デラシネ日誌

私の本業の仕事ぶりと、日々感じたことをデイリーで紹介します。
毎日に近いかたちで更新をしていくつもりです。

さらばハノイ

2015-08-31 12:56:31 | お仕事日誌
5時半ぐらいから池のあたりからエアロビックスの音楽が聞こえてくる。たぶんここの人たちは日が登って涼しいうちになんかしちゃおうということなのかもしれない。
6時過ぎにこの人たちの中に昨日同様入って走る。それにしても壮観な風景である。これだけの人たちがこんな朝早くからエクササイズしているのである。
部屋に戻ってシャワーを浴びて、荷物の整理や最後のメールチェック。約束の9時よりだいぶ前にコーリャが到着。でかい袋をもって部屋にやってくる。ベトナムドブロクウォッカが2ℓのペットボトルに入っている。その他にいろいろなお土産。なんとかスーツケースに全部ぶちこむ。
今日の朝飯は、豚足入りのフォー。それになにか海老の入ったおかずが・・・こんなのを食べるのにはやはりビールだろうということに。しかし今回はどんだけ食っているかだよな・・・戻ったらすぐに検査なのに・・・
いったんコーリャの部屋に戻り、少し休んで、11時半に出発。なにからなにまで面倒みてもらったコーリャの奥さんのハーさんと抱き合って別れを惜しむ。今夜遅く発つ柳さんの見送りを受け、出発。小一時間で空港着。ここでコーリャともお別れ。すぐにチェックイン。セキリティーで時計もとり靴も脱がされる。終わってデューティーフリーでもちょっとのぞこうか、どのくらい時間があるんだろうと時計を見たら、ない。すぐにセキリティーに戻る。ないなあということだったが、ベルトのところに引っかかっているのが見つかる。もしかしてこんな感じで去年モスクワで財布も消えたのかもしれない。定刻通りに出発、30分早く羽田到着。ずいぶん涼しくなった。出口にはたくさんのカメラが。世界陸上に出た選手が帰国するらしい。
スーツケースを宅急便で出して、京急で帰る。家には22時過ぎに到着。5日しか家を離れていなかったのだが、そこそこの量の郵便物が机の上にあった。なによりも嬉しかったのは、ヤクーツクに一緒に行ったバトンの圭登君から世界チャンピオンになりましたというハガキ。世界チャンピオンが夢とあの時インタビューに答えていた圭登君。やっと実現できたね。いままでの鍛練のおかげである。よくやった、拍手・拍手・・・
新潮文庫の本がもう本屋に並んでいるということもあって、この件のご案内をデラシネの号外で配信してから就寝。

