戦わない女相撲さん
体重超過、肥満(Obesity)はアメリカの社会問題になっていいる。
毎年30万人の人々が太りすぎが原因で死亡している。ニューヨー
ク市には比較的地方より太め人口が少ない。しかし驚くほど気の毒
な太りすぎが多い。病的な人には申し訳なくてとてもカメラを向けられ
ず、いつもチャンスをなくしてしまう。
精神的フラストレーションから安いジャンクフードを食べだし、殆ど中
毒になる。そしてお腹一杯食べることになる。飼育されている家畜類、
鶏も牛、豚も狭いところで運動をさせず、どんどん食べて太らせ、利益
本位に生産し、市場に送られる。消費者は肉の分析など分からずに
食べさせられている。企業の責任が問われているが、何事も選択は
個人の責任で厳しい時代である。
結論は食文化の浅さなのだろう。健康な食文化が大衆文化として各
自の頭の中に沁みこませるには、先人が残してくれた長い間に培った
伝統がものをいう。中国人のディナーに招待された時、食事の終わり
ごろ、キャベツをさっと炒めたものが追加された。そして「今日はこれが
たりなかったわ」といった。中国では子供の時から食べ物全体のバラン
ス、温食品と冷食品のバランスを教えられているという。食文化は一日
にして成らずと感じいった。
アメリカにも健康食品がたくさんある。どれが重要か、選択を親もわか
らず、子供の時に頭の中に食文化がしみ込んでいないのが問題なのだ
ろう。オリエンタルのフードが長寿だと見直されてきても、東洋人の倍食
べれば同じことだ。食料の豊富なアメリカでは大山盛りがおもてなしの
条件になり、レストランのポーションコントロール(盛り付ける量)は太め
を標準にして決める。腹8分めはビジネスを提供する側ではご法度。分
量と値段のバランスはレストランが人気を取る重要な鍵となる。ファース
トコースからお腹が一杯になるほど量が多すぎる。
支払った分は食べるぞと・・・アメリカ人の胃はどんどん大きくなっている。
参考文献: 「マンハッタンは皿の上」小林恵著 朝日新聞社 1989年