風月庵だより

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夏を送る

2010-08-30 21:22:53 | Weblog
8月30日(月)晴【夏を送る】

もうすぐ夏休みも終わりでしょうか。明日までのところが多いのではないでしょうか。今年の夏休みは、お子さんたちにとって、暑さ対策が大変だったことでしょう。

電気料金を払えずに、電気の供給を止められている家庭もありますが、そのような家庭の場合、救済措置を考えているそうです。

この暑さもあと一週間の辛抱でしょうか。お互いにあまり頑張らずに頑張りましょう。


韓国訪問記4 無礙堂

2010-08-27 09:50:57 | Weblog
8月27日(金)晴【韓国訪問記4 無礙堂】

東京は、今朝は少し涼しかったです。9時を過ぎてから、また少し暑くなりました。

さて、この度の韓国訪問は、日程も短かったのと、母があまり歩けませんので、あまり遠出はできませんでした。

それで本覺法尼の運転で、ソウルから車で1時間半ほどにある友人のお寺に伺いました。

上の写真は、この友人と友人の犬と私です。友人は名前を公表されることはきっと好まないから、無礙堂堂主と言っておきましょう。無礙堂堂主は書家です。本覺法尼がソウルの普陀寺(ポタサ)の住職として、尼僧のための鉄筋5階建ての寮を建設したりしているときに、総務(監司のように、寺の事務一切を取りしきる役)として活躍してくれた人です。私とも平成2年以来の友人です。無礙堂堂主は韓国語、私は日本語を話しながら通じてしまうという友人です。

今は静かに坐禅と、布教につとめています。

左に見えるのが、無礙堂です。前の住職が売りに出したのを買いました。

韓国では、公的なお寺以外は、売り買いができます。売った場合は、その一割を宗務庁のような組織に収めればよいのだそうです。

お寺の運営が檀家方式ではなく、信者方式で運営されていて、住職個人の所有としての権限がある韓国のお寺ならではの、合理的な仕組みです。日本では、私も二ヶ寺のお寺の住職をつとめたり、留守番として入っていたお寺も改築したり、お寺の建物を保持するのに尽力しましたが、住職としての権限は全くない状態でしたので、それだけのことです。

多くの尼僧さんは、住職として、堂々とつとめている方もいます。私がたまたま、そうでないところに縁があったわけで、私なりの流れなのだと思っています。今は全く怒りはありません。

しかし、今のところ、日本の尼僧寺の状況(私の経験にすぎません)に懲りてしまいまして、お寺に入ってはいません。
本師が揮毫してくださった庵号の看板を持ちながら、どこにいっても「風月庵」として生きていくつもりです。なにも問題はありません。お寺に恵まれなかったお陰で、大学院にも入ることに方向転換をしまして、曲がりなりにも研究生活を送るような展開になりました。

今あるのは、当時マイナスと思えることがあったお陰ですね。せっかくきれいにしたのだからなどと執着していたら、道は開けなかったでしょう。まだこのままで固定ではないかもしれませんが、今、今を生きるだけです。無礙です。
いいですね、「無礙堂」、友人にピタリの寺名です。

それにしても本を読み出すと眠くなるのは、まだ収まりません。力量以上のことにチャレンジしているせいかもしれません。分かりやすく言いますと、難しいので眠くなるのですね。

さあ、今日も無礙の心境で、力量以上などと限定、比較しないで自分を生ききりましょう。皆さんもこの残暑、もう少しの辛抱ですね。お元気で。

*無礙:なにものにもとらわれず自由自在であること。ちんどう
珍島犬:無礙堂主人の傍らの犬は、チンドールという名の珍島犬です。珍島犬は珍島固有の犬で、他の犬種を島に入れないようにしているそうです。


残暑お見舞い申し上げます

2010-08-25 11:33:48 | Weblog
8月25日(水)晴【残暑お見舞い申し上げます】

今日は、東京は幾分しのぎやすいようです、今のところは。これからはわかりません。
とにかく外に出ることができないほどの毎日ですね。

実は、本を開けば、眠くなります。これはどういう現象なのでしょうか。予定通り、原稿は全く書けません。その前の資料を読むことができないのですから、どうしようもありません。

仕方がないので部屋の掃除をしたり、片付けをしています。

とにかく、家の中の仕事は、掃除、洗濯、炊事、これで一日はほとんど終わってしまいます。それでも片づけきってはいないのですからきりのない仕事です。

残暑を乗り切って、なんとか資料を読み切りたいです。

ルナもバテてはいるようですが、ルナペースで寝たり起きたりしています。

皆様もお元気で。

韓国訪問記その3 〈出家とその弟子〉

2010-08-21 14:02:54 | Weblog
8月21日(土)晴【韓国訪問記その3 〈出家とその弟子〉】

今日も暑くなりました。昨日は少ししのぎやすかったですが、またぶり返しですね。今年、熱中症で亡くなった人は300人に及んだそうですね。それを考えますと、私事ですが、今年、研究所を辞めまして、家にいますので、つくづくよかったと思っています。母も私もほとんどクーラーを今まで使いませんでしたが、今年はクーラーを上手に使いませんと、この暑さには対応できませんし、時折お茶を飲んだり、水を飲んだり、ジュースを作ったりして、水分の補給につとめませんと、母の体調管理ができなかったと思います。

