モノを作る場合も、細部まで神経を行き届かせていたときには、その作品に自信がもてる。そこへ行くまでには、何度も失敗を繰り返して、試行錯誤が続くのだが、それをとことん続けて、徹底して、自信作の完成となる。
そのようにして、人類の科学技術・文化は進歩してきた。
人生そのものについても、細部までに気がはいっているかどうかが、問われる。ある時期がくれば、大胆であるだけではなく、人生を味わいながら、丁寧に生きて行く姿勢が、人生の醍醐味をもたらしてくれるのではないだろうか。
勝手な思い込みや、こちらの斟酌を乗り越えるような事象の発生のなかで、思いがけない喜びや、悲しみの遭遇する。だが、主体的な姿勢において、細部にまで、気を配り努力した結果ならば、主体としての悔いはない。
あとは、受け入れるばかりである。理解されないこともあるだろうし、誤解もあるだろう。全てを受け入れる心境になれば、何ら悔いることもない。自分を騙さず、自分を細部まで気を配って、動かす。その姿勢こそ、大事である。