ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 NAVER映画の人気順位 と 週末の興行成績 [8月2日(金)~8月4日(日)]

2019-08-07 23:52:52 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▸8月1日ラピュタ阿佐ヶ谷という映画館に行ってきました。今までも独特なラインナップで気にはなっていたのですが、行ったのは今回が初めて。建物の造りや展示物等もユニークな映画館でした。観た作品は特攻隊映画の「雲ながるる果てに」(1953)。最初に観たのは何十年前のことか? 鶴田浩二木村功が出てたことくらいしか憶えていませんでした。今回は、「あ、この人NHKの「事件記者の・・・」と思って後で調べたら清村耕次という俳優。66年に40歳で世を去ったのか。それも自殺で・・・。映画の中で、これまで何度も聞いたことがある「至誠に悖(もと)る勿りしか」以下の5項目は海軍兵学校の<五省>というものなんですね。知らなかった。(と無知をさらす。) 私ヌルボ、「なかりしか」どころか全部「あるある」なんですけどね。(それで何?) えっっ、この<五省>、今も海自で用いているばかりか、自衛隊グッズとして五省Tシャツが販売されてるのか! ぜ~んぜん知らんかったな。(無知をさらにさらす。) 五省の上に例の海自の旗(つまり旭日旗)も付いていますよ。
 さて、この作品のタイトルですが、1945年5月29日沖縄で特攻戦死した古川正崇海軍中尉が出征を前に机に書き残したという歌によるものです。「雲湧きて 流るるはての 青空の その青の上 我が死にどころ」・・・。こういう歌を前にすると言葉を失うばかりです。(政治宣伝に直結させてほしくないものです。「左」「右」とも。

▸そして今日(7日)、某所で入手したのが映画「きけ、わだつみの声」のシナリオ。コチラは特攻隊ではなくインパール作戦等。最近1ヵ月ばかり、この原作本等戦没学生の手記を何冊か再読。その中の1冊林尹夫の遺稿「わがいのち月明に燃ゆ」によると、林は「チボー家の人々」をフランス語の原書で(!)3回も通読していたとか。(なんということだ!) 不肖ヌルボ、本ブログ中の<高校生にすすめる本360冊>の→一番最初に置いた小説ですがな。ジャック・チボーが反戦ビラを飛行機に積み込んで(第一次大戦の)戦場に飛び立って云々というクライマックスの場面は、思い出すだけでも涙がチョチョギレます・・・。それにしても、ドローンの軍事利用が現実のものとなった今、ドローンから戦場に反戦ビラを撒くという現代のジャック・チボーは現れないのでしょうか? とあらば私ヌルボ、老残の身にムチ打って、とムラムラとラディカルな思いが募ってくるのでアリマス・・・。

▸→先週の記事へのコメントで、yabさんが私ヌルボの疎い「コナン」や、「自衛隊協力映画」(大月書店)という本についていろいろ書いて下さっていろいろ参考になりました。上の本の著者の須藤遙子さんのことはたしかに→コチラの記事で方にもかかわらず全然記憶ナシで、再度自分の書いたものを読み直した次第。(トホホ。) 横浜市立図書館にこの本があったので目を通してみると、最後の方に現在の<自衛隊協力映画>の傾向として<ジコチュー・ナショナリズム>(←須藤先生の造語)がみられるとのこと。国のためとかではなく、「○○のために」死にに行くといったたぐい。愛する人とか君のためとか・・・。なるほどねー、たしかに。そこで思い出されるのは、「何かを愛するという感情がなければ、自然と平和になる」というタモリの<LOVEさえなければPEACE>論。これはホントにいいところを突いていると思います。「君のためなら死ねる!」と宣言するのも恋愛のワク内に止めておいてほしいものです。岩清水弘君のように。(ってチョー古いてか・・・。)
 ※私ヌルボが高く評価する戦争映画については→コチラの記事冒頭とコメント欄参照。

▸6月初め仁川のミリム劇場で催された横浜のシネマ・ジャック&ベティとの提携企画の続きで、9月7(土)・8(日)の両日シネマ・ジャック&ベティでレアな韓国ドキュメンタリーが上映されます。詳しくは→コチラ参照。

▸韓国ではなく中国映画の話題。2日の毎日新聞に「千と千尋の神隠し」等々の中国版のポスターの記事が載っていました。なるほど、これは美しいというか、芸術的! リンクが切れないうちに見てみて下さい。→コチラです。ついでに→コチラと→コチラも。

         ★★★ NAVERの人気順位(8月6日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
       ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(2) 痛いほど愛する(韓国)  9.65(148)
②(1) 星の庭園(韓国)  9.61(183)
③(5) 主戦場  9.48(454)
④(3) アラジン  9.43(24,584)
⑤(6) アベンジャーズ/エンドゲーム  9.38(68,355)
⑥(7) レッドシューズ(韓国)  9.32(2,531)
⑦(8) ポロロ劇場版 宝島大冒険(韓国)  9.28(2,411)
⑧(9) 教会のお兄さん(韓国)  9.27(1,495)
⑨(4) 遠回りの道(韓国)  9.27(48)
⑩(-) ボヒとノギャン(韓国)  9.11(158)

 今回新登場の作品はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(1) 寄生虫[パラサイト](韓国)  9.06(16)
②(2) 幸福なラザロ  8.40(5)
③(3) トイ・ストーリー4  8.09(11)
④(4) アベンジャーズ/エンドゲーム  7.62(13)
⑤(5) キム君(韓国)  7.57(7)
⑥(6) 主戦場  7.33(6)
⑦(-) EXIT(韓国)  7.23(13)
⑧(8) ミッドソマー[夏至祭]  7.20(10)
⑨(-) ザ・デッド・ドント・ダイ  7.00(4)
⑩(10) ポロロ劇場版 宝島大冒険(韓国)  7.00(3)
⑩(-) サポート・ザ・ガールズ  7.00(3)

 ⑦と⑨の2作品が新登場です。
 ⑦「EXIT」については後述します。
 ⑨「ザ・デッド・ドント・ダイ」(仮)は、アメリカのホラー。・・・というより、あのジム・ジャームッシュ監督によるゾンビ映画で、今年の第72回カンヌ国際映画祭でオープニング&コンペティション部門で徐栄された作品です。舞台はアメリカの田舎町センターヴィルそこに突如ゾンビが出現し、コーヒー、ワイン、Wi-Fi(?)等(つまり生前通っていた場所)を求めて町を歩き回り、人々を襲い始めます。この思わぬ事態に巻き込まれたのは3人だけの警察署で働くクリフ・ロバートソン(ビル・マーレイ)とロニー・ピーターソン保安官代理(アダム・ドライバー)、そしてミンディ・モリソン(クロエ・セヴィニー)でした。・・・って、ちょっとコメディの要素もあるような・・・。韓国題は「데드 돈 다이」。日本公開は2020年春とのことです。

      ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績8月2日(金)~8月4日(日) ★★★
           久々の韓国映画 「EXIT」が1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(18)・・EXIT(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・7/31・・・・・・・・2,040,848・・・・・・2,962,467・・・・・・・・24,740・・・・・・1,660
2(11)・・使者(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・7/31 ・・・・・・・・・594,151・・・・・・1,167,337・・・・・・・・・9,215・・・・・・1,231
3(新)・・ペット2・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/31 ・・・・・・・・・340,947 ・・・・・・・638,276・・・・・・・・・4,860 ・・・・・・・933
4(1)・・ライオン・キング・・・・・・・・・・・・・7/17 ・・・・・・・・・271,057・・・・・・4,500,843・・・・・・・・39,548 ・・・・・・・840
5(3)・・アラジン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5/23 ・・・・・・・・・230,335・・・・・12,231,401・・・・・・・104,231 ・・・・・・・702
6(5)・・レッドシューズ(韓国)・・・・・・・・・7/25 ・・・・・・・・・127,523・・・・・・・527,432・・・・・・・・・4,118 ・・・・・・・558
7(4)・・スパイダーマン・・・・・・・・・・・・・・7/02 ・・・・・・・・・・28,526・・・・・・7,996,762・・・・・・・・68,807 ・・・・・・・176
       ファー・フロム・ホーム
8(2)・・わが国の語音(韓国) ・・・・・・・・・・7/24・・・・・・・・・・・21,228 ・・・・・・・931,366・・・・・・・・・7,671 ・・・・・・・286
9(9)・・寄生虫[パラサイト](韓国) ・・・・・5/30 ・・・・・・・・・・・8,972・・・・・10,065,700・・・・・・・・85,722 ・・・・・・・・57
10(6)・・名探偵コナン・・・・・・・・・・・・・・・7/24 ・・・・・・・・・・・7,519 ・・・・・・・214,503・・・・・・・・・1,704 ・・・・・・・・80
       紺青の拳(こんじょうのフィスト)(日本)
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今回の新登場は1・2・3位の3作品です。
 1位「EXIT」は、韓国のアクション&コメディ。ヨンナム(チョ・ジョンソク)は大学の山岳部ではエースでしたが、卒業後は何年もの就職失敗で肩身の狭い暮らしをしています。ある日母親の古稀の宴でたまたま宴会場の従業員に就職していたサークルの後輩ウィジュ(ユナ)に出会います。ぎこちない再会もつかの間、宴もたけなわとなった頃、謎の煙がそのビルから立ちのぼり、逃げる間もなく街は有毒ガスで覆われて大混乱に陥ります。ヨンナムとウィジュは山岳部時代に蓄えた体力とスキルを総動員して脱出に向けて機転を発揮し始めますが・・・。原題は「엑시트」です。
 2位「使者」は、韓国のミステリー&アクション&ファンタジー。子供の頃に父を失った後、世間に対する不信だけが残った格闘技チャンピオンのヨンフ(パク・ソジュン)は、ある日原因がわからない深い傷が手のひらにできていることを発見します。ヨンフが助けてくれる人がある場所へと向かうと、そこでバチカンから来た悪魔祓いの司祭アン神父(アン・ソンギ)に会い、ヨンフは自分の傷ついた手に特別な力があることを悟ります。これにより世界を混乱に陥れる悪の存在を知り、強力な背後であり、悪を広める黒い司教チシン(ウ・ドファン)を探しに出たアン神父と行動を共にすることになるのですが・・・。原題は「사자」です。
 3位「ペット2」は、日本では5日早く7月26日に公開されています。韓国題は「마이펫의 이중생활(マイ・ペットの二重生活2)」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・・・上映館数
1(23)・・誰もがそれを知っている・・・・・・・8/01 ・・・・・・・・・6,209 ・・・・・・・・10,783 ・・・・・・・・・・83 ・・・・・・・・・・52
2(2)・・主戦場・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/25 ・・・・・・・・・4,571 ・・・・・・・・15,292 ・・・・・・・・・121 ・・・・・・・・・・41
3(3)・・ぼくを探しに ・・・・・・・・・・・・・2014/7/24 ・・・・・・・・・1,995 ・・・・・・・154,143・・・・・・・・1,210 ・・・・・・・・・・23
4(4)・・私は、マリア・カラス・・・・・・・・・・・・7/11 ・・・・・・・・・1,765 ・・・・・・・・19,503 ・・・・・・・・・143 ・・・・・・・・・・15
5(1)・・天路歴程・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6/13 ・・・・・・・・・1,663 ・・・・・・・288,134・・・・・・・・2,148 ・・・・・・・・・・13

 1位「誰もがそれを知っている」が新登場です。スペイン・フランス・イタリア合作のミステリー。日本では6月1日に公開されています。韓国題は「누구나 아는 비밀」です。

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