お陰様で、先日、母も満94歳の誕生日を迎えることができました(韓国式には95歳)。

また、上の写真は、今年韓国訪問の写真ですが、左に写っているのは、母です。行きたいと言うので、思い切って連れていきました。

さて、この写真は金輪寺における朝食の後のティータイムです。師匠である本覺法尼を囲んで(一番奥の真ん中の方)、お弟子さんたちとお茶を飲みます。その日の打ち合わせをしたり、本覺法尼の話を聞いたりします。一日中忙しいですから、この時間は貴重です。

この写真の中には、昨年私が『中外日報』に紹介した方も、剃髪して写っています。一年間しっかりと師匠や先輩に仕込まれています。そして入堂の試験に受かったら、僧堂修行に入ることができます。(僧堂の修行期間は4年です。それから仏教大学に入る人もいますし、坐禅堂に行く人もいますし、布教にたずさわる人もいます。自分でどの道を行くか選ぶことができます。)

今10人のお弟子さんがいます。僧堂で修行中のお弟子さんが三人います。また今まで総務として、お寺の管理に努めてきたお弟子さんは、九月からスリランカに留学します。親を捨ててまで出家した弟子たちの願いは、できるだけ聞いてあげたいというのが、本覺法尼の考えです。

昨年母が特にお世話になった人は、自分の希望で三ヶ月だけ坐禅堂に入っています。韓国では、坐禅堂では一切の用から離れて全く坐禅三昧の修行ができるようになっています。外からの面会もあまり許可されません。

別のお寺で布教につとめているお弟子さんもいますし、前のお寺は、二番目の弟子が住職を継いでいます。

本覺法尼が、両方のお寺の住持をするようなことはなさらないことに感心しました。前のお寺をつくるにも大変な努力があったことを知っていますので、このような潔さもすごいと思います。

本覺法尼は、とにかく自分の弟子となった人々が、出家したことを幸せと思って、仏道修行ができるように心を尽くしているのです。

*『中外日報』の記事(抜粋)

(前略)Kさんは、中学の数学教師をしていたそうですが、お母さんが熱心な仏教信者で、高校時代から、お母さんに出家をすすめられていたのだそうです。でも本人には、まだその意志がありませんでしたので、教師になったのです。

ところが先頃、不思議な夢を見たのだそうです。行く手に灯りの灯った一輪の蓮の花。そちらに導かれるように歩いていくと、その行く手に、また灯りのついた蓮の花が一輪、さらにポッ、ポッと、一輪一輪、道しるべのように、行く手に灯りが灯る蓮の花が現れたのだそうです。Kさんは、夢の中で、不思議な事だと思いながら、その蓮の灯りの後をついて坂道を歩いていきましたところ、やがて「金寺」と書かれたお寺の前に辿り着きました。突き当たりになっていますので、戻ろうと思って道を振り返りましたら、帰り道は無くなり、蓮の花も消えていたのだそうです。(後略)*金寺は前のお寺。

『中外日報』平成21年7月30日掲載「尼僧つれづれの記」より 

韓国訪問記その2 金輪寺Ⅱ

2010-08-18 10:36:30 | Weblog
8月18日(水)晴【金輪寺Ⅱ】

毎日、皆さんどうしていらっしゃいますか。私は完全に夏バテです。本を開いて読もうとすると、どうしようもない眠気に襲われて、一頁読むのがやっとです。これでは、宿題を頂いているのですが、どうしたらよいかわかりません。寝ているわけにはいきません、が、少し寝ようとしても眠れない、しかし、本を開くと頭がロックされたように眠気に襲われる。困ったものです。

さて、少し韓国訪問記を書いてみます。今回はやはり韓国も暑かったので、あまり活動できませんでした。でも日本よりは気温は低かったです。湿度も低いので、東京よりは楽でしたが。

