ブログ「風の谷」  再エネは原発体制を補完する新利権構造

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口永良部島・新岳火口付近に気象台が設置していた観測機は、昨年8月の噴火でほぼ全滅していた事実。

2015-05-30 | 火山噴火

地元中学生撮影:新岳、爆発的噴火の瞬間 「カメラに納まんない」

 

(管理人より)

口永良部島の新岳は2014年8月3日に墳石を伴う噴火が起き、警戒レベル3になっていました。

昨日のNHK(5月29日 12時07分)の報道でも以下のように報じています。(当ブログから抜粋)

口永良部島噴火で考える発電所の問題。原発も地熱もメガソーラーも無理。噴火警戒レベル5    より

NHK(5月29日 12時07分)の報道の一部

約80世帯 130人余りが居住 

口永良部島は鹿児島県の屋久島の西北西、およそ15キロにある周囲の長さが50キロほどの島で、およそ80世帯、130人余りが住んでいます。 

新岳では昭和8年から9年にかけて断続的に噴火が発生し、住民8人が亡くなるなど大きな被害が出ました。また、昭和41年の噴火では噴煙が火口から5000メートルの高さまで上がったほか、直径1メートルほどの大きな噴石が火口の北北東3キロにまで飛びました。 

その後、昭和55年以降、噴火は起きていませんでしたが、去年8月に34年ぶりに噴火が発生し、山頂の火口から数百メートルの範囲に大きな噴石が飛んだほか、低温の火砕流の痕跡などが確認されました。 

3月と4月に行われた気象庁の現地観測では、火口の西側付近の温度が上昇する異常が見られました。また、3月24日以降は、夜間に高温のガスなどが噴煙や雲に映って赤く見える「火映現象」が観測されました。 

去年8月の噴火のあとも時折、火山性地震が発生し、ことし1月24日には一時的に増加したほか、今月23日には震度3の揺れを観測する地震が起きていました。 

また、去年12月ごろから島の一部が僅かに膨張していることを示す地殻変動が続いていたということです。 

火山噴火予知連絡会は、ことし2月、「口永良部島では、今後、火山活動がさらに高まり、マグマ噴火に至る可能性を示す変化も見られる」などという検討結果をまとめていました。

 

 

NHK(5月29日 12時07分)の記事は、NHK(5月29日 21時21分)の記事 http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150529/k10010095251000.html のURLと同じで、記事内容もまったく同じなのですが、なぜか記事のタイトルが一部変えられ、さらに、上の部分が前記事からごっそり削除されています。

NHK(5月29日 12時07分)の記事にはあったのに、NHK(5月29日 21時21分)の記事には抜け落ちているのです。ご面倒かもしれませんが見比べてみてください。

「約80世帯 130人余りが居住」以下の文章がありません。

NHK(5月29日 12時07分)の記事

NHK(5月29日 21時21分)の記事

NHKが記事を更新した時に、どうやら消したようです。 

 

昨年8月の新岳の噴火について西日本新聞には以下のような報道がなされていました。  

見捨てられた火山島 検証「口永良部噴火」

=8月の噴火後を検証 2014年12月9日付・西日本新聞朝刊=

 黄土色の山肌に転がる無数の岩と、山頂から絶えず上がる噴煙が、約3キロ離れた本村港からくっきり見える。「緑の火山島」と防波堤の案内板がうたう鹿児島県屋久島町の口永良部島(くちのえらぶじま)。一面に木々が生い茂っていたという新岳を今、想像するのは難しい。

口永良部島で爆発的噴火(動画付き)

 「海岸線までずーっと木が枯れとるでしょうが。火砕サージ(火山ガスや灰がまじった火砕流の一種)が通った跡よ。元に戻るのに数十年かかる」。島でただ一人の町職員、川東久志さん(54)がつぶやいた。

 8月3日午後0時半前、島の真ん中にある新岳が34年ぶりに噴火した。現在も噴火警戒レベル3(入山規制)。火口から半径2キロは立ち入り禁止のまま。気象庁が24時間監視する全国47火山のうち、警戒レベル3が出されているのは他に、9月27日の噴火で戦後最悪の被害が出た御嶽山(おんたけさん)=長野、岐阜県=と、年に千回以上噴火する桜島(鹿児島県)だけだ。

 屋久島から北西に約12キロ。136人(11月末現在)しかいない島で、火山は最大の観光資源だった。「一歩違えば、ここは御嶽山より先に全国に注目されたかもしれなかったんですよ」。民宿を営む貴船森さん(42)はこう話す。

