自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

★ラニーニャの冬来る

2021年12月18日 | ⇒メディア時評

   このような雪の積もり具合を北陸では「うっすら積もった」と言う。金沢の自宅周辺の積雪は数㌢ほど。屋根や樹木は少し雪を被った程度で、路面は積雪にはいたっていない=写真、午前10時20分ごろ撮影=。うっすら積もる雪のことを淡雪(あわゆき)と表現したりもするが、これは季節的に冬が終わり、春先にうすく積もる雪のことを指すので、「春の淡雪」と言う。冬の始まりの時節では使わない。これは雪国に実際住まないと理解できない感覚かもしれない。

   ニュースによると、石川県内の午前中の積雪は、白山市河内で8㌢、加賀市菅谷で6㌢、金沢市で2㌢、輪島市と珠洲市でそれぞれ1㌢となっている。白山麓の山の福井県との県境付近にある白山市の谷峠で57㌢の積雪を観測している(18日・NHKニュース)。山手に積雪が多い場合は山雪(やまゆき)、平地の方が山手より多く積もる場合を里雪(さとゆき)と言ったりする。

   それにしても寒い。気象庁ホームページによると、きょうの金沢の最高気温は4度の予想だ。今シーズン一番の寒気が流れ込んでいる上、冬型の気圧配置が強まっている。そして、きょうはおさまっているが、きのう午後から雷がよく鳴っていた。北陸では「雪出しの雷」と言う。ちなみに、気象庁の雷日数(雷を観測した日の合計)の平年値(1991-2020年)によると、全国で年間の雷日数がもっとも多いは金沢の45.1日だ。

   冒頭で述べたように、きょうの初積雪が「うっすら」だったからこの先も安堵できるかと言えばそうではない。気象庁は先月10日に太平洋の南米ペルー沖の監視水域で海面水温が低い状態が続き、世界的な異常気象の原因となるラニーニャ現象が発生したとみられると監視速報を発表している(11月10日付・時事通信Web版)。ラニーニャの年には豪雪がやってくる。直近で言えば、去年の冬は北陸では24時間で1㍍以上の降雪となり、観測史上1位の記録を更新した。2017年から2018年かけては福井県で豪雪となり、北陸自動車道で1500台の車が立ち往生。さらにさかのぼれば、あの1981年の「五六豪雪」も1963年の「三八豪雪」もラニーニャだったと言われている。

    ラニーニャが本格化するこれからの白い世界に身震いする。「ラニーニャ」冬将軍、いよいよ来たる。来るなら来い。こちらも戦闘態勢だ。

⇒18日(土)午前・金沢の天気    くもり


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ☆民主主義と経済のデジタル化... | トップ | ☆雑草をめぐる人々の価値観 »

コメントを投稿

⇒メディア時評」カテゴリの最新記事