風月庵だより

猫関連の記事、老老介護の記事、仏教の学び等の記事

仲間の死

2021-03-16 22:07:01 | Weblog

3月16日(火)晴れ【仲間の死】

今のお寺の住職になって以来、お寺を守っている私とともに、いつも一緒にお寺を守ってきてくれた仲間に、亡くなられてしまいました。

ここのコンクリを打ち直したいが、と言えば、、すぐに「俺がやるよ」と答えてくれて、間もなくコンクリを打ってくれたり、4メートル幅の参道を7メートル幅の参道に直し、ブロックもフェンスも60メートルに渡って直す時も「俺がやるよ」とさっさとやってくれ、寺に入ったときから白い塀を作りたいと構想を練っていたのですが、機が熟して塀をこしらえる時も、「俺がやるよ」と、左官屋さんや、瓦職人さんの仲間を集めてくれて、ご自分は鉄筋を入れて土台をさっさと作ってくれて、役所の許可がでたので撤去したいブロック塀を壊したいときも、「俺がやるよ」と言って、さっさと撤去して、アスファルトを打つ業者を探してきてくれて、山林の草がぼうぼうに伸びてしまった時も、「俺がやるよ」と草刈りの車をトラックに積んで持ってきて、さっさと草を刈ってくださいました。

境内を見渡せば、あちこちに岩田さんの「お働き」が生きています。
車庫の前に雨がたまって困ったと言ったら、さっさとコンクリを打ってくれて、大雨が降っても車の出し入れも楽々です。

山林にもっと木を植えるように、市役所から指導を受けた時も、植木屋さんの知人を紹介してくださり、それを植えるのは手間賃がもったいないから「俺がやるよ」と言って、木の植え付けまでやってくれました。

私が枝垂桜があるといいが、と言えば、「俺が寄付してやるよ」と言って苗木を買ってきて、それも植えてくれました。間もなくその桜も咲くころです。

晋山式の時の角塔婆を立てるための土台も、自分で工夫してうまく安全に立てられるようにしてくれましたし、庫裏から本堂に行くのに雨に濡れないでいけるように屋根を工夫して作ってくれて、衣を濡らさないで本堂に行けるようにしてくれました。

水場が一カ所しか無いので、奥の墓所の人たちに不便だからと言えば、一緒に大きな資材売り場に連れて行ってくれて材料を買って、さっさと水場を拵えてくれました。

数え上げれば数々のお蔭さまが、お寺一杯にあります。
つい12月までは元気にゴルフにも行けたというのに、1月にははや手遅れということで、私に会いたいからと、連絡があり、信じられない気持ちでご自宅に会いに行ったのです。

いつも元気いっぱいの岩田さんが、ちょっと弱ったという感じで、ベッドに横たわっていました、しかし、2時間も話し込んでも全然疲れた様子がありません。食べ物が全く嚥下することができなくなり、点滴だけでしたが、まだまだ声にも元気がありました。

もはや手遅れのお体とは、信じられないほどでした。その後も時々、元気な声のお電話がありました。お亡くなりになる二日前になりますが、もうそろそろではなかろうか、と思い、お電話をしたときは、微かなお声を聞かせてくださいました。

昨日はお通夜でした。岩田さんは真言宗のお寺の檀家さんです。お通夜の前にご自宅に伺い曹洞宗のお経で、お礼のお別れをしました。お棺の中には、私の手紙を奥さんが入れておいてくださいました。

このコロナのご時世ですが、お通夜に会葬の方は、200人以上であったと思います。

すでに最後の日は近いことは分かっていましたから、信頼できる葬儀屋さんを息子さんに紹介して、当寺でご葬儀の打ち合わせをするようにお勧めしておきました。今までさんざんお世話になった岩田さんを、焦らないで立派にあの世にお送りできるように、私のできるせめてもの手助けでした。

今日は、もうあのお元気で力持ちの岩田さんのお体は荼毘にふされ、お骨だけがこの世に残りました。

本当に有難い「仲間」でした。このお寺を守るために、共にいろいろとお働きくださった大事な「仲間」でした。

有り難い人でした。岩田成吉(昭和15年12月19日~令和3年年3月10日、享年81歳)

(晋山式の角塔婆を立てるための土台を)

(草刈り作務を自前の草刈り機で)

