昨日、北九州市において 環境省主催の「PCB廃棄物処理に係る国の検討要請に関する説明会」が開催されました。
環境省からは 産業廃棄物課長 塚本直也氏、課長補佐 鈴木清彦氏、JESCO副所長 入江隆司氏。
説明会に参加された北Qのこどもを守るねっとわーくのMIKOさんに、報告していただきましたので質疑応答を取り急ぎブログアップ致します。
なんとこの説明会で反対派市民のほとんどは、「北九州だけでなく全国五箇所でやれ」と主張していたそうです。(゜д゜)
【質疑応答】 MIKOさんのメモより
①Q:バグフィルターがついていると説明されてましたが、大気に放出されたモノはPMになってませんか?煙突から排出されるモノを濃度ではなく量で教えて下さい。
→A:量は答えず、濃度で安全とだけ(抵抗しましたが、追加の質問は受け付けませんとはねつけられました。)
②Q:PCB処理施設周辺住民の健康被害調査は行ってますか?
→A:安全だからやってない。従業員の健康検査の結果で被害がないということで証明される。
③Q:PCB無害化処理後の焼却は戸畑の産廃で行われてますが、同じ工場で関東の汚泥、灰じんを焼却処理しています。危険だと思うのですが、安全の根拠はありますか
→A:今日はJESCOのことだけです。紙に書いて投函して下さい。後ほど回答します。
④Q:JESCOと北九州市には「環境保全協定書」しかありませんが、再延長しないと先ほど環境省の説明で言ってましたので、「量」「期限」を明確に書いた「公害防止協定書」を締結してください。
→A:(この質問だけ、北九州市が答えた)硫黄酸化物など規制される物質を排出していない、大量のモノを排出する施設ではないので「公害防止協定書」は結べない。公害防止協定書よりもっとよい「環境保全協定書」しか結べません。
上の新聞記事は今朝の西日本新聞ですが、プラカードの文字が見えないように写真が撮られています。質問者の質問内容は載せていません。なんと写真だけ使ってあるそうです。「写真だけ使うとは、(しかも無断で)新聞記事はウマく作られる」と言われていました。私もそれを聞いて驚きましたが、プラカードの画像も送っていただいたので、重要なことなのできっちりアップしますね。
JESCO北九州事業所 http://www.jesconet.co.jp/facility/kitakyushu/environment/agreement.html
環境保全協定はこれ http://www.jesconet.co.jp/facility/kitakyushu/environment/pdf/kitakyukyoutei.pdf
PCB廃棄物処理の経緯について見ていくことにします。昨日の環境省の作った説明会資料より
配布資料 PCB廃棄物に関する今後の処理促進策(案)について より
「カネミ油症事件」は世界的に知られる「食品公害」なのに、「食中毒」と書くところも被害を過小評価している気がします。
カネミ油症事件のショックで、焼却処理施設が住民の反対運動によって30年間作ることができなかったことは、以下の動画でもよくわかります。資料に「39戦39敗」なんて書くとは、むしろ反対する市民を「ニンビー」扱いしているような感じを受ける環境省の資料です。
2001年にPCB特措法が成立し、全国に処理施設が作られました。「国策」によって日本が抱える約5万トンのPCBを全量処理しようというものです。
このあたりのことを山本節子さんが『ごみを燃やす社会』の 第3章の2 ユショウ に詳しく書かれていますので、ぜひご覧ください。
![]() |
ごみを燃やす社会―ごみ焼却はなぜ危険か |
山本節子 | |
築地書館 |
P82より PCB特別措置法と環境事業団
(中略)~しかしこの法の一番の問題点は、廃棄物処理法と同様、PCB処理を完全に国策化している点です。
まず国(環境大臣)が基本計画を定め、これにもとづいて都道府県(政令市含む)がPCB廃棄物処理計画を策定します。しかし、処理を行う「事業者」は民間企業ではなく政府の特殊法人・環境事業団と定めています。
そのため環境事業団法を改正して製造企業だけでなく事業団のPCB処理の責任を帰し、さらに株式会社化することとしました。
