デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

キエフ・オデッサの旅 10

2019-03-31 15:06:47 | 
10時少し前にクリューコフから電話。なんかあわてている、時間が進んでいるという意味がしばらくわからなかったが、今日から夏時間になり1時間時計が進むことになるということだった。なななにすぐにラインで電話。スマホの時計が一時間いきなり進んだのでなにか混乱していたようだ。ただみんな知らないだろうと思っていたら、えっ知らないのというような反応だった。知らなかったのはクリューコフ夫妻と日本人ふたりだったようだ。なななは劇場へ。われわれはミハイル・レムというオデッサで有名な彫刻家のアトリエを見学。この人はコメディアーダにいろいろ協力しているらしい。素晴らしい作品だった。このあと劇場へ。なななの稽古をというところで、頭に使う音楽がないというこれはCDなので、前回の公演ですでにとりこんでいたばかり思っていた。とりあえず頭は音楽なしでやる。なななはホテルに戻って探すが、ないという電話。音はネットでひろえるはずだが、ないわけはないはず。なななは劇場に戻る。帰りは乗っていた車が接触事故を起こしたらしい。劇場でどこかにないか探すと、なぜないんだと言っていたクリューコフが、自分が持っていたのに気づく。ほっとするというか、おいおいだよな。
リハはぎりぎりまでつづけられ、順番もぎりぎりまでわからない。開演1時間ぐらい前にやっとなななは二番目の出番、トゥイチの次ということがわかる。
本番中途中つけていたハンカチがおちるというアクシデント、なんとか対応。かなりはらはらした。
公演後すぐにホテルのレストランに連れて行かれ、審査会。15人の審査員が集まって賞を決めるのはたいへんである。自分はトゥイチーをグランプリに押したが、ロシアの5人組がグランプリ、トゥイチーは演技賞ということになった。審査では審査員がそれぞれ5人を推薦したが、なななもこの中に入り、特別賞を送ろうということになる。なななは出演者のなかで作品をつくるということでは一番丁寧にやっていた、それを高く評価していたのがなななが目指すようなクラウニングをつくっているチャバだったことがうれしかった。自分にとってはグランプリがロシアの五人組というのが納得はいかなかったが、みんなで決めることなので仕方がない。
審査が終ってほっとしたということで、ドイツとフランスから来た酔っぱらいたちがみんなクリューコフの部屋に集まって二次会。自分は2時ぐらいに退散。

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2019年03月30日のつぶやき

2019-03-31 00:00:00 | twitter



  • コメディアーダいよいよ開幕。今日到着したトゥイチと、オープニングにショーをする子どもサーカスのメンバーと記念撮影 https://t.co/vsc6le113D
    Posted at 09:31 PM




  • あらためて、昨日のコメディアーダの「農婦たちのコメディアーダ-クラウンの女王たち」の感想をまとめてみました。
    https://t.co/K4y7JMjd8o

    Posted at 02:10 PM




  • ななな無事公演終了、かなり手ごたえを感じる公演でした。いろんな人から、いいパフォーマンスだったとお褒めの言葉をもらった。どんどん良くなってるので、明日からのコンペッションも楽しみになってきたぞ。 https://t.co/Ait34YwtKN
    Posted at 05:08 AM




  • RT @nekonoyama: あした、3/30、練馬文化センターで【森と劇場のサーカス・フェスタ】に浅草雑芸団出演です。文化センター内はふくろこうじさん達の公演、野外の特設ステージで、10時、13:10、15時に浅草雑芸団のショウがあります。外は無料です!
    Posted at 03:27 AM



