風月庵だより

猫関連の記事、老老介護の記事、仏教の学び等の記事

大晦日

2012-12-31 17:29:21 | Weblog

12月31日(月)雨、晴れ(昼暖か)、曇り、晴れ(夕方、寒し)【大晦日】

平成24年は、まもなく閉じようとしています。閉じようという意志があるのではありませんが。今年は実に変動の年でした。

「何がよいか悪いかわからんぞ」という本師の口癖のように仰っていた言葉を思い出します。一ケ寺の住職になりましたが、僧侶としては、やりがいのある立場になったといえますが、手離しで喜べないことが実に多かったです。

そんなことよりも、昨日今日とお正月を迎える準備で、あちこち、うろうろ、忙しくいたしました。お掃除もしました。ご本尊様へのお供物もいろいろと供えました。暮れに檀家さんがお持ちくださった大根や白菜や蕪や人参やらもお供えしました。

お花も本堂にも、歴住のお墓にも、お地蔵さまにもお花を供えました。

竹林から竹を切り出してもらって、それも入口に立てました。あ、まだ、やり残したことを思いだしました。大変、大変。

除夜の鐘は、本堂の鐘を108回つこうと思っています。来年は撞木をつけて鐘楼堂の鐘をつく予定ですが、この鐘の音をどうしても来年聞かせたいと願っている檀家さんの一人もいます。今年の鐘に祈りをこめます。

お互いに命に終わりがあるのは、切ないですね。それこそ来年私が鐘をつけますか、それもわからない無常の命です。

皆さん、どんな一年だったでしょう。お疲れ様でした。好いお年をお迎えください。


果たして問題は原発の存在だけだったのかー『フクシマ元年』を読んで

2012-12-19 19:17:08 | Weblog

12月19日(水)晴れ【果たして問題は原発の存在だけだったのかー『フクシマ元年』を読んで】

東京の僧侶の方々が、豊田直巳氏の講演を聞き、原発についての見聞を深めたと聞いたので、私も氏の『フクシマ元年』を読んでみました。副題として「原発震災全記録2011-2012」とあります。氏はフォトジャーナリストですので、原発で被災してしまった村の写真や、無念の思いの飯館村の方々の状況を写真を添えて紹介しています。

この写真集を読みながら、つくづく思ったことは、単に原発の存在だけがこの度の問題ではない、ということです。もちろん私は原発には反対の考えですが。それは当然のこととしまして、この原発事故での問題は、対応があまりに悪かったということでした。原発反対だけの問題ではなく、飯館村の人たちに対しても、周辺の人々に対しても、爆発当日風下になった地域の人々を、被ばくさせてしまう前に、もっと早急にしなくてはならないことがあったはずでした。一応時間がたったので、このようなことを、マスコミももっと検証してよいはずですが、あとからあとから問題が起きますので、丁寧な事故の検証がしきれていないし、隠蔽されていることが多すぎると思います。

飯館村や周辺住民の人々が、皆、政治家の家族であったなら、どういう対処をしたか、全員が我が家族であるという対処をすれば、かなりの被ばくを避けられたはずです。しかし、東京は安全であったかというと、言い切れないでしょう。私もガイガーカウンターをもって時々計測していますが、テレビの公表の数値よりもはるかに高い数値を示しています。関東地方の住民は、多少なりとも被ばくしたのではないでしょうか。自分だけは大丈夫、ということはありません。

民主党が大敗したのは当然のことでしたし、時の総理が小選挙区で、落選したのも当然のことでした。はたして自民党だったらどうであったか、それはわかりません。原発を推進してきたのは、自民党にほかならないのですから。 とにかく「国民すべて我が家族」という思いで、政治を行っていただきたいと、心から願わずにはおれません。

酪農や農業に、一生懸命汗を流して生きてきた人々の日常は、その土地には戻れないという現実、科学的にきちんとこのことも、政治家は伝えていく責任があるでしょう。目に見えない放射能汚染の実態を伝えていく責任があるはずです。故郷再生の感情論だけでは、子供たちを犠牲にするだけであることを、辛いですが、伝えていき、どうしたらよいか、政治が責任をとらなければならないでしょう。これからも「国民すべて我が家族」と思って、政治家の先生たちに頑張っていただきたいと願わずにはおれません。

 

 

 

 

 


利権に消された街の灯り

2012-12-18 09:45:01 | Weblog

12月18日(火)晴れ【利権に消された街の灯り】

衆議院選挙が終わりました。自民党の圧勝でした。私は何党に入れたかは別としまして、小選挙区制という制度には疑問があります。野田さんも消費税のことよりも、まずこの改革をすべきだったのではないでしょうか。二度とチャンスはないかもしれません。

ところで公共事業といえば、50年位前の話ですが、故郷に新幹線が通る話があり、てっきり故郷に新幹線の駅ができると思っていました。しかし駅ははるか山の上で、あまり人家もないようなところにできました。どうしてだろうか疑問でした。新幹線の駅が街からは遠く離れていますので、故郷の街の灯りが段々に消えて、かつての賑わいが消えてしまいました。

ある人がいうには、駅前商店街の人たちが、新幹線の駅ができると立ち退きになるので反対したということでした。本当だろうか、変な話だと思って聞き流していました。しかし、疑い深い私は、そんなことはあるまいい、今の駅の周辺の土地を持っていた人が政治家だったのではないか、と考えました。

それが、昨日、故郷の人が訪ねてきて、その話になり、やはり、首相をしたことのあるT.K氏の関係者がその辺の土地を持っていたのだということを聞かせてくれました。しかし、T.K氏は隣の県の代議士です。どうしてと聞きますと、高速道路の方を故郷の県出身の首相経験者が利権をとったのだということです。50年前にはこのような利権争いや利権行使が横行していたのでしょう。

公共事業を推進したいという方が、次には首相なるでしょうが、本当にその事業をする必要性をよく検討して、利権に振り回されない政治をしていただきたいと切に願っています。

故郷の老舗の旅館が、最近また一軒つぶれました。