(同法第3条 事業者の責務「事業者はそのPCB廃棄物を自らの責任において確実に適正に処理しなければならない」)
企業は多少の基金を支払うほか、「国などの施策に協力する」義務が求められているだけで、製造者責任、使用者責任はまったく問われていません。いわばPCB特別措置法は、企業責任を国が完全に肩代わりすることを意味しています。~
廃棄物処理法に基づく無害化処理認定施設について(平成25年10月25日現在)http://www.env.go.jp/recycle/poly/facilities.html
廃棄物処理法第15条の4の4の第1項に基づき無害化処理認定を受けた者は下記のとおりです。
事業者名 | 設置場所 | 問い合わせ先 | 処理の方法 | 廃棄物の種類 (微量PCB廃電気機器等・低濃度PCB含有廃棄物) | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
廃油 | トランス・コンデンサ等 | その他汚染物 | 処理物 | ||||
財団法人愛媛県廃棄物処理センター | 愛媛県新居浜市 | 089-941-2111 | 焼却 (ロータリーキルン式焼却溶融炉及びローラーコンベア式連続方式加熱炉) |
○ | ○ | ○ | ○ |
光和精鉱株式会社 | 福岡県北九州市 | 093-872-2100 | 焼却 (ロータリーキルン式焼却炉及び固定床炉(二次燃焼炉を含む。)) |
○ | ○ | ○ | ○ |
株式会社クレハ環境 | 福島県いわき市 | 0246-63-1231 | 焼却 (ロータリーキルン式焼却炉) |
○ | ○ | ○ | |
東京臨海リサイクルパワー株式会社 | 東京都江東区 | 03-6327-3190 | 焼却 (流動床ガス化溶融炉方式) |
○ | |||
エコシステム秋田株式会社 | 秋田県大館市 | 0186-46-1436 | 焼却 (ロータリーキルン式焼却炉) |
○ | |||
神戸環境クリエート株式会社 | 兵庫県神戸市 | 078-651-5060 | 焼却 (ロータリーキルン及びストーカー炉焼却方式) |
○ | |||
株式会社富山環境整備 | 富山県富山市 | 076-469-5356 | 焼却 (ロータリーキルン式焼却炉及び固定床炉(二次燃焼室を含む。)) |
○ | ○ | ○ | ○ |
株式会社富士クリーン | 香川県綾歌郡 | 087-878-3111 | 焼却 (ロータリーキルン及びストーカー炉燃焼方式) |
○ | |||
関電ジオレ株式会社 | 兵庫県尼崎市 | 06-6411-3690 | 焼却 (ロータリーキルン燃焼方式) |
○ | |||
三光株式会社 | 鳥取県境港市 | 0859-44-5367 | 焼却 (ロータリーキルン式焼却炉及び固定床炉(二次燃焼室を含む。)) |
○ | ○ | ○ | ○ |
杉田建材株式会社 | 千葉県市原市 | 0436-96-1311 | 焼却 (ストーカー炉焼却方式及び固定床炉) |
○ | ○ | ○ | ○ |
これは震災がれきの広域処理の時と同じですね。特措法であっという間に国策にしてしまい、自治体は環境省のいいなり。国が東電の代わりに放射性物質がついたがれきを税金で処理したように、国がPCB製造メーカーの鐘淵化学工業と三菱モンサント化成の肩代わりで税金で処理しようということです。
北九州市における高濃度PCB処理は北九州環境プラントサービス(株)(KEPS) [新日鐵住金㈱系資本] http://www.keps.co.jp/
所在地:北九州市若松区響町1丁目62-14
北九州市立小石小学校が一番近いです。さらに対岸の彦島にも、保育園と下関市立西山小学校。
低濃度PCB処理は光和精鉱株式会社が大臣の認定を受けています。
http://www.kowa-seiko.co.jp/pcb/index.html 戸畑中央小学校が近いです。
2001年に処理施設を受け入れた時に、条件をつけていっぱい飴をもらってますね。新日鉄が儲かる仕組み。やっぱりがれきの時と同じ(゜д゜)
PCB問題まだまだ連載します~