けさ(3日)のNHKニュースを見て思わず、能登半島のアマメハギや秋田・男鹿半島のナマハゲはヨーロッパにもあるのだと、そのそっくりな仮面と動作に驚いた。ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に日本古来の「来訪神 仮面・仮装の神々(Raiho-shin, ritual visits of deities in masks and costumes)」が登録されることが決まったタイミングでの実にタイムリーなニュースだ。
ニュースによると、オーストリア北部ホラブルンの伝統行事「クランプス(Krampus)祭」。クランプスはドイツやオーストリアなどヨーロッパの一部の地域で長年継承されている伝統行事。頭に角が生え、毛むくじゃらの姿は荒々しい山羊と悪魔を組み合わせたとされ、アマメハギの仮面とそっくりだ。12月初めの今の時期、子どもたちがいる家庭を回って、親の言うことを聞くよい子にはプレゼントを渡し、悪い子にはお仕置きをするのだという。そこで、ドイツ・ミュヘン市の公式ホームページをのぞくと「Krampus Run around the Munich Christmas Market」とさっそく特集が組まれていた。それほど現地では有名な行事なのだろう。
面白く感じたのは、幼い子に接するコンセプト、つまり、「親の言うこと聞かない悪い子にはお仕置きをする」という動作だ。言うことを聞かない幼い子にクランプスは「また親の言うことを聞かないのか」と大声で脅す。すると子どもは「聞きます、聞きます」と親の後ろに逃げて隠れる。まるで、能登で演じられるアマメハギと同じ光景だ。毎年、クリスマスの12月初めにさまざまな姿のクランプスが登場し、現地では冬の風物詩として親しまれているようだ。
逆に、ヨーロッパでクランプスを知る人たちにとっては、アマメハギやナマハゲがユネスコ無形文化遺産に登録されることが決まり、情報として接する機会も今後増え、同じようなことを考えるだろう。「日本の行事と同じだ」と。この際、鬼仮面の相互交流をしてはどうか。幼い子どもたちにとってたまったものではないが。(※上の写真はドイツ・ミュンヘン市のHPより、下の写真は能登町のHPより)
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