書名『エミシ・エゾからアイヌへ』
著者 児島恭子 出版社 吉川弘文館 出版年 2009
渡辺京二の『黒船前夜』を読んで、日露交流史の中で、アイヌの存在の大きさを知り、アイヌ関係の本に目がいくようになった。
たぶんこの本は、渡辺の本の中で引用されていたように思う。
電車の中で読みながら、ついつい「なるほどな」と口にしてしまうほど、豊かな指摘に富む本である。いわいる専門書ではなく歴史文化ライブラリーのシリーズで、読みやすい本なのだが、中身はしっかり濃かった。
ひと言で言えば、本書は古代から現代に至るまでの日本人(和人)から見たエミシ・エゾ・アイヌ観の変遷をたどったものである。この視点が非常に効果的だった。
アルテイが象徴するように、大和政権に対峙する東国の、勇猛な夷狄というイメージがつくられていく背景には、政権に対立する敵の存在させる、それを懐柔する必要があった大和政権の都合があったことが、よくわかる。特に中世に、大和王朝に歯向かうエミシたちを承伏させた聖徳太子伝承が聖を通じて、地方まで広まっていくという説には説得力があった。
それと著者がさまざまに引用する文献史料の中で、描かれるエミシ像のなかに、大江匡房の『傀儡記』に出て来る流浪するクグツたちとたぶってきた。これについては著者も指摘している。思いもかけず芸能史にまで及ぶエミシの姿を垣間見せてもらい、得した感じになった。
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著者 児島恭子 出版社 吉川弘文館 出版年 2009
渡辺京二の『黒船前夜』を読んで、日露交流史の中で、アイヌの存在の大きさを知り、アイヌ関係の本に目がいくようになった。
たぶんこの本は、渡辺の本の中で引用されていたように思う。
電車の中で読みながら、ついつい「なるほどな」と口にしてしまうほど、豊かな指摘に富む本である。いわいる専門書ではなく歴史文化ライブラリーのシリーズで、読みやすい本なのだが、中身はしっかり濃かった。
ひと言で言えば、本書は古代から現代に至るまでの日本人(和人)から見たエミシ・エゾ・アイヌ観の変遷をたどったものである。この視点が非常に効果的だった。
アルテイが象徴するように、大和政権に対峙する東国の、勇猛な夷狄というイメージがつくられていく背景には、政権に対立する敵の存在させる、それを懐柔する必要があった大和政権の都合があったことが、よくわかる。特に中世に、大和王朝に歯向かうエミシたちを承伏させた聖徳太子伝承が聖を通じて、地方まで広まっていくという説には説得力があった。
それと著者がさまざまに引用する文献史料の中で、描かれるエミシ像のなかに、大江匡房の『傀儡記』に出て来る流浪するクグツたちとたぶってきた。これについては著者も指摘している。思いもかけず芸能史にまで及ぶエミシの姿を垣間見せてもらい、得した感じになった。
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