デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

キエフ編5

2005-01-30 16:46:09 | お仕事日誌
8時前に目が覚める、ゆっくりシャワーを浴び、荷物の準備。考えてみたらもう明日帰国である。まああっという間であった。今日は、午前中にアクロダンスを見た後は、先生の家でお食事会。早めに部屋に戻れるはずだ。
朝飯を食べたあとテレビを見ていたら、ちびっこチャンピオンみたいなのをやっていた。ダンスがなかなかすごかった。それとモスクワのテレビで、みのもんたの「クイズミリオネール」とまったく同じ番組をしていたのが、面白かった。
10時過ぎにイーゴリが迎えに来る。アエロダンスのグループの練習場となっている小学校へ。ちょうど朝見ていたちびっこチャンピオンに出ていたような20人ぐらいのグループ。面白いけど、日本でできる場所がないだろうなあ。トランポリンをやっているイーゴリの友だちがやってくる。パーシャは、ビデオのダビングがあるということで、このまま引き上げる。イーゴリの友だちの車に乗って、今回たったひとつ私用で、お願いした、ソフィア寺院見物に向かう。かわいそうだったのは、車線オーバーで途中警察に捕まり、切符を切られてしまったこと。大丈夫だとは言っていたが、気の毒だった。
ソフィア寺院で見たかったのは、11世紀に描かれたパーチアクトのフラスコ画。一応写真を持ってきていたので、案内のおばちゃんに見せてもなかなかどこにあるかわからず。いろいろ尋ねて、ある場所までいく。ここで案内係をしていたおばちゃんに聞いたら、やはりわからないという。結局イーゴリが見つける。オリジナルは大事に保管されているが、複製が展示されていた。ロシアの放浪芸人スコモローヒと、クラウン、それにパーチの絵。複製とはいえ、やっと長年の恋人と出会ったような感じ。感激した。
イーゴリに、こんなものがソフィアにあったとはまったくわからなかった、教えてくれてありがとうと言われる。さあこれでキエフでの用事は終わり、あとはナージャ先生のところで、ごちそうになって今回の出張は終わりということで、途中スーパーに寄って、お土産を買い、先生の家に向かう。
15時すぎに到着。またしてもテーブルには料理がたくさん並べられている。ミミクリーチの演出家クリューコフ夫妻も合流して、乾杯。
何度か杯を重ねる事に、クリューコフ夫妻が、いろいろいい始める。ミミクリーチ、五人囃子、タミラの公演など、一緒に仕事をやってきたわけだが、今回は彼抜きで、イーゴリにアレンジしてもらった、ミミリッチの公演を見たり、かつてのミミクリーチのメンバーと飯を食ったりということが、よっぽと気に入らなかったのだろう。愚痴をいろいろ並べているうちに、奥さんが泣き出す。彼女は、先日の大統領選で負けたヤノコビッチ派で、相当運動に加わっていたようで、それで負けたことに怨みもあったようだ。途中クリューコフも泣きだし、なにか様相が変わってくる。早めに切り上げないと思って、イーゴリに話そうと思ったら、彼はすっかり出来上がって寝ている。こうなったらとことん付き合うしかない、クリューコフといろいろ話す。裏切り行為と思われること自体心外なのだが、そう思うこと自体彼自身に問題があるわけだし、そこを反省せずに、愚痴を言っていては、新しいことはできないぞということをかなり冷静に、言った。だいぶわかってくれたと思う。最後はしっかり抱きしめられ、唇に接吻までされてしまった。やっとパーシャがやってくる。すでにこの時2時。ここから近いとはいえ、とんでもない日になってしまった。
5時出発ということを確認し、ホテルで別れたのだが、すぐにフロントから電話、イーゴリが下に降りてこいという。ジーマが来ていた。またここから27日の夜にいったバーで、飲み直し。
いろいろ構想を聞かされたが、あまり耳に入らず。イーゴリはすっかり酔っぱらっているし、とにかく1時間だけ一緒に飲んで、部屋に戻る。荷物の準備をして、もう寝るわけにもいかず、熱めのシャワーを浴びる。5時に下に降りる。少ししてパーシャがやってくる。イーゴリは何処だというから、たぶんバーの近くだろう、見に行こうということになる。案の定イーゴリとジーマが外でふらふらしている。イーゴリはほんとうにホットしたのだと思う。ずっと気を張ってがんばり、なんとか成果をあげたことで、安心してメートルがあがり、しかも連日の疲れもあったのだと思う。パーシャがかなり強い口調でしかりつけていたが、しかたがない。
6時20分すぎに、空港着。税関のところで、3人とお別れ。税関で辻君がちょっとだけひっかかってしまうが、7時前にチェックイン。カフェでビールを一杯だけ飲む。楽な一日になるはずだったのが、結局一睡もできずという結果に。やはりここはいろいろあるところだ。



