12月13日(火)【電車風景 少年よ電車で体を鍛えよ】
研究所からの帰りの電車での出来事。
電車のドアが開いた途端に少年が駆け込んできて、私の隣に坐った。年令は七歳ぐらいであろうか。少年は後を追って入ってきた婦人の連れのようである。祖母だろうとは思うが、確信はもてなかった。
「少年、少年」と私は声をかけた。
「あのね、お母さんを座らせてあげてね」と、私は言った。
少年と一緒の婦人はとても疲れていそうにさえ見えた。もしかしたら、おばあちゃんかもしれないが、間違えたら大変な失礼になるので、私は敢えて「お母さん」と表現したのである。
少年は私の言うことを理解してくれて、恥ずかしそうにその婦人に席を譲った。
(お節介でごめんね)と心で思った。
「あのね、子どものうちから、電車で立っていると足がとても強くなるのよ。自分より疲れているような人がいたら、譲ってね。僕は強いのだから、ね。」と私は言った。
少年はコクリとした。
婦人はなにも言わなかった。
この場合には当たらないことかも知れないが、日本の大人は子どもを甘やかしすぎると思う。大人になってから何を言っても手遅れ。
【子は宝、しつけは子の宝】
私が寺に住んでいるとき、門前に書いた標語である。
七歳ぐらいになれば立っていても危なくない年令である。十歳までにしつけをしてあげないと子どもにとって、本当に可哀想である。十歳までに仕込まれたことは、大人になっても忘れることはない。親にとっても周りの大人にとっても十歳までが勝負ではないだろうか。赤ちゃんの時から、そして瑞々しい少年期に、愛情をもって真剣に取り組まなくては、子どもが成長してから嘆くことになりかねない。
少年よ、電車に乗っても真っ先に席に座ろうとすることはやめよう。そうして疲れていそうな人に席を見つけてさえあげる人になろう。私のお節介を忘れないでいてくれると嬉しいな。
研究所からの帰りの電車での出来事。
電車のドアが開いた途端に少年が駆け込んできて、私の隣に坐った。年令は七歳ぐらいであろうか。少年は後を追って入ってきた婦人の連れのようである。祖母だろうとは思うが、確信はもてなかった。
「少年、少年」と私は声をかけた。
「あのね、お母さんを座らせてあげてね」と、私は言った。
少年と一緒の婦人はとても疲れていそうにさえ見えた。もしかしたら、おばあちゃんかもしれないが、間違えたら大変な失礼になるので、私は敢えて「お母さん」と表現したのである。
少年は私の言うことを理解してくれて、恥ずかしそうにその婦人に席を譲った。
(お節介でごめんね)と心で思った。
「あのね、子どものうちから、電車で立っていると足がとても強くなるのよ。自分より疲れているような人がいたら、譲ってね。僕は強いのだから、ね。」と私は言った。
少年はコクリとした。
婦人はなにも言わなかった。
この場合には当たらないことかも知れないが、日本の大人は子どもを甘やかしすぎると思う。大人になってから何を言っても手遅れ。
【子は宝、しつけは子の宝】
私が寺に住んでいるとき、門前に書いた標語である。
七歳ぐらいになれば立っていても危なくない年令である。十歳までにしつけをしてあげないと子どもにとって、本当に可哀想である。十歳までに仕込まれたことは、大人になっても忘れることはない。親にとっても周りの大人にとっても十歳までが勝負ではないだろうか。赤ちゃんの時から、そして瑞々しい少年期に、愛情をもって真剣に取り組まなくては、子どもが成長してから嘆くことになりかねない。
少年よ、電車に乗っても真っ先に席に座ろうとすることはやめよう。そうして疲れていそうな人に席を見つけてさえあげる人になろう。私のお節介を忘れないでいてくれると嬉しいな。