 規制が一切ない警戒レベル1(平常)から突然、噴石を伴う噴火があったのは日曜日。土曜日の正午前に噴いた御嶽山とほぼ同じ状況だ。死者57人行方不明者6人の御嶽山に対し、口永良部島は負傷者ゼロ。その背景には、台風の接近で島へのフェリーが欠航し、新岳に登る予定だった観光客が来なかったという偶然があった。

   ◆    ◆

 「本当なら、あの時間は山頂で昼ご飯を食べていたはずです」。鹿児島県屋久島町口永良部島(くちのえらぶじま)。噴火当日、東京の高校生12人と新岳に登る予定だった民宿経営の貴船森さんは、フェリーが来なかったことで九死に一生を得た。

 8月3日午後0時24分。新岳火口から約2・2キロの集落にある民宿の庭にいた。バリバリバリバリ-。山を見ると空に上がった煙が斜面を駆け下りてきた。

 「あっ火砕流!」。宿には地域活性化を研究中の大学生グループが滞在中だった。「おまえらすぐ出てこい」。軽ワゴン車に家族や学生10人がぎゅうぎゅう詰めで坂を下った。バックミラーに灰色の煙が迫る。途中、走って逃げる数人を見かけたが、車に乗せる余裕はなかった。煙は坂をまっすぐ下っていった。「煙に巻かれた人は亡くなったと思っていましたよ」

 島には警察官も消防士も医師もいない。住民を守るのは貴船さんも所属する消防団だけだ。

 火口から約1・5キロ地点では、噴火予測に使う地震観測機の設置工事中だった。死亡したと思っていた作業員から電話が鳴った。「助けてくれ」。山に向かうと、灰まみれの5人がいた。前後の区別もつかず目だけが真っ赤。視界がなくなり、横一列で手をつなぎ一歩ずつ逃げてきたという。「おれ、生きていますよね」。作業員はうつろな表情で何度も繰り返した。

 工事現場の数百メートル先には、数十センチ大の噴石がいくつも転がっていた。

   ◆    ◆

 11月15日。島には福岡管区気象台の職員2人の姿があった。火山ガスの放出量などを計測するため、チャーターした漁船で山の風下側を何度も往復する。「こうして地道にやるしかないんです」と職員は話した。

 気象台が火口付近に設置していた観測機は、噴火でほぼ全滅。安全上の理由から代替機を設置できず、観測は月に1度の麓からの調査に頼る。気象台も噴火の前兆現象を把握するのは困難と認める。

 噴火から4カ月がたつ今も、島は非常事態にある。コンクリート製造工場が立ち入り禁止区域に入り、島の経済を担う公共工事も観光客も止まったまま。小中学校では教員の車を校舎脇に止め、すぐに子どもを避難させられる態勢を取る。11月14日に実施した噴火後初の避難訓練では、避難場所を従来より新岳から遠くに変更した。

 「火山観測の態勢を見直す」「災害に強いまちづくり」。衆院選の各政党の公約には力強い言葉が並ぶ。安倍晋三首相は公示前、長野県北部地震の被災地を訪れた。だが、新岳噴火後、島を視察した国会議員はゼロ。有権者が100人ほどの島には選挙中に候補者が来る予定もない。「見捨てられとるんよと港のそばに住む松本章さん(70)。

 火山噴火予知連絡会は11月末、火山の観測強化を求める提言を出した。国も対策に乗り出したが、動きはあくまで御嶽山(おんたけさん)の災害を受けたものだ。「犠牲者が出んと国は動かん。口永良部で噴いたことを政治家は知っとるんやろうか」。島民の視線は冷めている。

 

 

火口付近の観測機がその際の噴火で全滅しています。 

そしてNHKでは「直前の兆候はなし」の報道がありました。

 

ツイッターでも流れました https://twitter.com/nhk_seikatsu/status/604126707755319296

 

つまり、昨年8月に噴火があって観測機が全滅し、代替機も設置できてないところに今回の爆発的噴火。それでも、その後の月一度の調査で温度の上昇や火映現象、火山性地震など観測しています。

観測機が全滅してなかったら、あるいは代替機が迅速に設置されていたら、もっと早く直前の兆候を掴めて、もっと早く避難できていたのではないかと思われます。

NHKの報道だけ見てたら、「直前に噴火の兆候がない」ことしかわかりません。観測機が全滅して、代替機もなかったことや、その前の月に予兆があったことも視聴者にはわかりません。

しかも「観測機がない」ということが抜け落ちて、「直前の兆候が確認できない」こととの関連性が書かれていないために、

「観測機はあり、そのデータとしては兆候が確認できなかった」というふうに誤解釈も可能です。

実際のところは「観測機がないためにデータが確認できなかった」というわけです。

このようなNHKの欺瞞的な報道、許されることでしょうか?

