2011年6月25日朝日新聞
昨年12月だけでも3回の落下事故などが起きている風力発電。にもかかわらず、国は被災地域に更に風力発電を含む再エネ関連の予算がジャブジャブ注ぎ込まれています。蓄電池や送電線も対象になります。
平成26年度再生可能エネルギー発電設備等導入促進支援対策事業(再生可能エネルギー発電設備等導入促進支援復興対策事業費補助金)http://www.kankyo-business.jp/news/006608.php
この2つが窓口です。ザ・天下り!
●新エネルギー導入促進協議会 http://www.nepc.or.jp/
●一般社団法人太陽光発電協会 JPEA復興センター http://www.jprec.jp/
このサイトを見ると 「再エネで復興」というキャンペーンが行われていますが、私はお金の使い方が間違っていると思います。1件あたりの補助金を発電設備は10億円、蓄電池及び送電線はそれぞれ10億円!
こういう補助金をばら撒くのは、結局、放射能汚染地域に人を押しとどめることにつながります。汚染地域から避難させることにお金を使うべきなのに、これでは被災地域に便乗している商売としか思えません。億単位の補助金は 特定被災区域 (10県222市町村)に。汚染状況重点調査地域も当然含まれます。いったい誰が得をするのでしょうか?仮に再エネ関連業者だとしても、その人も被曝し続けることになります。
さて、日本には今どのくらいの数の風車があるかご存知でしょうか?NEDOの資料集を見てみますと、1916基となっています。
1980年代から導入された風車がどうなったかご存知でしょうか?私は環境省のサイトから
平成24年度環境省委託業務 平成24年度使用済再生可能エネルギー設備のリユース・リサイクル基礎調査委託業務 報告書 株式会社 三菱総合研究所 環境・エネルギー研究本部 2013 年3 月25 日http://www.env.go.jp/recycle/report/h25-03/01.pdf
というPDFを見つけ、中に 「表 1-4 日本における風力発電設備 撤去・休止実績(2012 年3 月末時点) 」という表があるのを見つけました。
が! 見にくい! ↓
出典:NEDO(http://www.nedo.go.jp/library/fuuryoku/pdf/04_tekkyo_ichiran.pdf) となっていますが、そこを見ると↑この表はどこにもありません。
NEDOのHPから日本における風力発電設備・導入実績資料集を見ると、 4番目に「日本における風力発電設備撤去・休止実績の一覧表」とあるのに、リンクを開くとなぜか「年度別撤去容量の推移」(グラフ)となっています。
NEDOの最終更新は2013/8/15。NEDOが途中で表をグラフにすり替えているのです。このすり替えにより、どの県の、どのメーカーが作って、どの事業者が行った風力発電事業の風車が、一体何年で撤去されたのかがわからなくなりました。この資料集に廃棄物のページがないというのも・・・・市民に知られたくないのでしょうね。よくあるパターン。
なので、表は見えにくいJPEGデータでしか残ってないため、これをエクセルに打ち直そうと思い、正月に少しずつやっていたのですが、気が遠くなりました。しまいには嫌になりましたが、打ち込んだことで、日本では1980年代から原子炉メーカーが風力発電の実証試験を、沖縄や北海道などを中心にやっていたことが見えてきました。
外国のメーカーの風車も輸入して実証試験を行っていることもわかりました。風力推進派の人のまとめですが参考になりました。⇒http://homepage1.nifty.com/cubo/wind/windlink.htm
日本における風力発電設備・導入実績(2009年) このPDFの表には、撤去分も入っている。撤去分には中線。(苫前の自治体が調べたのか?)
NEDO資料集の1番には 日本における風力発電設備・導入実績の一覧表 とあるが、このPDFには撤去分は掲載されていない。
NEDOの表示が、な~んか変なので、三重県を例に見ていくことにします。2011年に撤去された1999年に稼働の三重県津市の4基のラガウェイ社の風車は、どう示されているかを順番に調べます。(私が打ち直した分は、よく見えなかったので1995年としていますが1999年でした)
まずNEDOの都道府県別導入事例をクリックすると、市町村のところまでたどるとサイト上に表が出てくる。そこには、撤去分が含まれていたが、撤去されたことは書いてないのでわからない。稼働年月しかわからない。
しかし、同じページにリンクされている県別のPDFの表には、さらに撤去分も含めて掲載されている。http://www.nedo.go.jp/library/fuuryoku/case/pdf/pref_24.pdf
けれども、やはり撤去分の表示はないためどれが撤去分なのかわからない。見た感じ、全部稼働中のようにも見えてしまう。
つまり、1999年から稼働した三重県津市のラガウェイ社の4基は、2011年に撤去となり、2012年に企業に売却されたのだと思われますが、また実績のところに出ている。
結論 NEDOのサイトでは、サイト上の表示の仕方から撤去分も含めて実績扱いしたいんだな~ということがわかりました。
しかし、これでは、どの地域のどの風車が何年で撤去になったのかはわからないので、意図的に撤去分を隠そうとしているとしか思えません。ゴミになってしまった風車を隠蔽したい感じが見え見えでした。
2013年3月末時点で99基の風車のゴミ。15年もたずに撤去って・・・・(゜д゜)
億単位のお金を使って建設して、撤去にも何千万円もお金をかけて・・・・・どこがエコ?? ε=(・д・`*)ハァ…
津波、地震、竜巻、ゲリラ豪雨や異常気象も頻発している日本で、風車やパネルなどの再エネ施設をこれ以上作ってどうするのでしょうか?