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ハノイ最後の夜

2015-08-30 12:53:25 | お仕事日誌
6時起床。外を見るとこんな早くなのに、池の周りを歩く人が多い。ちょっと腰も心配だったのだが、やはりこういうところは走りたいということで、外に出る。今日は日曜なので道路はさすがに車もバイクも少ないのだが、池の周りを歩く人でまさにラッシュアワー。走っていてもバイクと同じように人の間をくぐり抜けるようにしていかないといけない。面白い国だ。あちこちではでかく音楽を鳴らしながらエアロビクス。これをやっているのはほとんどおばちゃん。コーリャが前に言っていたハノイ一の公園のゲートがあったのでそちら方面に向かう。ここがすごかった。人人人の渦。みんな歩いていたり、アエロビックスやっていたり、バトミントン、さらには足バトミントン、社交ダンスまでやっている人がいる。大きな池があるのだが、ここを歩いている人ははんぱじゃない。まさにバイクと同じようにくぐり抜けないといけない。だんだんた楽しくなってくる。運動している人が圧倒的に多いのだが茶屋でお茶飲んでたむろしている人もいる。大坂城天守閣の中もこんな雰囲気はあるが、規模からいうとあれの100倍以上。みんな健康に熱心といことなのだろうか。今日は4日ぶりのジョグだったのだが、軽く30分ぐらい、このおかしな風景を楽しむのが目的だった。でも面白いなこの国・・・・
朝飯はちょっと早く8時。今日は朝の定食屋さんみたいなところで、肉や野菜を詰めた米でつくった春巻きのようなものの上に海老の粉末をかけたものと蒲鉾。これも美味しい。例によっていつものカフェでベトナムコーヒーを飲む。今日のサーカスは9時からということで入り口ではデモンストレーション。これを見ていたコーリャがなにか不満らしく、だめだし、さらにはマイクを握って客寄せ。ほんとうに忙しい奴である。今日はいったんホテルに戻り休憩。
なかなか時間がなく、出来なかった雑用をすませ、11時半に下に降りる。今度は車で町の中の商店街へ。ハノイでも一番賑わう通りらしい。ここで黒い鶏の料理を食べる。烏骨鶏らしい。韓国のサムゲタンのような食べ方をする。たくさんの漢方が入っている。このスープが抜群にうまい。ビールを飲んでいる場合ではない。コーリャが家から持ってきてくれたベトナムドブロクウォッカを飲む。これを食べると元気ができるというのがわかるような気がする。いったんホテルに戻って、昼寝。2時半今度はバイクでお迎え。日曜日のラッシュはまた違う。公設市場のようなところでお土産買い。ここがまたすごいところ、狭いところに店がぎっしり並んでいる。中では昼寝をしているおばちゃんも。みんな朝早くエアロビクスをやって眠たくなる時間かもしれない。主に食料品を中心にお土産を買う。このあとコーヒーを飲んでから水中人形劇を見に行く。前から3番目の席。なかなか面白い人形劇であった。思った以上に水上で動きがリアル。魚が水上をジャンプするところなどかなりリアルである。生演奏のテルミンみたいな楽器も面白い。ハノイであまり外人を見ていないなあと思っていたが、ここはまさに外人だらけ。この劇場のあるところがハノイの中心のようだ。ものすごいラッシュになっている。またいったんホテルに戻り、ちょっと休憩。いままでは次女から誕生祝いでもらったカラーステテコとサンダルという出で立ちだったが、コーリャが別れ際にズボンと靴履けよと言われたので着替えて6時に下に降りる。車はハノイのシネコンがあるビルの前で止まる。ここでびっくり。なんとレッドカーペットが敷かれ、あおざいを着たきれいな姉ちゃんたちが並んでいるではないか。
言われていたのは今日はサーカスのアーティストも出演しているヴァラエティーショーがあるということだけだった。ディレクターと奥さんがやってくる。英語が出来る奥さんの説明で今日Ionahというショーの初日だということがわかる。サンダルなんか履いてこなくてよかった。皆さんの歓迎を受けて2階にあがると立食パーティー会場になっていた。公演が始まるまで1時間いろいろ飲んでいろいろ食べる。文化大臣もやってきたというので見たら、まるで田舎の自民党の代議士みたいなおっさん。いきなりタバコを吸っていた。簡単なセレモニーが終わって会場に入ると、そこはImaxシアターのような映画館。もしかしてヴァラエティーショーを映画にしたもの見せられるのではないかと思ったのだが、幕があがると舞台は案外広く、ライブの舞台が始まる。冒頭でハノイの日常的な町のにぎわいの描写。そこで事故が起きたところからいきなり幻想的な世界へと入っていく。最初は結構暗黒ムード。ブラックライトで照らされた骸骨の踊り、グロい化け物がでてきたりする。ヒップホップとダンスとサーカスのミックスしたショーらしいのだが、サーカスアクトが骨格をつくっている。