金輪寺はいつでも、4時朝課です。前の日に何があっても4時朝課は変わりません。

写真のように在家の信者さんも朝課にやってきます。車で来ます。その日によって参加する人は違う人もいますが、ほとんど毎日朝課にやってくる人もいます。

僧侶と同じようにお経を唱え、百拝くらいお拝をします。日本のように鈴にあわせて一斉に同じくお拝をするのではなく、それぞれのペースで自由にお拝をしています。

また朝課のあとお互いに挨拶を交わし、20分ほど坐禅をします。細長い座布団の後ろを折って、坐蒲とする人もいます。丸い坐蒲を使うとは限らないそうです。僧堂でも自分にあった坐蒲を使っているそうです。因みに私は丸い坐蒲よりも細長い枕として作られたそば殻入りの坐蒲を日頃使っています。

坐蒲と言えば、丸い坐蒲という画一化された考えは韓国のお坊さんにはないようです。こういうところにも民族性の違いがあるように思います。(韓国の人は大陸的だと感じることがよくあります。)

道元禅師のお使いの坐蒲はどうだったのでしょう。パンヤは勿論なかったのですから、そば殻とか、藁とか入れたのでしょうか。形も○と限ってはいなかったのではないでしょうか。

さて、朝食は6時です。どなたでも事前に分かっていれば、一緒に食べられるようです。完全な菜食ですが、今年は僧堂で典座和尚の役についている暁昔(ヒョウソック)法尼が夏休みで帰っていましたので、金輪寺の料理のレパートリーはとても増えていましたし、とてもおいしかったです。菜食でも体に十分な滋養が行き渡る研究が伝統的になされていますので、お弟子さんは皆体格がよいです。また新鮮な無農薬のお野菜を暁昔法尼のご両親がいつも運んできてくれます。




胡麻がよく使われています。お豆腐もよくでてきます。海苔もよくでてきます。
ご飯は玄米、赤米、小豆、黒豆などが必ず入っています。白米だけのときは少ないです。
みそ汁も朝はあります。酢の物の料理も多いです。私は酢は苦手ですが、今回の旅行以降、なるべく食べるようにしています。この夏を乗り切るのに、やはり酢の物はかかせないでしょう。

典座には、前のお寺からいてくれるハルモニが常時いてくれます。お坊さんが典座の仕事だけでかかりきりにならなくてすむには、やはりお手伝いの人がいてくれると助かります。

さて、そろそろ、本を読んでみます。また眠気に襲われるでしょうか。





吉永小百合 平和への祈り

2010-08-15 19:21:05 | Weblog
8月15日(日)晴【吉永小百合 平和への祈り】

いつもお盆は暑いですが、今年のお盆は猛烈な暑さ、ダントツの暑さ、比較できないほどの暑さだったと思います。今年の棚経は少なかったのですが、それでも帰りの運転中に暑さと疲れで眠気に襲われて困りました。

さて、明日16日(月曜)午後8時~9時半まで、NHKBS2で「吉永小百合 平和への祈りコンサート」が放映されます。

当ブログでは時々吉永小百合さんに関しての記事を載せますが、勿論ファンでもありますが、私が大学時代に所属していたクラブの先輩なのです。それで上記の放映をお知らせ頂きましたので、ご案内いたします。6日にも「吉永小百合・平和への絆~原爆の事実を語り継ぎたい~」の放映があったようですが、留守にしていましたので、皆さんにご案内できませんでした。

戦後65年といいますが、世界は全く平和にはなっていません。核兵器を使用すれば、いかに悲惨な結果であるか、世界は知ったはずなのに、現在世界中にどれほどの核兵器が存在しているか想像を絶するほどの数があります。もし使われれば、何回も地球全体を破滅することができるほどの核兵器があるでしょう。

ポツダム宣言を受諾した「敗戦の日」の8月15日、世界の平和を祈らずにはおれません。
考えてみれば、敗戦記念日の記念日という表現もおかしいですし、終戦記念日ということはさらにおかしいわけです。昨年、識者の方から指摘をされまして、まことにその通りであると思っています。認識の甘さを痛感しています。

アメリカの核に守られているという認識も、まことに危険な認識です。これをその通りと思っているとしたら、ヒロシマ・ナガサキで犠牲になった人々に顔向けができるでしょうか。

昨日はNHKの番組で韓国の若者と日本の若者で、意見を交換していましたが、歴史認識の違いも浮き彫りになったと思いますし、誤った歴史認識を持っている日本の若者がいると思いました。日本が韓国を植民地化したのは、ヨーロッパなどから守る意味があったというような意見を若者が言っていましたが、誰から刷り込まれた歴史観でしょうか。他者を巻き込み、犠牲を強いた歴史上の出来事については、どのように思おうとも自由、とは言えないと思います。

今日は、棚経で疲れましたので、この辺で。






韓国訪問記その1 〈金輪寺〉

2010-08-14 17:29:39 | Weblog
8月14日(土)晴【韓国訪問記その1〈金輪寺〉】(金輪寺外観)