税金をつぎ込んで作って失敗して、勉強になったと開き直る首長までいます。しかも再チャレンジまで・・http://www.hitachi.co.jp/environment/showcase/customer/case_vol1/01.html
ネット検索すると、自治体がNEDOと組んで風車を設置したが、うまくいかず赤字を垂れ流して困っている例など出てきます。買取制度があるからいいだろうという話ではありません。しかし、この手のブログ記事を見ると、的外れな批判が多くて嫌になってきます。
撤去費用に1億円~2億円程度かかることもあるようです。誰が責任取るんでしょうか?http://www.e-hokuei.net/hokuei/huuryoku/qa/qa.htm
風力発電施設売却へ 4基修繕費増、利益見込めず 津市(2011年12月22日 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/mie/news/20111222-OYT8T00041.htm
津市は、同市榊原町で運営している風力発電施設(久居榊原風力発電)4基を来年以降に一般競争入札で民間企業に売却する方針を決めた。
同施設は1999年、当時の久居市(2006年に津市と合併)が売電を目的に設置した。自治体では初めての取り組みだったため、全国の自治体や企業に
注目されたが、利益が見込めないため、行財政改革の一環で手放すことにした。
津市と伊賀市にまたがる青山高原には、直径50メートル以上の羽根を持つ風車51基が建てられている。津市を始め、第3セクターや民間企業の風力発電施設だ。津市が直営する4基は、クリーンエネルギーや観光資源、採算性も期待されてスタートした。
合計の年間発電量は最大約780万キロ・ワット時で、約2400世帯分の年間電力消費量に相当する。1999年5月の完成から8か月間は、全国から
月平均70件の視察があるなど、注目を集めた。
市環境政策課によると、維持管理費に年間4200万円かかるが、2006年と09年には1500万円の利益を上げるなど、これまで赤字になったことはなかった。 ただ、老朽化に伴う修繕費などが年々増え、利益は昨年度は約60万円まで減った。今年度は、うち2基が故障で停止したため、赤字になる見通しという。
市は6000万~8000万円がかかるとして修理を見送っている。
【滋賀】「くさつ夢風車」故障 環境立県シンボル“失速”2011年12月14日
草津市下物町の「くさつ夢風車」が9月中旬から故障し、同市が廃止も視野に検討を始めたことが分かった。修理に最低でも1000万円以上かかる見通しのため。同風車は「環境立県滋賀」のシンボル的存在の一つ。原発事故以降、関心が高まっている再生可能エネルギーのなかでも風力発電は太陽光発電などと並ぶ“有望株”として知られるだけに、同風車の失速は各方面に影響を与えそうだ。
烏丸半島に設置されている風車は高さ95メートル。羽1枚の長さ34メートル。ドイツのファーランダー社製。
市が2001年に3億円を投じ設置した。費用の45%は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の補助を活用した。
故障したのは、風を電気に変換するコンデンサーのコントローラー。このほかにもさらに修理が必要な部分が出て、
費用がかさむ可能性があるという。 このため市環境課の山元忠之課長は「廃止も含めてあらゆる角度から検討し、年度末までに結論を出したい」と話す。
夢風車は、瞬間的に発電できる電力を示す定格出力が1500キロワットで、県内では定格出力10キロワット以上の風車は他にない。隣接する市立水生植物公園みずの森に使用電力の約7割を供給し、余った場合は関西電力に売電していた。
当初は、175万キロワット時(一般家庭370世帯分)の発電を想定していたが、ふたを開けると年間34万~80万キロワット時
(82~192世帯分)と、想定の半分以下にとどまっていた。市が当初予測していた平均風速4・4メートルが実際は平均3・2メートル
しか吹かなかった。
01~10年度までの点検や修繕費などは計8000万円かかっており、風車を維持するためのコストが売電ではまかなえない
状態が続いていた。
風向きなどの調査不足が原因とか、建てた場所が悪いとか、メーカーの問題や、設置業者、管理の問題にすり替える批判は、本質を見ていないとしか言いようがありません。
脱原発を標榜する市民が、エネルギーに関して「適正」という言葉を使うときとよく似ています。
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電力化亡国論―核・原発事故・再生可能エネルギー買収制度 (シリーズ環境問題を考える) |
近藤邦明 | |
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