マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

起死回生のチャンスと思うか管●人

2011-03-13 03:44:36 | 



昼下がり、仙台にいる兄が地震にビビってメールよこしたと思い、
こっちは阪神淡路知ってるんや、と軽くいなすようなメールを返し、
帰宅し、TVをつけ青くなった。


帰宅難民になって、東京から横浜向いて歩いてる姪のメールにも
のんきな風情なので、なんで友達のところへでも泊らんの?と返した。
東京横浜も怖い目にあっていたとは、その温度差のちがい。不明を恥じた。
しかしここまでとは。仙台からは今朝、死者2000人は超えるだろうと言って来た。


何処かで地震があっても、津波なんてまともに来たこともなかったし、
その怖さを真実知らなかった。海が豹変して牙をむいて襲いかかる。
白い波を蹴立てて海沿いの静かな町に飛びかかる、あの不気味な真っ黒な生き物はなんだ。


宮城県名取市閖上(ゆりあげ)といえば、日本一の赤貝が取れる。三陸といえば牡蛎にほや。
マグロ、サンマ、気仙沼はフカヒレだ。この飲み助はいつか東北を飲み歩きたいと思ってたが夢は終えた。
陸前高田など、町そのものが消失するなんてこと、誰が考えただろう。
家族を探して、瓦礫の中をさまよう姿は見ていてキツい。ツラい。


どっこい、島国日本、地震国日本。
記録を取り始めた明治以来、未曾有の規模なのかもしれないが、
それ以前にも、村がひと飲みにされるような大災害もあったはずだ。
それでも、ぺしゃんこになりながらも、その都度、勇気と英知でもって立ち上がって来た。
今回もまた、ひとの力に期待して願いたい。祈りたい。

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東風吹かば梅のかほりに誘われて

2011-03-08 01:27:22 | 



テーマは粟餅を食いに行く・・・だったが、目の前の北野天満宮に詣でぬわけにもいかず。
ここは菅原道真公ゆかりの神社。 さすがは飛び梅が太宰府に後を追いかけたという逸話がある人物。
境内に吹く風には、かすかに梅の香りがする。



目と鼻の先に上七軒。ここが京都のお茶屋の発祥の地。
「ふた葉」は上七軒の中にある、麺処。
壁には舞妓たちの名前が並び、いかにも花街。ここにも春が咲いていた。



天神さんの梅もいいけれど、上七軒のお茶屋などに上がり、
白粉の匂いなどを嗅ぎながら、一杯・・・誰かおごってくんねえかな。



間もなく、京都の花街はどこも春のおどり一色に染まる。
上七軒は北野おどり。祇園は都をどり、先斗町は鴨川おどり、宮川町は京おどりとなる。
ほんの少し覗いたことしかないけど、けっこうですなぁ。



春の花といえば桜だが、万葉の時代は圧倒的に「梅」であった。
ボクも梅派である。 肌寒さにつぼみが震え、その幸薄そうなところが男心をくすぐる。俺だけ?
それでいて、あの儚げな芳しい香り。あれは何と表現したらいいのか。



ふた葉でたのんだのは、けいらん。



それと、きつね。 甘きつねが刻んである。
着物の姐さん方が大きいきつねにかぶりつき、汁を飛ばさないようにという配慮からか。

 


ピンボケもご愛嬌。



さて、どいしても行きたかった菓子屋へ。
私は酒のみであるが、どうして甘いものにも弱い。それもあんこものにだ。
ケーキなんか食いたいと思ったことは何度もない。だがあんこものは別だ。
実はあるTV番組で見たのが無性に旨そうだったので、ずっと机上にメモっていた。



中は粟なのである。職人が粟を丸く丸めて、並びの大きなすり鉢に投げ入れる。
それほど忙しい訳でもないが、とにかく投げ入れる。
そこで女衆が、甘さ控えめのこし餡をまとわせる。
餡もちが3つ、黄粉をつけたのが2個。上品な甘さ。
次々入ってくるお客に、この店と並びの藤野の豆腐屋だけは、何があっても健在だなぁと思わされた。



ついでに訪れた3軒の茶屋は、ことごとく売り切れており、愕然とした。
春の北野天満宮、格別お勧めである。



            ロケ地  北野天満宮      京都市上京区今出川通り

                   粟餅所・澤屋     上七軒・ふた葉
 
     
    

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おでん、茶めし、かんとだき

2011-03-04 05:35:05 | 




春まだきの冷たい風に吹かれりゃ、おでんに燗酒と行きたいもんだ。
東京ぢゃおでんに茶めしが付き物。 なんですかそれ? 春だしお答えしませう。
その昔はお茶で炊いたのか、かやくご飯のいろいろ具材の入らないものと理解。
おでん以前、江戸では「菜めし、でんがく」といって、大根の葉っぱを炊きこんだ。
だから、東京ではおでん、ごはんのおかずな訳ですな。





ところが、関西はさにあらず。 酒のあてであり、甘めのかんとだきは子供のおやつでもあった訳で。
弘化元年創業の「たこ梅」などは元々、立ち飲みで酒とかんとだき、たこの煮たのだけだった。
居酒屋のルーツは煮売り屋。だから当初から煮込んだ魚菜は酒とともにあったと思われる。
田楽時代は別にして、その後、味噌で煮られ、醤油の開発と共に、醤油ベースで煮られることになったおでん。
どっちにせよ、もっちゃりした、洗練からは程遠い、だがほっとさせられる食べ物にちがいない。





ここ神戸の「まめだ」は80年以上続く老舗。 やっぱり最初は大根からまいりたい。





ひらてん  いろいろ混ぜ物のないのがよろしい





ちくわ、ぎんなん、厚揚げ  せめてこの程度で。あんまりいっぺんに頼むと恥ずかしい。
だってあてなんだから。 昼はおでん定食などしてるそうだが、おでんに白ごはんもなんだかな。





一品ものもしゃんとしてる。  きずしは定番で頼んでしまう。
だし昆布も一緒に刻んでくれるのはうれしいね。





牡蛎フライもよろしんぢゃないですか。
銘柄は忘れたが、ここの燗酒相当にうまかった。





珍しい手羽なんてのがあった。 柔らかく煮られ、ほろほろと身離れよろし。

人生に疲れた男が、おでんの屋台でも引こうと思ってます…なんてものだった、昔は。
役者なら池部良、高倉健では二枚目すぎるか。三井弘次、沢村いき雄、おっといた、中村是好。
こういう人のおでんならさぞ旨かろう。

かつての行状を隠して、客を迎え入れ、無口な中にもなんだか人生の陰影を感じさせる店主で。
電信柱の影で屋台で燗酒。遠くで犬の鳴き声。アツアツの燗酒グビリ、常連は身の上相談を始める。
店主は黙って聞いていて、ぽつりと短いことばを返すだけ。
ただそれだけで、客の肩の荷は少しだけ軽くなる。

そんなおでん屋の親父にあこがれるが、おでんは下仕事が大変で、いくら手をかけたかによって
味を左右する料理だ。客の目の前でするのは仕上げの作業だけだ。
そんな勤勉ぢゃないので、俺にゃできないなぁ…。






餅入り、きんちゃく
これも経木でもって口を締めて、おでんは手間を食うもんだなぁ。

雨のしょぼしょぼ降る晩に、まめだが徳利持って酒買いに・・・大阪のわらべ歌だ。
まめだとは豆狸、イノシシでいうウリ坊みたいなもんだ。





その愛嬌のよさから、関西人には愛されてきた。
かわいい顔してちょいちょい人間を化かす。


        まめだ   神戸市中央区三宮 三宮センタープラザB1


 

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