  • https://twitter.com/IZJ00257




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キエフ・オデッサの旅 9

2019-03-30 15:58:53 | 
ベットから起きたときの感じは昨日よりも少しはいいかなという気がする。シャワーを浴びるとき腰に当ててみる。今日到着した審査員もかなりいるようだ。10時過ぎに出発。クラウンの家はすでにプレスの人たちとクラウンでごった返ししているのは毎年のこと。なななもすでにコスチューム姿でロビーにいた。誰か探しているようでしたよという。トゥイチーが今日到着しているはず。楽屋とかあっちこち探してやっと会える。2年半ぶりの再会となる。去年モスクワの自宅に行くはずが、トゥイチーに急に仕事が入って会えなかったのだがそのことをとても気にし、今回はわざわざ自分に会うためにオデッサまで来てくれた。つもる話しをいろいろしながら過ごす。フェルーザが再婚しふたり目の子どもを妊娠中、いまキエフで暮らしていること、ズフラの商売は順調でほとんどいまはくわせてもらっていること、いまはがつがつ仕事をとらず、工芸にはまっていること、開演まで時間があったのでゆっくり話せた。
12時からプレス。オープニングはチェルノモーリェにある子どもサーカスグループのステージ。これが本格的で感動的だった。このあとヤーナの司会でプレス会見。ここでデリーエフが粋な演出。プレスを壇上にあげて記者に質問する。さすが愚者の祭である。無事セレモニーが終わったところで記念写真をとろうというところで、昨日自分の腰の状態をとても心配していた事務所のおばちゃんがすぐに来いとひっぱられる。そこに整体師のような人が待っていて、すぐにうつ伏せになれと言われ、身体をいろいろねじられる。時間にして3分か5分ぐらいだった。これで良くなればいいのだが。整体師は自信たっぷりにどうだよくなったかと聞いてくるがあまりその実感はない。トゥイチーの知り合いのクラウンがいまオデッサのコーカスで働いているというので16時からの公演を見せてもらうことにした。去年は招待されたのだが、別の人形劇を見なくてはならずできなかったのでやっとオデッササーカスを見ることができた。
この建物はとんでもなく古く130年前に建てられた、自分にとってはあのサーカス映画の傑作「レスラーと道化師」に出てくるサーカス場なので中に入ってみたかった。さすがに古い。2年前にここで働いたということでトゥイチーはあちこちで声をかけられる。貴賓席で見ることに。ここでドゥーロフにからかわれたゼリョンヌィ市長が座っていたところかもしれない。トゥイチーの知り合いのクラウンは大活躍、父と子夫妻の4人が出ているのだが、お父さんのクラウンがめちゃめちゃ張り切っている。あとで歳を聞いたら73歳というのでびっくり。ショー自体はまあまあ、ただ最後の幻想的なポニーのショーはすごかった。ポニーたちがまるで自然の中で自らが望んで演じているように見えた。公演後楽屋に挨拶にいく。猫がいた。さすが猫の街オデッサである。
「クラウンの家」に戻り、19時からのコンペッションを見る。これについてはまた別項で書くことにしよう。
およそ3時間半の公演が終わったあとロビーでパーティー。あっと言う間に料理と酒がなくなるのは毎度のこと。審査員たちはホテル近くのレストランで二次会。あいかわらずクリューコフのテンションが高い。だんだん腰の痛みがなくなっていく。サーカスを見終わったあとは、立ったときやはり痛みがあったが、コンペッションを見終わったあと席を立ったときにあまり痛みは感じなかった。ただ一晩寝るとまたもとに戻るかもしれない。とにかくこの状態に慣れないといけない。

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2019年03月29日のつぶやき

2019-03-30 00:00:00 | twitter



  • 今晩のコメディアーダは、女性クラウンたちによる特別ショー。ただいまリハーサル中。なななも今晩この公演に出演しますよ https://t.co/1GxOqG1uYn
    Posted at 08:56 PM




  • 今晩のコメディアーダは、女性クラウンたちによる特別しょー。ただいまリハーサル中。なななも今晩この公演に出演しますよ https://t.co/LaiqaYakvP
    Posted at 08:55 PM




  • .笑いの祭典「コメディアーダ」が本格的に始まりました。イタリアの足をつかったパフォーマンス、そしてこんなすごいコメディーは見たことがないというのを見せてもらったアレクセイ・クラースヌイで、みんな終わったあとは興奮状態になりました。… https://t.co/wIduIVu4iI
    Posted at 05:28 PM



