いま関西は讃岐うどんの台頭著しく、讃岐に並び称されるほどのグレードを誇る店も少なくありません。讃岐に行くと、いかにも生活に密着した、古くから暮らしの一部として存在したうどんがあることに、さすがうどん王国の思いを強くするのですが。
手打ち讃岐うどんもいいけど、ああいう麺は気力体力が充実している時でないと負けてしまう。行って見ればハレのうどんであって、日頃は普段着のうどんの方がいい。文字通り普段着のうどんが食べられる店が、力餅食堂なんです。
関西人ならこの暖簾、一度は目にしているでしょう。
杵が重なり、ど真ん中に「力」の文字が力強い。
たいがい何処の町でも一軒ぐらい見かけた「力餅」ブランド。
ここは野田店。阪神野田阪神からすぐの一等地にある。
非常に昭和の風景です。
きょうびのうどんに比べて、安いのが何より。
雑煮やおはぎ、赤飯を売っているのが力餅食堂の特徴。
麺は外注してもおはぎなどはほとんど自家製です。
お腹いっぱいにしようというのぢゃない、虫養いにちょいとお腹に入れときたいとか、凍えて身体を芯から温めたいなんて時もあるだろう。そんな時にとじもんはあったまる。卵とじ。あるならば、けいらんも行きたい。
一方こちら、天五中崎商店街にある「中崎力餅」。
ここも建物の左手で餅菓子を販売している。
ばらずし、稲荷ずし、赤飯、おはぎ…茶道の席で用いられそうな上菓子にあらず。野暮であか抜けないぼたもちなだけに、逆に郷愁を誘う気がする。
後継者不足で「力餅食堂」は存亡の危機にある…などという記事が昨12月に新聞に踊った。でも元気な店は案外元気だ。こちらもひっきりなしに客が来る。一人でうどんをすすり、おはぎを食べて行く。
すうどん。うるめやサバなどの雑節で濃いめの出汁をひくのが
力餅の伝統といえようか。じわっと来る美味さ!それに比べ柔らかく力のない麺。でもこの方が出汁が引き立ちそうだ。
特製カレー皿うどん。うどんにカレー粉を打ち込んである。
その上にコクのあるカレールー。
ここは自家製麺だけにこんなこともできる。
カレーざるそば 麺はプーンとカレの香りがする。
つゆや薬味はいつものざると一緒。
研究熱心の主人はともすれば、変わり者のようにも言われるが
たくまざるチャレンジャーである。
手前はコーヒーざるそば。のどごしがいい。
ここは定番の赤飯は行っておかなくては。
この後しばらく、力餅行脚は続きそうだ。
力餅食堂 野田店 阪神野田阪神 駅前
力餅食堂 中崎町店 天五中崎商店街内
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