勝福寺 Gikoohの日替わり法話

山寺の住職、Gikoohが日々感じたことを綴っております。
(プロフィール用の落款は天野こうゆう僧正さま彫刻)

心眼で物事を捉えられるようになるための糸口?

2013-07-22 22:12:57 | Weblog
今日は朝から昼過ぎまで林鶴山さんの御宅を伺い、午後からは来客や如常の1日。

この写真は先週末にあった子供達との「自然と茶道文化を楽しむ会」で帰り際に持ち帰ってもらった鉢と花の苗。鉢は100均で求め、花は色の異なる千日紅を2種植えている。

子供達が茶室に入る時はまず床の間の飾り物を拝見し、釜を拝見し、席に座すわけだが、小学1年~5年という年齢にしてみれば所作を覚えるので精一杯だと思う。Gikoohは形式上の所作以外に、心眼で物事を捉えて欲しいと願っているから、この度一つの試みとしてこのような細やかなプレゼンをしてみた。無事に成長したら、小さい苺のような花が次々に咲くので切り花にすると楽しめると思う。生き物を育てることは何でも大変で、Gikooh自身も大きな失敗をしたことがあるからあまり言えないけれど、花を育てることは情操にも響く。いきなり茶道具の美を論ずるよりも、まずは身近にある花などに関心をもってもらって、自然美の姿に慈しみを感じられる人になってもらえればと思っている。感性の開花の糸口になれば有難い。

この感性は経験とか年齢に関係なく、花が一輪空間にあるだけで素敵なワールドが醸し出される。お茶の世界は、一連の所作を通して人間としての教養を高めてくれるから凄い文化だと思う。

昨日参院選が行われた。外交、経済、原発、福祉、教育などに加わって「文化」という言葉が聞きたかったけれど、それはなさそうだった。日本人の精神育成には文化も深く関与しているのだから、上辺の灰汁救いのような政治ではなくて、例えば一輪の花を見ても多くのことを感じ取れるような議員さんであって欲しいと思う。「浅き夢見じ酔ひもせず」ではなけれど、何にしても先々のことを考えておかねばならない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする