自在コラム

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★能登の次は、金沢直下の「森本・富樫断層」地震なのか

2024年06月17日 | ⇒ドキュメント回廊

  去年5月5日に能登半島の尖端、珠洲市を震源とする震度6強の地震があった。それ以前は石川県民の間では、それほど能登の地震を気にかけてはいなかった。2007年3月25日に能登半島地震(マグニチュード6.9、震度6強)はあったが、「これで能登に地震はしばらく来ないだろう」くらいに思っていた県民が多かったのではないだろうか。正直、自身もそのように考えていた。ところが、ネットなどで調べてみると、能登では過去300年以内で今回含めて13回もの大きな地震(マグニチュード6級以上)が起きているのだ(※図は、政府の地震調査委員会資料より)。

  過去300年で言えば、金沢でも地震が起きている。1799年6月29日の寛政金沢地震。当時の記録などでは、10万人の城下町で5千余りの住宅や土蔵が全半壊し、金沢城の石垣が崩れ落ちたとされる。そして、石川県の南の加賀地方では、小松市周辺で1725年と1815年にそれぞれのマグニチュード6の地震があり、小松城の石垣が崩れるなど被害が生じた。明治以降では1930年に加賀市大聖寺でマグニチュード6.3の地震が発生、1952年には大聖寺沖でマグニチュード6.5が発生し、死者7人や多数の家屋の全半壊があった(政府の地震調査委員会資料)。これだけみても、石川県は地震が頻繁に起きるところだと気づかされる。

  そして今、県民、とくに金沢市民が気にかけているのは市内中心部を走る「森本・富樫断層」だ。国の地震調査研究推進本部は毎年、社会的に影響が大きい「主要活断層」を公表していて、そのうち切迫度が最も高い「Sランク」は全国で31あり、その一つが森本・富樫断層なのだ。断層は全長26㌔におよび、今後30年以内の地震発生確率が2%から8%とされる。

  金沢市の公式サイトに掲載されている「平成24年度(2012)被害想定調査結果」によると、この森本・富樫断層帯で市内中心部の直下地震が起きた場合、マグニチュード 7.2、最大で震度7と想定され、死傷者数1万4000人、避難者数19万3000人、建物被害は3万1700棟と予測だ。石川県では昨年度から今年度にかけて、地震被害想定を見直す作業をしている途中で今回の能登半島地震が起きた。適切でない表現かもしれないが、今回の地震の被災事例を教訓に活かし、精度の高い被災対策を構築してほしい。

⇒17日(月)夜・金沢の天気    くもり


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