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風月庵だより

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電車風景 少年たちとの交流

2005-12-07 18:11:15 | Weblog
12月6日(火)曇り【電車風景 少年たちとの交流】
今年から電車で通勤するようになったので、電車でのドラマが時々ある。
 今日は少年たちとのドラマがあった。もっとも私が勝手にドラマと呼んでいるだけであって、ほんのちょっとしたふれあいである。
 
 電車の最後尾で、三人の少年たちが、互いに押し合ったり、なにか言いながら触れあって楽しんでいた。私はその横に立っていた。
 
 「親鸞聖人、浄土教」と、一人が言った。
 「瀬戸内寂聴」と、他の一人が言った。
 これはどうも僧形の私に向かっての言葉のようである。

 私は、チラリと彼らの方を見た。いたずらそうな顔が、ニヤリとした。
 せっかく私にボールを投げてくれたのだから、これはお返しして差し上げねばなるまい。 「きみたち、何年生」と聞いたら、「中学二年」とすぐに返事をしてくれた。
 「親鸞聖人はね、浄土真宗かな。」
 「浄土教じゃなくて浄土宗は、法然上人だよ。」
 「遊ぶのもいいけど、勉強もしっかりね」と言ったら、「はーい」と三人が答えてくれた。
 「きみたちの今の頭はなんでもよく記憶できる年令だから、頑張ってね」と、付け加えたら、また三人で「はーい」と言って、ケタケタと笑いあった。
 私も笑った。
 ついなにか為になることを、言ってしまいたいのが私であるが、うるさいとも言わずに返事をしてくれた三人に感謝。
 
 電車の中で再び同じ出会いはない。
 電車の出会いは停車駅のドアが開けば、さよならの、一瞬の出会いである。
 その上電車の中では、ほとんどの人がそれぞれの世界に固まっていて、ふれあいはほとんどない。

 そんな中だから、一瞬のふれあいはドラマとさえ言えるのではないか。
 少年たちに無事に思春期を乗り越えてもらいたいと願いつつ、「じゃまたね」と電車を降りた。