デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

ソウル秋の旅2-イ・ジュンソプ展を見る 1

2016-10-31 06:00:54 | 
目覚めて外を見ると、昨日夜歩いたザハ設計のある流線状の建物が古い町並みの間から浮かぶように見える。街の景観とは明らかに異物となっている。傘をさす人が多い。天気予報も雨。市庁前まで地下鉄で出て、まずは朝飯を食べる。お餅が有名だというお菓子屋さんがやっているカフェでお粥の朝飯。美味しかった。近くのスタバでコーヒーを飲んでから、徳寿宮まで歩く。ソウルでも観光名所のひとつなので人が群がっている。今回のソウルツアーの最大の目的であるイ・ジュンソプ生誕百年記念展覧会の入場券を購入して、徳寿宮の中にある国立現代美術館へと向かう。日曜日、そして明日が最終日ということもあるのか場内はかなりの混雑となっている。
そもそもなぜこの展覧会を見にここまで来るようになったのか。
いまから2年ほど前になると思うが文化座の「旅立つ家族」という芝居を見た。画家イ・ジュンソプと家族の愛を軸に彼の波瀾の生涯を描いた評伝劇である。まったく知らないこの画家の妻や子供たちへの強い思い、そしてなによりも絵への熱情が強くにじみ出た骨太の芝居であった。背景に映し出される彼の絵にも魅せられた。公演では彼の画集(韓国で出版されたもの)も販売していたのだが、高いうえに薄い画集で買うには至らなかった。彼の絵がみたいと思っていたときに去年葉山の神奈川美術館で「日韓近代美術家のまなざし」という展覧会に彼の絵も何点か出展されると聞いて、見に行った。あの芝居でも最初と最後に映し出された「旅立つ家族」の絵も出展されていた。意外に小さい絵だったのにちょっと驚いたが、あの芝居のモチーフとなった本物の絵が見れて感動した。その他に銀紙(たばこの包装に使われているもの)に刻まれた絵が2点と彼がよく描いていたという牛(闘牛)の絵、そしてこのときに一番感動した絵「夫婦」の合計5点の絵を見ることができた。やっと本物に会えたという喜びと同時にもっともっと彼の絵を見たいという思いがふくらんだ。そんなとき韓国の情報をこまめにチェックしている妻が、今年夏から彼の生誕100周年を記念した大規模名展覧会がソウルで開かれると教えてくれた。これは絶対に見たいと思っているうちに出張が続き、行くタイミングを失い、気づけば10月3日には閉幕するというので、仕事も忙しかったのだが、とにかく見たいという思い一心で、この日ソウルにやってきたのだ。
明日で閉幕ということもあって、美術館には大勢の人が押しかけていた。この絵を見るためだけに来たのだ、どんだけ並んでも一日かけるつもりで見ればいいのだと、長蛇の列に並んだ。
展覧会は4つの展示室に分かれていた。


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