(管理人より)
気象庁のHPで観測点配置図というページがありますが、この観測点は気象庁設置だけのものなので、その他の研究機関が設置したものは入っていません。
以下の表は2015/6/2に更新されています。
わかりにくいので故障して障害が出ている観測機は赤線を引きました。
気象庁の観測点で障害となっているのは5箇所。そのうち火口付近の地震計は全部障害により欠測です。
6/7に発表された観測点配置図と比べてみます。こちらの地図には、気象庁だけでなく京都大学などそのほかの機関の観測点も入っています。
6/7 気象庁が口永良部島 観測点配置図をようやく発表。火口地点9箇所で障害。検知力が低下していた事実! より
わかりやすいように、気象庁の観測点(障害)には緑色で囲みました。↓
以上より、結局、火口付近に設置されていた9箇所10台の観測機が故障してるということです。
気象庁の地震計が3台、火口カメラが1台、GNSSが1台 障害
京都大学の地震計4台 障害
産業技術総合研究所のGNSSが1台 障害
観測機器について 浅間山の例から引用
地震計 火山体やその周辺に発生する火山性地震、火山性微動等を観測するための機器です。
また、その観測された地震波形から、地震が発生した時間、場所、規模等を決定し、火山活動の状態を監視しています。
GNSS
GNSS(Global Navigation Satellite Systems)とは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般を示す呼称です。
気象庁のHPの中の 各種の火山観測 というページには
「震動観測は、地震計により火山及びその周辺で発生する微小な火山性地震や火山性微動をとらえるものです。空振観測は、噴火等に伴う空気の振動を観測するものです。天候不良等により遠望カメラで火山の状況を監視できない場合でも、地震記録や空振記録等により、噴火発生とその規模をいち早く検知することができます。気象庁では、火山近傍に地震計・空振計等の観測施設を整備しその観測データを火山監視・情報センターへデータをリアルタイムに伝送し、火山性地震や火山性微動、空振の発生状況を監視することにより、火山活動の評価を行っています。」
と書いてあります。
火山活動解説資料(口永良部島) の2014年8月の資料
2014年8月の資料の2pに
「3日の噴火により、火口周辺の観測点が障害 となったため、火口から約 2.3km 離れた新岳北東山麓観測点で計数しており、火山性地震や火山性微動の検知力が低下していることに注意する必要があります。」
と書いてあります。
2014年8月の噴火時点で、検知力の低下に注意と認識しておきながら、観測機を復旧、あるいは少しでも火口に近いところに増設しようとしなかったのでしょうか?
気象庁のHPにはリアルタイムデータで火山活動の評価をしていると書いてあるのに、検知力が低下したデータでは正しく評価が出来てるとは言えないのではないでしょうか?
今回の口永良部島噴火の件では、NHKニュースだけ見ていては、「直前の前兆はなかった」⇒だけど「避難はうまくいった」というように誘導されてしまうということがわかりました。
ネットニュースの記事を注意深く読んで初めて分かることでした。
NHKはタイミングを見て、出す情報の内容を削除していたのです。テレビニュースだけ、あるいは動画だけ見ていては気づかないでしょう。
そして、インターネット環境にない人や、関心を持って調べない人は、観測点配置図や解説資料も知らないままになってしまうということもわかりました。
参考↓
口永良部島・新岳火口付近に気象台が設置していた観測機は、昨年8月の噴火でほぼ全滅していた事実。
火山の噴火といった日本に住む全ての人の命に関係する重要な情報が、
全ての人に平等にわかりやすく届けられていないと感じました。
観測点を持っているその他の研究機関はどう伝えたのでしょうか?
防災科学技術研究所
http://www.bosai.go.jp/saigai/2015/pdf/20150529_02.pdf
http://www.bosai.go.jp/saigai/2015/pdf/20150529_01.pdf
産業科学技術研究所
口永良部島火山の噴火に関する情報[2015年5月29日]活断層・火山研究部門
更新:2015年6月4日(開設:2015年5月29日