9日ぶりの日替わりになった。春先は何かと多用な日々を過ごしている。境内のソメイヨシは次第に葉桜となって季節は夏へ向かおうとしている。今年は提灯を飾っていたことも影響したのだろう、花見に訪れられる方々が多く見受けられた。因みに、寺山の老木の山桜はこれから見頃になる。
さて、画像は勝福寺の御本尊様である弥陀三尊。十二種の光明を放って様々な方法で衆生を救済される如来様は、一般的には人が逝く時にお迎えに来てくださる有難い仏様としてもよく知られている。
真言宗の僧侶が葬儀の際に行う所作を引導作法というけれど、お大師様はこのことについて、「引導をもって大日世尊、本覚の蓮(はちす)を開き、即身自仏の果を開く」(大日経開題)と説かれ、『高野山真言宗檀信徒必』を引用すれば、引導とは迷える人々に本来備わっている覚りを開かしめ、自ら仏に成ることを導くものが、いわゆる引導であり、葬儀の主旨と記されている。真言宗の檀信徒は、臨終を迎えると弥勒菩薩様とお大師様の来迎を頂いて曼荼羅の浄土へ帰ると考えられているが、阿弥陀様も弥勒菩薩様も表現の違いこそあれ、しっかりした作法を施すことにより必ず安寧の世界へ旅立つことが出来るとGikoohは思っている。だからこそ僧侶は平素から常に心を清めて拝む力を養っておかねばならない。
何だか今夜は、思わぬ方向へ話題が展開したようだ。今週末、4月8日はお釈迦様の御誕生をお祝いする花まつり(灌仏会)を予定している。誕生仏に甘茶を灌いで、各人自身の生命の尊さも再確認されたい。