蜘蛛の巣に絡まれたヒロインが網にからむようなかたちでアクロバットをする。もうひとつの特徴は映画館ということをふんだんに利用した映像を要所要所につかっていること。ステージへと誘うオープニングの映像は見事であった。暗黒の世界のシーンは昆虫とかけもの(実物の蛇もでてきた)がメイン。とても好きなシーンはヒロインが暗黒の世界を逃れようとして迷った一室。鏡がある。鏡の向こうにはうりふたつの白い衣装を着た少女。鏡のパントマイムを演じたあと、鏡から抜け出した少女とふたりでコントーションの演技をするところ。演技が終わってヒロインがこの鏡を割るところで、今度は極彩色の南国の情景続く。最後はヒロインとヒーローによる、おそらくはベトナムサーカスのお家芸といっていいデュオのシフォン。天井が低くても圧巻の演技であった。およそ70分のショーであったがまさにてんこ盛りのヴァラエティーショー。相当金がかかっていると思う。外国に持っていっても面白いショーになっていると思う。その点不思議なのは誰に見せたいショーなのかということだ。プレミアムショーではあるが、外国へ売り込みたいなら外国人をもっと招待すべきであろうと思うが、誰も招待していないようだし、国内向けということになるのだろう。ただこんなショーをつくってしまう力をこの国は持っているということが重要なことなのかもしれない。
わずか5日間ではあったが、ハノイサーカスのさまざまな面をたっぷりと見ることができたと思う。収穫の多い旅となった。ベトナムサーカスの底力を見せつけられたような気がする。あの最初のテントサーカスから始まって、このとんでもないお金をかけたヴァラエティーショーまでの大きな振幅のなかでベトナムサーカスはしっかりと生きているのである。それも背伸びせずに余裕を持ってやっている。これがすごいと思う。気張っていないのだ。ベトナムには余裕があると思えてしかたがなかった。朝から通りに座ってお茶を飲むひとたち、バイクでラッシュをすり抜ける人たち、朝早くから運動を楽しむ人たち、店を出しながら昼寝をむさぼる人たち、無理しないでいいじゃんみたいなところがある。あのバイクラッシュも荷台に乗ってわかったが、みんな決して急いでいないし、われ先にではないのだ。あんだけ混んでいて事故もあろうかと思うのだが、たぶん大きな事故にはならないと思う。みんな急いでいないからスピードをだしていない。かすったりすることは日常茶飯事だと思う。でもそれは大事ではない。まさにかすり傷。ロッテ資本が進出しているようだし、世界中の資本もこの人口の多さは魅力的でどんどん進出しているはずだ。ただモスクワのようにあっという間に町中が、ブランド品の店やショッピングセンターになることはない。露天での商売があって、公設市場がまだまだ繁栄し続けるそんな底力がこの国にある。それと同じように、サーカスも上だけ見ずに、横を見ながらやっているところが、この国のサーカスの力となっているような気がする。例えばコンテストに出て賞はとりたいけど、その先の欲望がない。賞をとれば一流のサーカス団で働ける、それが狙いで賞を目ざすのが普通だと思うのだが、ここのサーカスは別にいいところで働きたい、いいギャラをもらいたいということにギラギラしていない。それは何度も通ったサーカスのバックヤードで見る芸人さんたちを見ればわかる。
これはあくまでもたった5日間だけいたことだけの見聞を通しての感想である。
ひとつ言えることは今回の訪問で、かなりはまったかなということだ。社会主義のひとつのいい過程がここにあるのではないかというのは、あまりにも皮相な見方であろうか。
ディレクターはサーカス場に寄って、我々にプレゼントをくれた。ありがたい話である。
まだサーカス場で仕事中のコーリャも顔を出す。