韓国の法友、陳本覺法尼が、新しくお寺を建立したお祝いに、先週行って参りました。ソウル市と高陽市の境、ソウルといってもよいところに金輪寺(クンルュンサ)はあります。真ん前には「西五陵」という五代の皇帝と皇后を祀ったお墓があり、とても立地条件のよいところにあります。

本覺法尼は、ソウルの西にある金瞕寺(クンザンサ)というお寺の住職でしたが、こちらのお寺は信者さんがお参りに来るのに、冬は、あまりに急な坂道なのと、信者さんの人数に対して少し狭いので、金輪寺を建立したのです。

昨年はこのブログで金瞕寺のご紹介をしました。去年訪問したときに、今の金輪寺の場所と当時レストランであった建物を見に来ていましたが、想像もできないほど立派にお寺として生まれ変わっていました。

本覺法尼の信者さん第一、布教第一の願いのもとに、本当に自由な発想で、金輪寺はつくられていますので、少しご紹介したいと思います。


外壁の仏画


正面玄関側


金輪寺の駐車場側です。正面が入り口です。信者さんだけではなく、誰でも自由にお参りができます。もとレストランでしたが、ガラス張りの外壁はそのまま生かしています。




一階のホールに奉納されている法句経を手話であらわしている「千仏」です。10枚が組になって1話を表しているようです。千枚の仏画が壁面一杯に貼ってあります。一枚一枚、寄進した人の名も別の場所に書かれています。ハングル文字のお名前だけではなく、日本名もあります。私の名も勿論あります。多くの方がご寄進くださっています。


二階の本堂、釈迦三尊仏(釈尊像、向かって右ー観音菩薩像、向かって左ー地蔵菩薩像)。一階の千仏が後ろに見えます。韓国のお仏像は、大きいですし、お参りの信者さんからよく拝めるようになっています。


一階ホールに設けられた喫茶室部分です。信者さんでなくても、誰でも自由にお茶を飲みに入ることができます。


喫茶部のキッチン。毎日ボランティアの信者さんが日替わりで応援に来てくれます。コーヒーでもなんでも100円くらいの安い値段で提供しています。願いは誰でも仏縁を結ぶことにあります。仏教を身近に感じて欲しいという、本覺法尼の発願で設けられました。

形にとらわれない自由な発想がいろいろとある金輪寺です。開山式には1500人もの僧俗男女がお祝いに参集したそうです。私は、その日は伺えませんでしたので、遅ればせながらお祝いに行ってきたのです。

本覺法尼のスケールはあまりに大きいので、気楽に友だちなどと言ってはいけないのではないかと母はいいます。でも人間はそれぞれですから、友人は友人です。お互いを信頼し、助け合う心を持っている知り合いを「友」ということにはばかることはありません。

とにかく古くからの友人が、益々人々のために役に立つことに尽力している姿をまた見せてもらって喜んで帰ってきたのです。











2010-08-11 11:55:31 | Weblog
8月11日(水)晴【蝉】

今日も暑いです。皆さんお元気ですか。私もなんとか息をしています。

私の住んでいるところから環八雲がよく見えます。朝からそんな雲をボーっと眺めています。

家の中に蝉が入ってきました。虫を見ると目の色を変えて追いかけ回すルナの爪から、蝉を助けて鉢の土の上に置いておきました。もう死ぬ寸前かと思うほど弱っていますので、せめて土の上にと思いました。


ところが、2時間後に見ますと、海棠の茎に登っています。しがみつくように登っています。


1時間後も同じ場所のように見えます。


ところが土の上に置いてから6時間後には、こんな上にまで登っていました。用事で外出しましたが、帰ってきたらもういませんでした。飛び立っていったのです。儚い命と言われる蝉ですが、今頃は大木にしがみついて鳴いているかもしれません。

私たちも蝉のように、儚い命ですが、蝉のようにじっくりとできることをして生きようと励まされました。

暑中お見舞い申し上げます

2010-08-01 20:49:25 | Weblog
8月1日(日)晴れ【暑中お見舞い申し上げます】(龍國時のお庭、涼しそうなので)

熱中症で百人以上の方がお亡くなりになっているようです。

私も今日は納骨でしたので、焼けるような墓石に囲まれて、おつとめしてきました。小さなお子さんが、顔を真っ赤にしていましたので、すぐに冷たいタオルで顔を冷やしたり、お水を飲ませたりしていただきたいと頼みました。

大人より、子どもは焼けるような地面のすぐ近くに頭があることを、大人は常に心がけていないといけませんね。

私も「暑気」にあたりそうですので、車に発泡スチロールのクーラーボックスを入れて、中に氷と冷たいタオルを入れておきます。頭にタオルをのせて運転しています。行き交う車の方が見たら、ちょっとおかしいかもしれませんが、倒れるよりはよいでしょう。

皆さんも、くれぐれも暑さ対策怠りなく、夏を乗り切ってください。