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キエフ編 ⒋

2005-01-29 16:20:28 | お仕事日誌
9時前に目が覚める。基本的には昨日も一日アルコール漬けなのだが、夜少しセーブしたので、ずいぶんと楽だ。朝飯をゆっくり食べて、部屋で荷物の整理。いまごろ整理しているのだから、話にならない。パソコンも持ってきているが、まったく何もできず。甘かった、ここはキエフなのである、アルコール攻めになることは見え見えだったはずなのに、幻想を見ていたようだ。9時すぎパーシャが迎えに来る。昨日あんな感じで別れたので気になっていたのだが、今日は元気。昨日は、渋滞続きでイライラしていたと本人もてれくさそう。車で、スポーツアクロ学校へ。ここはトランポリンやスポーツアクロの選手を養成しているところ、サーカス学校のナージャ先生もここの出身。なんでもここで500人の子供たちが学んでいるという。イーゴリやパーシャもここの出身。校長の案内で、練習場を見せてもらう。トランポリンが2台、ファーストトラック、空中もののための吊り道具もある。立派なものである。
生徒や卒業生の演技を見せてもらう。でまた校長の部屋で乾杯。ここでここの卒業生で、現在サーカスで働いている二組のアーティストと合流。ビデオを見せてもらう。そしてこのアーティストの車に乗って、サーカス場へ。昨日から始まった新しい番組を見る。ほぼ満席。ここのサーカス場は、国立で常設の劇場。今回の番組は、インターナショナルサーカスという触れ込みで、ロシア、そしてフランス、ルーマニアのアーティストが中心。なかなか見応えがあった。
休憩中に、鉄棒のグループのリーダーと打合せ。公演後車で、昨日あったマジシャンの別荘へ向かう。キエフから車で20分ぐらいのところにある閑静な別荘地の中に、またものすごい敷地の家が建っている。テーブルには料理がたくさん並べられている。イーゴリの奥さんのガーリャも来ていた。腸詰め、鶏の丸焼きなどで、すっかり満腹になる。今日は、仕事関係なしなので、リラックスして、食べ飲むことに専念。満腹だっていっているのに、だめ押しでシャシリークが出される。さすがにこれは、少ししか食べれなかった。22時くらいにお別れ。いい人たちである。
23時ぐらいにホテルに戻り、今日はゆっくり寝れる。
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キエフ編 3

