マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

おでん、茶めし、かんとだき

2011-03-04 05:35:05 | 




春まだきの冷たい風に吹かれりゃ、おでんに燗酒と行きたいもんだ。
東京ぢゃおでんに茶めしが付き物。 なんですかそれ? 春だしお答えしませう。
その昔はお茶で炊いたのか、かやくご飯のいろいろ具材の入らないものと理解。
おでん以前、江戸では「菜めし、でんがく」といって、大根の葉っぱを炊きこんだ。
だから、東京ではおでん、ごはんのおかずな訳ですな。





ところが、関西はさにあらず。 酒のあてであり、甘めのかんとだきは子供のおやつでもあった訳で。
弘化元年創業の「たこ梅」などは元々、立ち飲みで酒とかんとだき、たこの煮たのだけだった。
居酒屋のルーツは煮売り屋。だから当初から煮込んだ魚菜は酒とともにあったと思われる。
田楽時代は別にして、その後、味噌で煮られ、醤油の開発と共に、醤油ベースで煮られることになったおでん。
どっちにせよ、もっちゃりした、洗練からは程遠い、だがほっとさせられる食べ物にちがいない。





ここ神戸の「まめだ」は80年以上続く老舗。 やっぱり最初は大根からまいりたい。





ひらてん  いろいろ混ぜ物のないのがよろしい





ちくわ、ぎんなん、厚揚げ  せめてこの程度で。あんまりいっぺんに頼むと恥ずかしい。
だってあてなんだから。 昼はおでん定食などしてるそうだが、おでんに白ごはんもなんだかな。





一品ものもしゃんとしてる。  きずしは定番で頼んでしまう。
だし昆布も一緒に刻んでくれるのはうれしいね。





牡蛎フライもよろしんぢゃないですか。
銘柄は忘れたが、ここの燗酒相当にうまかった。





珍しい手羽なんてのがあった。 柔らかく煮られ、ほろほろと身離れよろし。

人生に疲れた男が、おでんの屋台でも引こうと思ってます…なんてものだった、昔は。
役者なら池部良、高倉健では二枚目すぎるか。三井弘次、沢村いき雄、おっといた、中村是好。
こういう人のおでんならさぞ旨かろう。

かつての行状を隠して、客を迎え入れ、無口な中にもなんだか人生の陰影を感じさせる店主で。
電信柱の影で屋台で燗酒。遠くで犬の鳴き声。アツアツの燗酒グビリ、常連は身の上相談を始める。
店主は黙って聞いていて、ぽつりと短いことばを返すだけ。
ただそれだけで、客の肩の荷は少しだけ軽くなる。

そんなおでん屋の親父にあこがれるが、おでんは下仕事が大変で、いくら手をかけたかによって
味を左右する料理だ。客の目の前でするのは仕上げの作業だけだ。
そんな勤勉ぢゃないので、俺にゃできないなぁ…。






餅入り、きんちゃく
これも経木でもって口を締めて、おでんは手間を食うもんだなぁ。

雨のしょぼしょぼ降る晩に、まめだが徳利持って酒買いに・・・大阪のわらべ歌だ。
まめだとは豆狸、イノシシでいうウリ坊みたいなもんだ。





その愛嬌のよさから、関西人には愛されてきた。
かわいい顔してちょいちょい人間を化かす。


        まめだ   神戸市中央区三宮 三宮センタープラザB1


 


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1 コメント

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おでん (こーじ)
2011-03-08 22:46:07
幼少の頃は、おでんなんて、色が地味で、味が単一で、ありゃあ、おっちゃんが食うもの、なんて思っていましたが、おっちゃんになって酒飲むようになってからは、冬には欠かせないアイテムとなりました。
一度、コートの襟立てて、おでんの屋台に行って、見繕ってもらったおでんでコップ酒あおってみたい・・・
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