小林恵のNY通信

NY在住47年、2011年より東京谷中に居住。創造力をのばすためのエッセンス、スパイスをいれた私の暮らしの手帖です。

「お金を換算しないサービスは日本が最高!」

2008-10-29 20:34:10 | ニューヨーク暮らしの日々


日本のサービスの良さ
 
アメリカに暮らしていると、うんざりする事柄が、日本に帰ってきた
とたんに驚きに変わる。
郵便局は迅速丁寧。待っている人がいれば頼まなくてもスピードを
増す。しかも一心不乱で精をだす。
終わるとお辞儀をして”有難うございます”とお客より先に言い、頭を
下げる。スーパーのサービスも同じだ。
 荷物を届けにきた人も帽子を脱いで ”有難うございました”とお辞
儀をして帰る。しかもチップなし。なんという違いだろうか。まるでお客
殿様だ。しかし、この気分に慣れることは危険な事かも知れない。

 ニューヨークの郵便局に行くのは一仕事だ。延々と長い列で並ん
でいる。5,6人窓口にいてもお昼になればいなくなり2,3人になる。
やっと順番が近くなると前のお客が“こんにちわ”と窓口の人に話掛
ける。世間話が始まる!それも一言でなく延々とやっている。列が動
かなくても誰も文句を言う人はいない。スーパーでは違う列のレジと
レジのおしゃべりが始まる。誰かが文句を言うと "何が悪い?”とす
ごむ。買い物を袋につめるとき、やわらかいものを先に入れ、重いも
のをあとにいれる。文句を言うと"どうした?”と
言い返す。物品の名
前など調べる意欲はさらになく、此れはナンだとお客に聞く。"それぐ
らい
覚えていてよ”と言えば、聞いて何が悪いとやり返す。
タクシーに乗って住所を言うとそこは何処だと聞くドライバーと同じだ。

 
修理などで電話しても時間通りに来るのは不思議な出来事。帰りも
チップを待っている。サービスをお金に換算しない日本の文化は伝統
的に素晴らしい!サービス業に申し訳ないと思ほどだ。
 
アメリカはいろいろの人がいて、口を出せば喧嘩になるので永い列
が出来ても公共では
誰も文句を言わない。多民族国家の暮らしの知
恵なのだろう。
 ぐずぐずしていると日本ならいらいらする人、怒鳴る人やキレル人も
出てくる。心知れた日本人同士の甘えかも知れない。
文化の違いに慣れると言う事は恐ろしい事だとニヤニヤしながら観察
している。

 

 

 


「住まい方を学ぶ」

2008-10-08 13:21:16 | 

人さまざま
 住まい方で人柄が分かる。ひとそれぞれ、各自のリビングスタイル
があって面白い。私は部屋の乱れは自分を反映させているようで、
朝起きるとすぐベッドを直し、ベッドかばーをなでてピンとマッ平らに
させる。寝る前に椅子の位置をキチンと訂正するのが癖。
黄金分割でないけれど家具の位置というのがとても大切だとと思っ
ている。
 
最近数ヶ月帰国する事になり、初めてエージェントに依頼し、住ま
いを貸す事にした。エージェントはいろいろの人を連れて部屋を見に
来た。
「ここに住みたい!」と叫ぶ人。
「私はダブルベッド以外に寝たことがないのでシングルベッドはどうも
・・・」という人。「プラントは面倒見れないのでのけてほしい」と言う人。
[何もかも大切そうにおいてあるので気になって暮らせない」と言う人。
ある人は
「ソファーがないですねー。あなたは何処でリラックスするのですか?」
と言われて、われながらハッとした。
そういえば私はソファーに寝転がったことがないし、椅子もシェーカー
やジョージ長島の椅子とかウインザーチェア、マッキントッシュなど、
持っていないけれども背中を真っ直ぐにして座れる椅子、クッション
のない椅子が好きだ。沈んでいくようなふわふわソファーに座るのは
嫌い。よほどの堅物なのだろう。
 柳さんがいらした頃の日本民芸館のウインザーチェアのあった応
接間などが私の理想的部屋だ。
考えてみると、想像をめぐらしアイデアを練るのが好き。そのときも
背中を真っ直ぐにして座っている。
疲れると散歩に出かけるのが私のリラックスする時。それも一生懸命
見渡して歩いている。友人が訪ねてくれたときなどはチャンスで100
%リラックスしおしゃべりが楽しい。
 どうも貧乏性の一つ覚え、何でも一生懸命の馬鹿タイプらしい。
「何処でリラックスするのですか?」の質問はソファー=リラックスと
いう、いままで考えた事もなかった発見でもあった。

チャーナー の椅子。クッションもなし。部屋が小さいので空間のある
椅子がいい。


装飾品で高価なものは何一つもっていない

リラックスできないからか、ウオールストリートのクラッシュのせいか
一人も決まらなかった。
がっかりもし、安心もし・・・知らない人が訪ねてくる
複雑な気持ちを
学んだ。