2005-01-28 14:52:51 | お仕事日誌
10時前に起床。あわてて下のレストランで朝飯。10時半に来る予定になっていたパーシャがなかなか来ない。11時過ぎにやっと来て、そのまま車に乗って、文化会館のようなところに連れて行かれる。ここで、今日はマジシャンの公演を見せてもらうことになっている。客との絡みが必要だということで、辻君に客になってもらう。前にイーゴリと一緒に、韓国で公演したことがあるというマジシャンは、キエフでは自分のテレビ番組を持っていたということで、かなりの著名人のようだ。餃子をつかったテーブルマジックが笑わせてくれる。30分ほど見せてもらい、会館のなかのレストランで昼食をとりながら、打合せ。ここで今回会わなくてはならないアーティストと合流、新しいDVDをもらう。このあとサーカス学校に寄って、それから昨日のサーカスのオーナーの事務所で打合せということになっていたのだが、突然の積雪ということもあって、車があちこちで事故を起こし、道路は絶望的に渋滞している。サーカス学校に行くのはあきらめ、まっすぐサーカスの事務所へ。15時の約束だったが、30分ほど遅刻。
17時すぎまで打合せ、このあとは19時から始まるサーカステントの公演を見に行くことになっているのだが、また渋滞に巻き込まれて、町を出るのがたいへんになる。結局30分遅れで、サーカスに到着。ショーの方は、自分たちの到着をぎりぎりまで待っていてくれたようだが、すでにオープニングと一番最初の番組は終わってしまった。
今日の公演では、かつてのミミクリーチのメンバーが、結成したミミリッチのメンバーが今日だけ特別に参加することになっているので、ミミクリーチのイーゴリが来ていた。休憩中に、オーナーのお父さんのワゴンに連れて行かれ、またウォッカを一杯。
公演後、自分たちが見逃した空中芸を特別に見せてもらう。かなりいい番組だった。そのあと昨日来れなかった空中ロープのアーティストが、わざわざ違う町から来ているので、見ることになっていたのだが、アシスタントがいなく、芸にならないというので、今日はやめることに、ビデオだけもらう。なんか気の毒な感じだ。
このあと、気乗りはしなかったが、ミミクリーチのメンバーのイーゴリに連れられて、「シャンバラヤ」という、エスニックレストランへ。昨日もだいぶ飲んでいるし、転んで痛めた尻もいたいということで、エスケープしたかったのだが、断れず。ここではウォッカを飲まず、ワインを飲む。ミミリッチのメンバーと日本に行きたいというが、話半分に聞いておく。それにしてもぜんぜん変わりない、というか成長していない連中だ。なんでも30日からサーカスコンクール「シルクドマン」に出演するためパリに行くという。もう彼らを呼ぶ気持ちはまったく自分にはない。
2時間もいないで、帰ることにする。自分たちを送るためにパーシャがずっと待っていたのだが、結局はミミクリーチのイーゴリが送ってくれることになった。パーシャが気の毒。今日は渋滞もあり、苛立っていたが、これで結構切れてしまったみたいだ。イーゴリにかなり強い口調で怒っていた。1時すぎにホテル到着。すぐに寝る。
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キエフ編 2

2005-01-27 12:55:44 | お仕事日誌
10時過ぎに目が覚める。確か10時半に迎えに来るといっていたので、朝飯も食べず、身支度をして、下のロビーへ。結局イーゴリが来たのは、11時過ぎ。オーデション会場となるサーカステントは、ここから歩いてすぐのところにある。今日もかなり寒い。外ではみんな雪かき。テントのところに行くと、すごい人垣ができている。今日はオーデションだけで、公演はないはずなのだがと見ていると、顔見知りのアーティストが何人もいるのにびっくり。ナージャ先生が、「遅い、もう時間です」と声をかけてくる。とにかくテント内へ。すぐにビデオの支度をして、一番前に用意されている席に坐る。かなり前から今日オーデションに参加するアーティストは、準備していたらしく、こちらの準備ができたところで、すぐに演技が始まる。
いまひとつ状況がつかめなかったが、とにかく演技を見ることに。15組の演技が終わったところで、休憩。かなりグレードは高い。全然ダメなのがない。時計をまったく見ずにいたのだが、たぶんこの時点で、14時はまわっていたはず。いったいあとどのくらいのアーティストがこれから演技をするのか、さっぱり読めない、イーゴリに聞いてもわからないという。