御嶽山の教訓がまたしても生かされていなかったことになります。


 なのに産経新聞は、いかにも「教訓が生かせた」というような論調で報じています☟ 

口永良部島噴火 生きた教訓 防災マップ詳細に見直し 教諭の車を校舎脇に駐車

その記事の中にもこういう記述が☟

ただ昨年8月の噴火以降、専門家の間では対応強化の必要性を感じていた。口永良部島の元ガイドで樹木医の荒田洋一さん(59)は先月同島を訪問、「硫化水素の臭いが漂い、いつ大きな噴火があってもおかしくないと感じた。もっと早い時期に全島避難すべきで、大きな人的被害がなかったのは偶然にしかすぎない」と警鐘を鳴らした。


り体制側に近い新聞というのは、こういった災害が起こった際に、「対応はよかった、うまくいった」という論調になるものだなあとあらためて確認できました。

災害が起きたとき、行政対応のミスなどを隠して自画自賛するような報道がこれからも、どんどん増えることだけは間違いないと思います。

 

火山大国 活発化 口永良部島噴火 「震災影響」 「関連薄い」

2015年5月30日 07時02分 東京新聞

二十九日、鹿児島県の口永良部島(くちのえらぶじま)・新岳(しんだけ)(六二六メートル)で爆発的噴火が起き、気象庁は噴火警戒レベルを最も高い5(避難)に引き上げた。九州では桜島も活動が活発で今月二十一日爆発的な噴火が続き、阿蘇山も火口に近づけない状態だ。関東の箱根山や東北の蔵王山でも群発地震が起きている。これらの火山の活発化には東日本大震災の影響があると指摘する専門家もいる。 (永井理)

 火山噴火予知連絡会会長の藤井敏嗣・東京大名誉教授は「東日本大震災の影響で日本の火山活動が活発化している可能性も考えられる」と話す。世界的にも、スマトラ沖地震(二〇〇四年)では、数年以内にタラン火山(インドネシア)とバレン島(インド)、ムラピ火山(インドネシア)などが噴火。一九六〇年のチリ地震では二日後にプジェウエ火山(チリ)が噴火した。

 巨大地震で地下のマグマにかかる圧力が変化することがきっかけとされる。大震災の影響を間近に受けた蔵王山や吾妻山など東北の火山は説明しやすいが、九州など遠くの火山に対して実際にどんな影響があるのかはっきりしない。

 「むしろ日本全体の地下の動きが活発な時期に入り、火山噴火も東日本大震災もその現れだという可能性もある。貞観(じょうがん)地震(八六九年)の前後に似ている」と藤井氏は分析する。

 貞観地震の五年前には富士山と阿蘇山が噴火し、九年後に関東で大地震が起こるなど、二十年あまりの間に全国で大地震や噴火が相次いで起きている。「震災の影響なら数年たてば落ち着く。全体的な活発化ならまだ数十年は注意が必要だろう」という。

 一方、九州の火山に詳しい石原和弘・京都大名誉教授は「口永良部島は二〇〇〇年ごろから噴火してもおかしくない時期に入ってきていた」と指摘する。「桜島も阿蘇山も二〇一一年に噴火した新燃岳(しんもえだけ)も、噴火のエネルギーがたまる時期だった。共通した理由があるわけではない」という意見だ。

 専門家の間でもとらえ方は異なる。現在の観測技術や理論では、関連を示すのも完全に否定するのも難しい状況だという。

◆全島137人避難

 鹿児島県屋久島町の口永良部島・新岳の爆発的噴火で、避難指示を受けた住民ら百三十七人全員が二十九日夕までに、船やヘリコプターで十キロ余り離れた屋久島への避難を終えた。気象庁は、引き続き爆発的噴火が起きる恐れがあるとして注意を呼び掛けた。

 屋久島町役場などによると、火口から約四キロの番屋ケ峰の高台にある避難所に集まっていた住民ら百二十五人は町営フェリー「太陽」で口永良部島西部の本村港を出港し、午後五時半ごろ、屋久島・宮之浦港に到着した。

 口永良部島の中心部から遠い湯向(ゆむぎ)地区の六人は海上保安庁のヘリで屋久島に避難した。熱風を吸い込んで気道熱傷を負った男性(72)と避難所で体調不良を訴えた男性(82)は県のヘリで屋久島の病院に搬送された。自分の漁船で避難した人もいた。

(東京新聞)

この東京新聞の記事もおかしいです。

「関連を示すのも完全に否定するのも難しい」と専門家の話を引用しているのにタイトルで 「関連薄い」と書くのはおかしい。

タイトルしか読まなかったら誤解を与えると思います。そこを狙ってるのか?

メディアを信用なんかもうしてないけど、そこまでおかしなことをせんといて欲しいとつくづく思います。

ε=(・д・`*)ハァ…


 


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