オーガナイズするアイデアと実行力
ニーナ プランク(Nina Planck)は8歳の時からバージニアの
両親の作った野菜を道端で売っていた。1999年28歳の若さでロン
ドンでファーマースマーケットを組織。最初はローカルの生産者16農
家が参加、果物野菜、肉、鳥、チーズ、パン類、花・プラント、ワインな
ど生産者が生産したものを直接販売することが条件であった。現在は
150農家が参加し年中オープン、年間6ミリオンの売り上げを誇って
いる。
2000年にはニューヨーク市のユニオンスクエアでグリーンマーケ
ットを組織。(グリーンマーケットは市の環境部門で管理しているノンプ
ロフイット オーガニゼイション)彼女の厳しいルール、市から200マイル
以内に住む農家で自分たちで作ったローカルフードを直接販売すること、
カナダで生産されたキャベツでコールスローを作ったり、買ってきた果物
でジャムを作ったり、またはコマーシャルのフローズンドーからパンを作っ
てはいけないなど厳しい条件がネックになり、4年後突然解雇され新聞
をにぎわした。しかし、現在ニーナは生産者のみ参加できる一番大きな
ファーマースネットワークを持つグリーンマーケットのディレクターである。
ニューヨーク市の30箇所で42生産者のグリーンマーケットを管理してい
る。最近健康食品の本も出版される。
農家と消費者との距離がなくなり、新鮮でヘルシーな美味しい自
然食品を提供することで、誰が作ったかがわかり、消費者にもファンが
でてくる。食品と心が繋がる忘れられた昔の「手にハートを」の商法を大
手に押されず厳しく管理するニーナの心意気にニューヨーカーは応援し
ている。
縁があって私はニューヨークから高知県の大方町砂浜美術館に毎年出
かけている。小さな町にニコニコ朝市があり、農家といっても小さな家庭
菜園で出来た自分たちが食べきれない分だけをマーケットに名前をつけ、
かごに入れて持ってくる。とりたての野菜や卵、梅干や大福まで格安で
販売している。「私たちの町には美術館がありません。美しい自然が美
術館です」というコンセプトの大方町。最果ての町だが、訪れるたびにそ
こにいる幸せを感じさせてくれる幸せな町である。