もうひとつ気になるのは、演出家で3年前のウクライナサーカスで団長をつとめていたジーマが、ずっと仕切っていること。予定ではこのあと15組見た後に、どこかで飯を食うことになっているのだが、どうも会場でスタンバイしているアーティストの数と、進行を急がせているのを見ると、そんな暇なんかないような気がしてきた。とにかく席に用意されている、飲み物と、カナッペをつまみながら、見ることに。
結局この日は、休憩をあと2回はさみ、20時すぎまで、見ることになった。メモをとりながら見ていたのだが、66組の演技を見ることになった。ドキドキしたのは、バッテリーの消耗が早かったこと。辻君にホテルから変圧器をもってきてもらい、音響の卓のところで充電させてもらったので、なんとか対応できた。ミミクリーチのメンバーやら、フール祭に参加したタミラ、さらには去年のリトルに出演したトムチュクなど、次々にやってくるのだが、ろくすっぽ挨拶もできなかった。後ろの席で見ていたナージャ先生いわく、今日のショーはとても面白いとのこと。実際にすごい公演だと思う。客席で見ているのは、アーティストだけ、それでも時に大きな拍手がきたりとか、リアクションもすごい。イーゴリも驚いていた。やっと終わり、後ろを見たら、ミミクリーチの演出家クリューコフが来ていた。自分たちが来ていることは、アーティスト仲間にかなり伝わっているようだ。クリューコフとも滞在中に会わなくはならないのだが、いまはいつとか決められない。この日はほとんどしゃべることなく、別れる。
21時ホテルのレストランで、今日の会場となったサーカスのオーナーと、演出家のジーマ、そしてイーゴリと食事。そのあと近くのバーに行く途中、雪にすべって思い切り転んでしまう。しばらく起き上がれないほど、お尻を強く打ってしまう。
しかしそれにしてもすごい、オーデションとなった。サーカスのオーナーと話をするなかで、少しずつ状況がわかってきた。
結局この日も、かなり飲んでしまう。
もうクタクタだ。何時に就寝したのか、不明。
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キエフ編 1

2005-01-26 12:38:05 | お仕事日誌
6時すぎ目ざましの音で目を覚ます。アブねえ、アブねえ。たぶん5分以上は鳴っていたかもしれない。ここんとこ夜遅かったからなあ。出かける前にメールをチェック。今回の出張のキエフでのオーガナイザーイーゴリから、滞在中の予定が来ていたが、詳しく見ず。満員電車に揺られて、YCATまで。バスも結構混んでいる。9時20分ころ成田到着、辻君と合流。外では雪が降り始める。チェックインしたあと、朝飯を食べ、免税店でお土産を購入。搭乗前に家と会社に電話。家に鍵をまた忘れたようだ。
機内はそんなに混んでおらず、2席を使え、しかも足が伸ばせるところだったので、わりと快適な空の旅となる。飯を食べてからは、ずっと睡眠。目が覚めてから、持ってきた長谷川濬のノートを読む。映画を2本見る。現地時間17時半ウィーン到着。雪が降って、寒い。4時間待たなくてはならない。といっても何もなく、カフェでビールを3杯飲む。
20時半キエフ行きの飛行機に搭乗。ほとんど寝ていた。23時キエフ空港着。税関で1000ドル以上持っていると言ったら、申告書書けと言われ、結局一番最後に出ることに。イーゴリが、結構心配していた。開口一番、今日の午後3時から雪が降り始め、こんなに積もったという。たしかに雪がかなり積もっている。行く前になんども天気のことを確認したのだが、そんな寒くないということだった。ただなんとなく予感がしていて、寒くなるような気がしていたので、かなり厚着してきた。
パーシャを紹介される。彼が、今回イーゴリの手伝いをするらしい。ホテルにチェックインする前に、パーシャの家で、歓迎の宴。もうこちらの時間で12時をまわっている。明日のオーデションのことを聞くと、さあ何人集まるのだろう、30組かもしれないし、全然こないかもしれないという。まあこうなれば、あとは出たとこ勝負。しかたない。
2時すぎにやっとホテルにチェックイン。荷物の整理もせずに、そのまま服脱いでベットに転がり込む。


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