外国で考える自分の国
3月24日、張超英さんの追悼式がニューヨークのハーバードクラ
ブで行われた。家族の追悼の言葉の後、息子のウエスレイは自分
でアレンジメントをしたピアノ曲 ”飛ぶ” を演奏した。
(親子共飛行免許を持つ。息子は高速ジェット機)涙ながらの演奏
に心を打たれた。
ゲストたち、友人たちの追悼のスピーチの後、ルビー リンさんの
”わが母なる台湾”の独唱があった。
”母なる山河、母の名は台湾。台湾と名を呼べない寂しさよ。
母の名を呼べるようになりたい。台湾、台湾、わが母の名は台湾と”
感情を込めて悲しく歌う歌に自分の国、日本を重ねて思い感慨を
深くした。
共同通信(岡田充記者)から張さん一家のインタビュー記事がた
くさんの日本の新聞に出、その新聞がNYに着いたのは2月の中頃
であった。「あ!台湾の旗の写真を日本の新聞がのせてくれた!こ
れで張の日本での努力はすべて償われたと思う」と死を前にした夫
の前で夫人は感慨深く涙ぐんだ。
自国への思いはそれぞれが違う。何処の国にも美しいところがある。
”美しい日本”のイメージを持つ幸福な日本。自然以外も美しくありた
いと願う。幸いにも日本は平和が続き、繁栄している。外国に住む日
本人も多大の恩恵を受け自国を誇れることを感謝している。
「白地に赤く、日の丸染めて、ああ!美しい日本の旗は・・・」メロディ
は別として私も日本の旗は美しいと思う。
しかし、日の丸の名の下に死んでいった兵士たちの無念を思うとき、
”ああ!美しい”と素直な気持ちになれなくなるのは戦争中の後遺症
だろうか。しかし私たちは前に進まなければならない。
過去の感情を持たない若者たちを育てる先生たちは、ポジティブな
日本の美しさを教えてほしいと心から願う。単純なデザインの究極。
日の丸の美しさは日本の誇りのひとつだ。
大騒音で街を走る日の丸つきの車。誰も文句を言わない不思議な
日本人。怖いので黙るのか。自分を守る日本人。無関心を装う日本
人。外国から見ると日本の摩訶不思議は少なくない。
自分の国の名前を呼んでみたいと絶唱する人々がいることを忘れて
はいけないと思う。
難しいことでなく、日本人の幸せを感謝し、分かち合い、よりよくなる
ことを皆で考え、お互いに手を差し伸べていこう。