瞬時のラポール

　デパートのレストランの前、少し行列になっていた。小学生2ないし4年生ぐらいの女の子が、退屈まぎれに、店の前にあるスパゲティの食品サンプルに軽くふれた。とたんにジョークをおもいついて、声をかけた。別にさわった事を非難するつもりはない。ただ彼女が、見知らぬ他人に声をかけられて、タシナメラレタと思うかもしれない、とはどこかでおもっていたような気がする。
　「アツクなかった？」こちらを見た表情が、すばらしかった。バツがわるそうな、それでいて、面白がっているような、小生と目が合い、瞬時のラポールが彼女との間に成立した。そばには、彼女のつれの大人たちも何人かいたが、もちろん何があったのか、理解できない。小生は、家内に小声で「成果」を報告。彼女は大人たちについて、店内に入っていく。