 


夜中でも工事監督の仕事

2021-03-13 14:13:43 | Weblog

3月13日(土)雨、夜中から激しい雨【夜中でも工事監督の仕事】

夜中の雨は音を立てて降っていました。午前中一時小やみになりましたが、今も雷を伴い降っています。

こんな天候の中、金剛組の工事の監督さんは、夜中から駆けつけて小屋裏に入って、工事中の雨漏りの点検に来てくださっています。昨日から、もし雨がひどかったら、夜中でも伺いますので、と言われていましたので、夜中でも入れるように秘密の入り口を開けておきました。

朝、起きましてから、お茶を持って行きました。1時頃から降り始め3時頃はかなり強い降りだったようです。

まことにたいしたものだと思いました。知り合いの住職から、工事を通しての監督さんがいてくれる業者がよいですよ、と言われていましたが、本当にこの度の工事において、お一人の監督さんが、責任者として担当してくださっていますが、このようなことでも感心したり有難いと思ったりいたしました。通常でも、雨降りの時は、夜遅くまで様子を点検してくれています。

当寺の見積もり額を抑えてもらっていまして、仮屋根を作っていませんから、まだルーフィングを張り終わっていないので、雨の折は大変なのだと思います。

しかし、お仕事とはいえ、なかなか大変です。どんな仕事も、それなりに大変ですが、このように個人的な生活を犠牲にして、それぞれがプロの仕事をつとめあっていくところに世の中が、しっかりと動いていくのではないでしょうか。建築業界は古い体質があるとは言いますが、総て割り切っていくだけではない「お働き」の重要な役割を、古い人間の私は凄いことだと思っています。たしか「古い人間だとお思いでしょうが云々」、そんなセリフが懐かしく、耳に手をあてて歌っていた特攻帰りの俳優さんの顔を思い出しました。


花粉症と新型コロナウイルス

2021-03-08 10:58:11 | Weblog

3月8日(月)雨【花粉症と新型コロナウイルス】

今年の花粉症は、皆さんいかがですか。私はかなりひどいです。今日は、雨なので鼻水や涙の症状は軽いのですが、めまいがかなりあります。

とにかく粘膜が弱くなりますと、ウイルスに侵入されてしまうのではないかと、恐れています。花粉症の皆さんは、どうぞ、さらなるご注意を、と、素人考えの注意です。

しかし、このめまいには困ります。それでもパソコンの前で、仕事は出来ていますので、その程度のめまいですんでいます。

(昨日、フキノトウの天ぷらを揚げてみました。春のお知らせ=花粉の季節到来のお知らせ)


白菜漬けと沢庵

2021-03-05 10:39:42 | Weblog

3月5日(金)曇り【白菜漬けと沢庵】

今年は白菜がとても美味しく漬かりました。昆布をいつもより多く入れてみました。小さな桶があれば、一株位は簡単に漬けられますね。しかし、子供の頃食べた母のつけた白菜の味には全く及びません。大きな木の樽に沢山つけて、雪の多い寒い故郷の気候と、母の漬物上手の腕の味です。白菜の葉っぱの部分で、ご飯をお寿司のように巻いて食べた味は忘れられません。

沢庵も美味しく漬かりました。やはり子供の頃、ポリポリと音をたてて食べたあの沢庵には及びません。また、本師とともに、毎年、大きな樽に二樽位漬けましたが、ある年の沢庵は最高に美味しかったです。腕もさることながら、その年の大根は、とても味の良い大根でした。

2月一杯くらいで、味が酸っぱくなるから、味噌漬けにすると美味しいというので、試してみたのが写真の沢庵です。これはなかなかの味です。

それぞれ母にも本師の味にも及びませんが、こんなことを檀務の合間にしています。この頃は、ウイルスも関係なく、どこにも出かけようという気が起きません。坐禅も足が痛いので、長時間は出来ませんが、坐禅即仏の実感を得ましたので、たとえ短い時間でも坐禅をさせて頂き、猫の世話をし、玄米と少しの野菜を食べて、満たされて生きています。

こんな時が来るとは、何時も動き回り、何かを求めていた、若いころは想像がつきませんでした。今日はお塔婆を書いたり、掲示板の文言を書いたりして、一日を過ごしたいと思っています。皆様も御機嫌よう。