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本公演を見る

2015-08-29 16:08:47 | お仕事日誌
6時半に目が覚める。下を見ると池の周りをみんな走っている。走りたいと思ったのだが、2日前から腰のあたりに痛みが。ここまできてぎっくりなんていうのも嫌なので諦める。8時半下に降りる。今日は奥さんのハーさんの運転するバイクに乗って朝食会場に。今日はフォーではなく、ワンタンメン屋さん。具沢山のワンタンメン、これがまた感動的に美味しかった。いつものカフェでベトナムコーヒーを飲んで、今日のスケジュールの打ち合わせ。コーリャたちはこれから10時にどこかでイベントがあるので出かけるというので、同行させてもらう。
会場に着いたらミリタリー色、なんでも毎年やられているらしいが軍隊に親しんでもらおうというイベントらしい。最初は軍用犬によるデモンストレーション、そのあと軍隊のみなさんのさまざまなパフォーマンス、空手の型や棒技まではいいが、ヌンチャクや擬闘になるとはてなという感じ、最後はなんとガラスを敷いたところに人が寝て、その腹の上に石の塊を載せてハンマーで砕くとか、さらには板を敷いた上をバイクで走るとか、完全な見世物モード。まさか軍人さんによる見世物が見れるとは・・・
このあとがサーカスショー。コーリャの司会で40分ぐらいのショー。フラフープ、犬、猿、コミックアクロバット、壺まわし、コーリャとフンさんのネタが2つ、ハンドアクロがなかなかよかった。ただみんなやる気のなさがもろに伝わってくる。終わった芸人さんはさっさと着替えてさっさと途中でかえって行った。
このままサーカス場へ。今日のランチは手巻き春巻き。これがなかなか美味かった。
いよいよハノイサーカス劇場での本番を見ることになる。15時から公演ということで15時前に会場に入ったのだが、今日は警察関係の家族の貸し切りということで、いろいろセレモニーなどがあるらしい。公演は大幅に遅れているようだ。ディレクターから明日の夜サーカスのアーティストも出演するショーがあるのでそれに行かないかと誘われる。なかなかおしゃれな感じのショーのようだ。喜んでいきますと答える。これは予想外のショーだ。ありがたい。ディレクターを訪ねてきた女性がいたのだが、彼女はもともとパントマイムをやっていたらしく、いまはフランスに住んでいるとのこと。その同行していた人が突然日本語を話しだす。彼もパントマイムをしていたとのこと。面白い出会いがあるものだ。今日は満席ということで中央の入り口で立って撮影することになった。
ベトナムサーカスの現在の立ち位置がよくわかる公演内容だった。オープニングはコーリャがつくったというコミックアクロ。現代風の若者6人によるテンポのいいアクロバット。面白かったのがバンジーシフォン。男のソロだが、動きがバンジーをつかうことによってユーモラスになっている。圧巻は人間が4人乗った大一丁ブランコ。ブランコの上でパーチまでやってしまう。このあたりのオリジナルなアクトをつくることによって各種コンクールで賞をとることになったのだろう。後半はじめのハイワイヤーもなかなか迫力があった。動物芸は犬、猿、熊、そして象。それぞれ悪くないとは思うが、ちょっと痛々しい感じがしてしまう。特に猿と象。象の耳が相当切れていたし、耳につけたひものようなものを引っ張って言うことを聞かせようとしていた。それがちょっと露骨すぎたか。期待していただけにちょっとがっくり。
17時半すぎに公演が終わり、コーリャの家へ。18時過ぎから夕飯。相変わらずハーお母さんの美味しい手料理に舌鼓。例によってドブロクウォッカを2杯。20時前に会場へ。夜の公演を見る。柳さんが誘った国際交流基金の方もいらしていた。中央のVIP席で一緒に観覧。7割ぐらいの入りだがやはり圧倒的に子供連れの客が多い。
2回目の公演は一回目と若干演目が変わっていた。目を引いたのはブランコのバランス。ホーチミンサーカスから客演していたデュオのシフォン。
終わってから交流基金の方をコーリャに紹介。コーリャも喜んでいた。外はすごい雨になっているというのでしばし待機。楽屋入り口では帰りそびれたアーティストもみんな雨が弱まるのを待っていた。
これ以上待ってもやまないとみたコーリャは車を楽屋口ぎりぎりまで入れてくれて我々を迎えに来てくれた。交流基金の方も一緒に乗ってもらいホテルまで。
今日で今回の出張の大きな目的はすべて果たしのではないかと思う。ハノイサーカスの番組を3番組見て、さらにはサーカス学校の公演で見れた。柳さんにはいまのハノイサーカスの現状はすべて知ってもらうことができたと思う。
いろいろこれから今回インプットしたことを整理して、次のステップへということになるのだろうがまずは生きた情報収集という点では十分に収穫があったのではないかと思う。
ひとつ感じたことは間違いなくまベトナムサーカスがアジアのサーカス大国になったということだ。多くのアーティスト擁しているのだが、外に打ってでるということよりも、国内での需要のために数多くの公演をこなしながら、余裕があるので新技の開発にどんどん臨んでいる。そのためオリジナルな演目がたくさんできている。
それとベトナムという国のもつ最大の武器となる若さを感じる。いま土台をしっかりつくりあげたなかから、中国を上回るような勢いでサーカスを発展させているということが言えるのではないか。
そんなことを思いながら、寝酒を二杯飲んで床に就く。

