6月13日(金)晴れ【世阿弥の離見の見に学ぶ】
先日、お能を学び、能楽堂でシテをつとめていたことのある方のご葬儀をさせていただいた。
そのためではないですが、その前の日に、たまたま手にした本の中に世阿弥の「離見の見」についてかなりの頁を使って、紹介されていたので、たまたまの一致に驚いたのです。またこの言葉ははじめて聞いた言葉なので、ご訪問の皆さまにシェアしたいと思います。
「離見の見」を分かりやすく言えば「観客の目」を演じている自分が持ち、さらに観客の視点から自分の行動を見て、必要な修正を行うこと。
この姿勢を、世阿弥は『花鏡』という本の中に書いているそうです。
俯瞰と似ているようだが、大きな違いがある、ということです。
それはただ分析するのではなく、当事者として実際に行動し、その場で結果に違いをつくることに主眼があるので、ただの俯瞰ではない、と出口光さんは書いています。
離見の見持つためには、まず、自分の人生を総合的に観察することが出発点になる。次にあなたは自分の人生の当事者でありながら、その中に不動の天命をつかみ、そこから自分の人生の必要な行動をしなければならない。(『天命の暗号』125頁)