デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

信濃への旅(上田・無言館)

2023-06-25 11:35:35 | 
乗り放題4日目は、信州上田への旅。東京からはくたかに乗って、まずは上田駅へ。ここから上田電鉄に乗り換えて、中之郷駅下車、巡回バスに乗って、無言館をめざす。上田というと思い出すのは長英さんが柳沢慎一と共演した映画。長英さんは川辺にある小さな工場の経営者だった。あの時上田の町に出るのに乗っていたのが、上田電鉄かと思ったが、違うな。上田からはもうひとつしなの鉄道という私鉄が出ていた。こちらの方かもしれない。バスを降りると、とても見晴らしのいいところ、ここからさらに登っていくと森の中に無言館が建っている。重い扉をあけると暗い中に、戦没者画家の作品や遺品、手紙などが、展示されている。そう広くはないが、画家さんたちの思い出を読みながら、見ていくと、ついつい時間が経つのも忘れてしまい、見入ってしまう。どんな思いで祖母や妻を描いたのだろうと思い、そのコメントを読むと、何度も何度も胸にせまってきて涙してしまった。亡くなった画家の家族や妻が、ここに展示されている絵や彫刻を守ってきたということにも泣かされてしまう。英吉の筍と帯留が2点、そして母と一緒の写真が展示されていた。筍は丁寧彫られた作品である。お母さんと一緒の写真も初めて見た。
ここで収まりきれなくなったのだろう、敷地にはもうひとつ傷ついた画布のドームがあり、ここにも同じように作品が展示されていた。静謐ななかに、戦争がもたらす悲しみについて、そして戦争によって描くことを奪われた若き画学生の怒りについて、遺されたものたちの思いに寄せるそんな厳粛な時間をもらうことができた。
館長の窪島さんに石巻学でのコメントをお願いしたこともあったので、もし在館されていればご挨拶をと思ってお聞きすると、近くのデッサン館にいらっしゃるというので、そちらにも行ってみる。受付にいらっしゃったので簡単にごあいさつだけさせてもらう。展示物の中で、一番驚いたのは立原道造の手書きの詩。字がほんとうにきれいだったのだ。
隣接しているカフェで美味しいコーヒーを飲む。帰りの電鉄の時間をスマホで調べているうちに、バスを待っていると接続も悪いし、遅くなることがわかる。最寄り駅までは30分ぐらいらしいので、歩いて塩田駅をめざすことにする。途中道がなくなったり、近くまで来ているのに駅のホームまでの道がなくなったりしていろいろたいへんだったがなんとか到着。
上田から乗った新幹線が熊谷駅の手前で、異音がして停車、30分ほど原因調査をする。それもあってか東京駅に着いたときはホームはあふれんばかりの人。
19時前に帰宅。4日間JR東日本乗り放題15270円、遠野、宮古、八幡平、仙台、上田とまあ乗り倒したといえるのでは・・・

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 閉店セール | トップ | プリゴジンの反乱 »

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事

カレンダー

2024年8月
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

バックナンバー