアニストの白川美知代さん。口数が少なくいつも静かにしていることが多い。マンハッタンに行ったことがない。ある日いろいろの話をすると俄然イマジネーションがわき、ピアニストの彼女は ’ト音記号’ まで入れてくれた。出来上がったのが右端のラグ。100年は持つと言われるフックド・ラグ。思い出のそばにいてくれるようでとても嬉しい。
ちょっとシュールなこの写真は現実か夢か、私の大好きな写真。曇った日であった。 真ん中は白川美知代さんの途中作 品 完成したフックド・ ラグ制作・白川美知代
セントラルパークは東側はイーストサイド5番街、西側はセントラルパークウエストという東西のメインストリートがセントラルパークを挟み59丁目からハ-レムまで垂直に走っている。
建造物のデザインは5番街より西側が俄然美しい。東に住めないお金持ちのユダヤ人たちが競って有名建築家に頼んで5番街の後から作った結果だと聞いた。72丁目セントラルパークウエストの中ほどにあるダコタはシンガーミシンのゲストハウスで建造した当時は最果ての地だったのでダコタと命名された。59丁目、5番街角のプラザホテルと同じ建築家を雇っている。
左端のビルにはミアフェロー、彼女の母親も住んでいた。二つのタワーのあるビルは1930年代に建てられ。この地区は歴史建造物地域に指定されている。3番目の写真の
まん中に72丁目角のダコタハウスが見える。右端には美しい自然博物館がある。
これらの写真はメトロポリタン美術館(80丁目~85丁目まで)彫刻のルーフガーデンからウエストサイドを眺めた風景。私の住んでいたところから3分でパークに出る 。セントラルパークほどよくできているパークは世界にないと思う。ありとあらゆる人たちの憩いの場所で生きている幸せを誰もが実感できるパークだ。白川美知代さんが ’ト音記号’ をフックしてくれたのも体験の分かち合いだと思う。
フックド・ラグ展のお知らせ:
かぎ針で作る暮らしのアート
フックド・ラグが奏でる、日々の喜び
日時:2014年10月22日~11月11日まで 11.00~19.00
場所: ミキモト本店 6階ミキモトホール 中央区銀座4-5-5 ℡・03-3535-4611
主催:株式会社ミキモト
協力:一般社団法人 日本フックド・ラグ協会・ トヨタ
入場無料
ラグ参考書:「アメリカンフックド・ラグ」小林恵著2002年主婦と生活社
暮らしの手帳60号&61号フックド・ラグ特集
小林恵 ホームページ: