自在コラム

⇒ 日常での観察や大学キャンパスでの見聞、環境や時事問題、メディアとネットの考察などを紹介する宇野文夫のコラム

☆キナ臭くなってきた日本海

2018年12月22日 | ⇒メディア時評

   また日本海が荒れだした。報道によると、能登半島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内で、韓国海軍の駆逐艦が20日午後3時ごろ、海上自衛隊のP1哨戒機に対して火器管制レーダーを照射した。火器管制レーダーは、ミサイルで対象を攻撃するために、距離や高さ、移動速度を計測するためのもの。通常のレーダーとは全く違うもの。

   事件は岩屋防衛大臣が21日夜に緊急記者会見で公表した。防衛省ホームページで詳しく説明されている。火器管制レーダーを照射したのは韓国海軍「クァンゲト・デワン」級駆逐艦=写真・上、防衛省ホームページより=。P1は海上自衛隊第4航空群所属P1(厚木基地所属)。P1は最初の照射を受け、回避のため現場空域を一時離脱した。その後、状況を確認するため旋回して戻ったところ、2度目の照射を受けた。P1は韓国艦に意図を問い合わせたが、応答はなかった。照射は数分間に及んだと報じられている。

   これに対し、韓国側は韓国側は火器管制レーダーの使用について「哨戒機の追跡が目的ではなく、遭難した北朝鮮船捜索のため」などとしているが、防衛省は、不測の事態を招きかねない、そして意図しなければ起こりえない事案であり「極めて危険な行為」として韓国側に強く抗議した。 

    注目したいのは、場所が北朝鮮によるイカの違法操業で問題になっている大和堆だったことだ。この付近での最近の韓国側の行動は「大和堆は韓国海域なので勝手に上空を飛ぶな」との言わんばかりの威嚇行動ではなかったかと疑ってしまう。先月11月20日にも、韓国側の意図を感じさせる「事件」が起きている。水産庁ホームページによると、20日午後8時半ごろ、能登半島の西北西約400㌔に位置する、EEZの大和堆付近で操業中の日本のイカ釣り漁船(184㌧、北海道根室市所属)に対し、韓国・海洋警察庁の警備艦が「操業を止め、海域を移動するよう」と無線交信をしているのを、水産庁漁業取締船と海上保安庁巡視船が確認した。

    水産庁の漁業取締船は日本の漁船の付近に位置取り、韓国警備艦に対し、日韓漁業協定でも日本漁船が操業可能な水域であり、漁船に対する要求は認められないと無線で申し入れた。その後、韓国の警備艦が漁船に接近したため、海上保安庁の巡視船が韓国の警備艇と漁船の間に割って入った。すると、韓国の警備艇は午後10時50分ごろ現場海域を離れた。

   こうした一連の韓国側の動きを読むと、一連の事件は、竹島は韓国の領土であると言い張り、大和堆は韓国海域であると主張する前触れではないのか。そう考えると、冒頭で「日本海が荒れだした」と述べたが、キナ臭く感じてきた。

⇒22日(土)夜・金沢の天気  くもり

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