ドイツのサーカス研究者エルンスト・ギュンターさんが、ドレスデンで亡くなられたとのことです。日本でも「女曲馬師の死」というギュンターさんが集めたサーカスにまつわるエピソードを集めた本が、尾崎宏次さんの翻訳で出版されていますが、サーカスを愛する人にしか書けない珠玉のエッセイ集でした。
ギュンターさんはなによりも故郷ドレスデンで生まれたサラザニサーカスの研究に情熱を注いできました。海を渡ったサーカス芸人澤田豊が看板スターとなっていたこのサラザニサーカスのことを徹底的に調べるなかで、ギュンターさんは澤田豊が実際に芸をしている映像を発見してくれました。この映像が見つかったことで、澤田豊の足跡を辿ったドキュメンタリー番組「20世紀大サーカス」が生まれました。澤田豊のサーカス人生が本だけでなくテレビ番組として残ることになったのは、ギュンターさんのおかげでした。
ほんとうにありがとうございました。
ご冥福をお祈りします。