勝福寺 Gikoohの日替わり法話

山寺の住職、Gikoohが日々感じたことを綴っております。
(プロフィール用の落款は天野こうゆう僧正さま彫刻)

勝福寺ライブレポート(vol.11ー承)

2011-11-08 21:29:07 | Weblog
毎月8日は瑠璃光薬師如来のご縁日。東の方角におられる薬師如来は医王仏ともいわれ、名の通り医者の役目を担われている。健康祈願、或いは病気平癒など、ご縁日は瑠璃の光明を享受しやすいとGikoohは感じている。

今日は午前中に茶道の稽古があり、午後からは夕方まで来客の続く1日となった。

さて、今夜も昨日の続きで、起承転結の【承】を…。

今年3月11日、あの東日本大震災の日。Gikoohは凄まじい自然の力に恐怖を強く感じ、犠牲になられた方々、そこで生活をされる方々のことを思うと心配でたまらなく、ただ本尊様に祈る毎日だった。更にいつかは必ず起こるであろうと危惧していた原発の大事故も具現化してしまった。

Gikoohは大好きな音楽でさえも聴けないようになった。新聞を広げることも、テレビを付けることさえも億劫になった。しかし刻々と変化する状況を知るために、当時はニュース番組の中から何故かテレビ朝日の「報道ステーション」を見るようになった。

4月から報道ステーションのオープニングテーマ曲が変わり、毎夜聴くたびにGikoohの魂が揺さぶられた。震災関連の出来事ばかりで憂鬱だったけれど、オープニングテーマ曲の「I am」には大きな慈悲深さと包容力があり、この曲を作った作者を知りたくなった。

このブログを読まれた人がどう感じるかは分からないけれど、報道ステーションは現在のテーマ曲になって番組全体が脱皮したというか、各段に良くなった。

この「I am」の作者は、ニューヨーク在住のManami Moritaさんというjazzピアニストで、Manamiさんに1通のメールを送った。震災の不安な気持ちがManamiさんの音楽で救われていることを伝えた上で、スタジオでもないホールでもない、お寺という聖域で追悼の意も兼ねて演奏して頂くことを相談した。演奏を通してお寺に来山されたお客様が感化されることは勿論、音が本尊様の光明で震災で犠牲になられた方を供養し、被災地で生活される方々と復旧復興支援に当たられる方々の魂が活性化に通じることを願った。Manamiさんは快諾され、所属事務所の温かなサポートもあって実現することとなった。

勝福寺には「ザ・スーパーライブ・シリーズ」という企画がある。今回は10周年で、当初よりゲスト、音響、空間等々、世界のどこに出しても通用する高品質なライブを提供したいと2001年に立ち上げた。田舎の山寺ながら本物には拘りたかった。本物でないと、人の心は感化されないものだと思うから…。
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