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サーカス学校公演

2015-08-28 09:11:12 | お仕事日誌
8時20分前にコーリャから電話。8時に来るという。まだ20分もあるじゃないかということなのだろうが、ちょっときついので8時半に来てもらう。彼は9時から稽古があるらしかったのだが・・・・今日もバイクの後ろに乗ってフォー屋さんへ。昨日初めてサーカス場からホテルまで乗せてもらったのだが、これがなかなかいい。ただ今日はラッシュ時なので、なかなかスリリングではあったが。今日のフォー屋さんは鶏専門。二階席で風呂椅子に座って食べる。これが美味い!感動的な美味さである。このあとサーカス場前のカフェでベトナムコーヒーを飲む。昨日よりかなり濃いベトナムコーヒーであった。それからサーカス場へ。9月2日のサーカス場でやる特別番組のためのオープニングの練習をやるらしい。なんというかたらたらした感じが漂う。全体であわせるというのが苦手な人たちなのかもしれない。演出するコーリャがずっと叫び放し。なんとか一通り終える。よくできたオープニングだと思う。このあとコーリャはテレビ撮りがあるというので、そのまま出かける。このあとリングではホーチミンサーカスから来た男女ペアのシフォンの稽古とブランコに2人乗ってバランスをとるというアクトの稽古。ホーチミンサーカスの女性の方はなかなかエキゾチックなベトナムにはいない顔をしていた。お昼近くになってコーリャの奥さんが迎えに来てくれる。今日もコーリャ家でランチ。今日は例の蔓とにんにくの炒めもの、この蔓の本体も見せてもらった。相変わらず美味しいランチである。奥さんがコーリャがテレビに出ているというので、それを見ながらランチをご馳走になる。ほぼ1時間出ずっぱりであった。彼も演出、テレビ出演、夜は式典の稽古と大変である。そこに我々の面倒まで見させているわけだから大変だ。まもなくコーリャが戻ってきて、そのままホテルまで送ってもらう。40分ほどだが食休みをとって、サーカス学校へ。15時過ぎに到着。さっそくサーカス学校の在校生と卒業生の演目を見せてもらう。校長はラオスの留学生をかなり押しており、マジックの作品をふたつと「百万本のバラ」テーマにしたシフォンの作品の三つを用意してくれた。なかなかいい。この他には男女ペアのシフォンはほぼ完成していた、そのまま使える。4人の女性によるアクロバットもなかなかオリジナルなもので面白い。スラックワイヤーは途中失敗は演じているのは16歳、これからが楽しみ。校長はぜひうちの生徒をつかってくれとかなり売り込みに熱心であった。
サーカス学校を出発するときにスコールが降り出す。ここからホテルまでの道中はラッシュアワーと重なり、なかなかすさまじい道路を見ることになった。バイクの人たちはみんな雨合羽を着て走る。こういうことは日常なのだろう。この三日間で見たラッシュの中でも一番の混雑状態だったろう。この中で突然車のワイパーが動かなくなる。これは危ないということで、途中停めて修理。少し時間はかかったがなんとか修理してしまうのは、さすがコーリャである。なんとかかんとかホテル到着。
少し休憩してまずはコーリャの家で夕飯をご馳走になる。今日は長男も一緒。今日のメインはアヒル料理。これがなかなか美味かった。こういうのにはやはりウォッカである。とにかく美味いウォッカである。食べ終わってから9月2日の式典パフォーマンスの稽古をしているところに連れてもらう。100人近くの人たちが集まって稽古。朝のオープニングの稽古同様、たらたらしているように見えてしまう。北朝鮮や日体大のマスゲームをつくるときは綿密な計算で、みんなぴりぴりしながらやっていると思うのだが、ここの人たちはこういうことがたぶん苦手なんだと思う。
1時間ほど見学してホテルに戻る。
寝る前までなんか中途半端な空き時間になったので持ってきたDVD「仁義なき戦い完結編」を見てから就寝。