  • https://twitter.com/IZJ00257




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キエフ・オデッサの旅 8

2019-03-29 13:19:48 | 
朝起きてベットからおりるとき腰の激痛が走る。よくなってきたと思っていたが完治はしていないわけで、薬を飲んだり湿布薬をつけ、マッサージをしてもらっても一時的な効果しかないということだ。朝飯を食べて10時半すぎにホテルを出て劇場まで歩く。腰にとって一番自然な楽な状態とはどんな状態なのだろうと思う。歩く時がいちばん痛みを感じない気がする。11時過ぎに劇場に着くと、サーカスアカデミーの若者たちが今日の公演のオープニングの稽古。ロビーに昨日素晴らしい公演をしたアレクセイ・クラースヌイがいたので挨拶。彼はふだんはサーカスで働いているという。真面目そうな男だった。
なななたち第二陣はホテルを12時出発という。今日のショーで実質「コメディアーダ」が始まることになる。クリューコフはプレス対応やら明日から進行などについて打合せなどもあり忙しそう。ただ今日のショーのことも気になるので事務所とステージを何度も往復。なななが到着したときには一部の稽古の真っ最中。一応順番通り照明と音響を決めていくということなのだが。ひとつ問題が発生。なななのエンディングで使う曲が入っている携帯プレイヤーから音響の設備にはダウンロードできないという。ヤーナがネットで同じ曲山本リンダの「どうにもとまらない」を探してダウンロードしてくれる。2時半から二部のあたまに登場するなななの稽古。頭のフスマダンスのところはクリューコフのアイディアからでたもので、彼も立ち会い、動いてもらい、明かりを決めていく。3度稽古をしてかたちができる。できたところでなななが通しでリハ。前回サーカスアカデミーでやったときより短くしたほうがいいと言われていたが、なにより動きがなぞったものではなく、自分からだに馴染んだ状態から出てくるので見ていて、気持がいい。ほとんどの人たちはランチを食べにでかけていたが、残っていた人たちから笑いがなんども起きる。稽古が終わるとクリューコフがよくなったと安心したように笑っていた。なななも手応えを感じたようだ。その後も稽古が続く、腰バンドをきつくしているせいか食欲もわかない。腰の状態はどんどん悪くなっていく。いままでで最悪かもしれない。これ座ってみるのは無理なので稽古を見学しているなななを置いて、散歩にでかける。結局ホテルまで戻る。今日は金曜日ということもあるのだろうメインストリートや公園には人がいっぱいでている。
18時過ぎに劇場に戻る。
19時から「農婦たちのコメディアーダ-クラウンの女王たち」と題したプログラムが5分ほど押しで始まる。出演したのはウクライナのサーカスアカデミーから三つの女性グループ「プランシェット」(過去2回コメディアーダに参加)、トリオのトリコ」(去年参加)と「ビオメハニカ」(今年のコンペッション参加)とロシアの男女二人組、ロシア人でいまはパルセロナで多く活躍しているというアレクサンドル・フリッシュの知り合いでもあるカトリーン、ポーランドのドミニカ、イスラエルの男女ペア、デリーエフの娘のヤーナ、ウクライナのベテラン女性クラウンオクサナ、司会と最後の強烈なネタをしたオクサナの旦那のオレクたち。トリオトリコは去年も見たネタで面白かったが、存在感で圧倒したのがオクサナだった。彼女は大柄でふだんの様子もなにか笑わせるものをもっている、ヤーナが演技するのを見るのは初めてだったが彼女はこちらの方でも才能がある。二部のあたまは女性たちのダンスのあと、ふすまダンスからなななの番。あたりまえの気持では見ていられない。あとで一番前で見ていたクリューコフは電気椅子に座っているようだったと言っていた。クリューコフが思いついたふすまのダンスは、かつてななながメンバーのひとりだった五人囃子の時につかったものを、「ビオメハニカ」のメンバーが手伝ってくれる。客席から見ているとどうしても「五人囃子」を思い出してしまう。「さくら」の琴の演奏が流れる中、フスマのダンスが行われる中、ゴミバケツをもったななながどこに置くからその場所を探すように登場。ふすまの動きに翻弄されながらうすまが横にならんだところで、4つのふすまがはけ、ひとつ残ったふすまでなななは影絵を演じる。そしてそのふすまがはけたところで、なななの今回のネタが始まる。リハを見て少し安心していたが、客席の反応も生かしながら、落ちついて演技しているのがわかる。あがってはいないようだ。動きも自然になっている。客席からクスクス笑いがおこる。いわゆる爆笑の世界ではない。でもみんなが笑っているのがよくわかる。前に座っていた女性の客は完全にはまっていた。最後山本リンダの曲ではけるときは手拍子、そして拍手も。さっそく隣で見ていたシルクドソレイユのスカウト担当シェリフが「イッツナイス」と声をかけてきた。ほっとしたらなにか力が抜けてきた。プログラム自体はこのあとも続くのだが、印象に残ったのはポーランドのソロマイムダンス、なななともすっかり仲良くなったようだが、とてもなめらかな動きをしていた。
最後のオレクのネタはバケツを持ってきてそのなかにいろんなものを入れてミックスしようというはちゃめちゃのものだったが、洗剤丸ごと、ビール、最後はシャンパンを瓶ごといれるなどかなりあぶないギャグだった。
エンディングでなななが紹介されたとき場内から大きな拍手がまきおこる。ななな、来て良かったなとつくづく思う。間違いなくクラウンのなかで、クラウンの女王のひとりになっていた。
公演後ナージャがとてもよかった、笑えたし、演技も見事だったと彼女もほっとしていたようだった。イタリアのデビットが大好きな作品だと言ってくれたり、カナダのジョンもひとつひとつのネタがクリーンで大好きな作品だと言ってくれた。カトリーンもほんとうに素晴らしかったと。イスラエルのマイムの先生のゲンナージ、ポーランドのマイム劇団の代表のニコライも絶賛。なによりもクリューコフが興奮しまくっていた。今日は自分は飲まないことにしたのだが、彼はもうすっかり酔っていた。そしてなななに最後のダメだし。客席の反応を感じろ、それによってまた次回いいショーができるはずだと力をこめて語っていたのも大きな手応えを感じたからであろう。いちばん手応えを感じたのはなななに間違いない。客の顔がしっかり見れていたと言っていたので、クリューコフのダメだしの意味もすぐに理解できたようだった。
24時前におひらき、バスに乗ってホテルに戻る。クリューコフの部屋によって薬をもらう。効いてくれるといいのだが。とにかく今日はこのまま寝ることに。酔っているクリューコフは客席の反応を感じることだと繰返し言っていた。一緒に飲みたそうだったが、今日はとにかく腰がいたいのでもうこれ以上座りたくない。部屋にもどり薬を飲んで、就寝。

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