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見るパワーのすごさに圧倒される

2015-08-27 19:52:50 | お仕事日誌
8時前にコーリャから電話。予定では9時だったはずなのだが・・・9時にはサーカス場に行かないといけないからすぐに降りて来いという。柳さんに電話。8時すぎに下へ。コーリャの奥さんも一緒。これからフォーを食べに行くという。路地に入った素敵なところでフォーの朝飯。これが美味い!サーカス場前のカフェでベトナムコーヒーを飲む。ここでフンさんが現れる。一緒にコーヒーを飲む。9時過ぎにサーカス場へ。ディレクターと挨拶。今回の訪問の目的を伝える。トレイラーシアターには興味をもったようだ。とにかくいま見れる演目を可能な限りみたいという希望を伝えると、ハノイ郊外でやっているテントサーカスを見に行くように手配してくれる。コーリャは用事があるので案内人と車とドライバーを用意してくれた。サーカス学校を見学したいというとすぐに見に行くように連絡してくれる。そのままサーカス学校へ。これがなかなか立派な学校。全部で4棟の建物があるとのことだが、ひとつの建物には立派な客席付きのリングがあったし、他の棟の建物もみんな立派なものだった。ここは5年生制度で11歳から学ぶ。一学年35人の生徒がおり、海外からも受け付けているとのこと。先生も30人。この土台がしっかりしていることがベトナムサーカスの昨今の成長に関係しているのだろう。明日生徒さんたちの演目をいくつか見せてもらえるとのこと。
コーリャの自宅(サーカス場のすぐ隣)で奥さんお手製のランチをご馳走になる。ビーフンをたれで食べる。その他に揚げ春巻きに、肉料理、どれも美味しい。サイゴンビールとハノイビールを飲む。氷をいれて飲む。そして宴もたけなわというところでベトナムウォッカのどぶろく(大きなペットボトル入り)が出される。出されたら飲まないということで2杯飲む。美味かった。テントサーカスを見に行くために16時出発ということなので、いったんホテルに戻り休憩。ちょっと横になって、少し仕事をと思ったところで部屋掃除が入る。問答無用で掃除。
16時に迎えの車が来て、出発。例によってバイクのラッシュに感動。郊外にでるとそうでもなくなる。途中道がわからなくなったりして、18時過ぎに道端のレストランに停まって、食事。昨日も食べた草の蔓をにんにくと一緒にいためたもの、うなぎなどを食べる。途中でおばさんとその息子のような男が鉄製の大きなひょうたんを持ってわれわれの食事会に参加。ひょうたんにはとうぜん酒が入っていた。これは昼間のようなウォッカではなく焼酎のようなもの、これはリトルにフンさんが最初にもってきたものと同じだ。このふたりが何者かも知らず、コーリャもいないので言葉がわかるものがおらず、ただひたすら食べて飲む。カエルのから揚げのようなものは美味しかったが、ちょっと小骨が多かった。締めは鶏。これがなかなか歯ごたえがある。さんざん食べて飲んで、いよいよテントのある場所に向かう。20時から公演ということでまだ20分ほど時間があったので楽屋を案内してもらう。ところが楽屋といってもただ単にテントの裏、部屋も仕切りもなく芸人さんたちは地べたに座ってメイクをしている。しかも暗いところでやっている。環境としては最悪と言ってもいいと思うのだが、みんな淡々と準備をしている。20年前のリトルのベトナムサーカスに来ていたロシアンバーの芸人さんがいた。あまり変わりがない。客席は最初の頃は20パーセントぐらいしか入っていなかったのだが、20時近くになるとどんどん入ってくる。いつのまにか超満員。補助席(風呂椅子のようなもの)がどんどんだされる。客のほとんどは子供。昨日の国際交流基金の方の話だとベトナムの平均年齢は27歳、その年齢構成は完全なピラミッド型。子供たちが一番多い。それを実証するような客の入りである。30分近く押して公演がはじまった。とにかく超満員でその5割以上が子供たちという、この見る力のパワーのすごさに圧倒された90分間だった。アーティストもみな若い。空中ストラップとロープは両方とも男女ペアのショーだったがすばらしかった。ロシアンバーの最後のトリックはいままでみたことのない目隠し2回転。動物は熊(月の輪熊)2頭、犬、猿のショーがあった。バリエール(柵)の間近まで補助席が並ぶなか、熊の演技をさせるのだからたいしたもんである。マジックで客席の子供を何人か呼ぶのだが、最後にはみんな舞台に集まってきて収拾がつかなくなる。とにかく子供たちの歓声がとにかくすごい。最後はジギドで締める。そしてフィナーレのパレードが終わると写真をとるためにアーティストたちが残ると、リングの中は大混乱。とにかく客席の熱気がむんむん、このパワーに押し切られた感じがする。こんな公演を見るのは初めてだった。柳さんもただただ圧倒されたようである。
開演前のあの楽屋のなんとも寂しいありさまを見ているだけに、このなんというかパワーには正直圧倒され続けた。サーカスには見る力という要素があることを思い知らされた公演だった。公演後例によってバイクでみんな帰っていく。すごいなあ・・・・・
帰りは1時間もかからないでホテルに到着。すでに24時近くになっていた。ベトナムサーカスの最初の体験、すごかったなあ・・・・
やはり大事な忘れ物をしていたことに気づく。カメラのバッテリーの充電器を忘れてきた。すでにカメラのバッテリーは切れてしまう。せっかくの写真を撮れなかったのは残念。寝酒を2杯ほど飲んで就寝。

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