ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[11月9日(金)~11日(日)]

2012-11-13 23:31:07 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 私ヌルボが観る映画の平均観客数は15~20人くらいだと思います。ところが、今日行った銀座テアトルシネマは50人を越えていましたね。それも原題「The Conspirator(共謀者)」をわざわざ意味不明の「声をかくす人」などという邦題にした地味目な内容の映画なのに、この観客数の多さはなぜ? しかし、期待通りロバート・レッドフォード監督の気骨が感じられる良い映画でした。
 この銀座テアトルシネマですが、来年5月銀座テアトルビル売却に伴い営業終了とのこと、寂しいですね。こういう話題、近頃多いです。
 その近所、京橋のフィルムセンターで、今日は幸い「五人の斥候兵」を上映していたのでこれも観てきました。2回目かな? やはり田坂具隆監督作品には端正な美しさがあります。映像も登場人物も。(とくに彼の「路傍の石」はサイコー!)

 実は先週載せるべき話題でしたが、10月30日の大鐘賞授賞式で「光海、王になった男」が最優秀作品賞、最優秀男優賞、監督賞など史上最多の15部門で受賞しました。しかし、そんなにすごい作品なのかなあ? まあ、来年2月16日に日本でも公開されますから、観た上で判断しましょう。邦題は「光海」を削って「王になった男」です。大鐘賞の詳細は、例によって<海から始まる!?>を見ればかります。(→コチラ。)
 続いて11月7日には韓国映画評論家賞が発表されました。コチラは「ピエタ」が4冠。男優賞は「折れた矢」のアン・ソンギ、健在です。これも詳細は大鐘賞と同じく→コチラで。

          ★★★ Daumの人気順位(11月13日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①Mac Korea(韓国)  9.7(104)
②シュガーマン 奇跡に愛された男  9.5(72)
③MBの思い出(韓国)  9.4(519)
④悪い血(韓国)  9.3(43)
⑤おおかみこどもの雨と雪(日本)  9.1(247)
⑥ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!  9.1(23)
⑦バービー(韓国)  9.1(27)
⑧私が殺人犯だ(韓国)  8.9(793)
⑨オオカミ少年(韓国)  8.8(2193)
⑩ピエタ(韓国)  8.8(1579)

 今回は新登場はありません。⑧と⑨はこのランキングは初めてですが、前回観客動員数の方で紹介済みです。

【専門家による順位】

①おおかみこどもの雨と雪(日本)  8.1(6)
②007 スカイフォール  8.0(7)
③ミッドナイト・イン・パリ  7.8(7)
④少年は残酷な弓を射る  7.7(7)
⑤シュガーマン 奇跡に愛された男  7.7(4)
⑥二つの扉(韓国)  7.6(6)
⑦タッチ(韓国)  7.6(3)
⑧テイク・ディス・ワルツ  7.5(6)
⑨メゾン ある娼館の記憶  7.5(2)
⑨バービー(韓国)  7.5(2)

 新登場は⑦「タッチ」だけです。あだち充の漫画とは全然関係ありません。「生命の大切さや家族の愛をテーマ」に10月の釜山国際映画祭で上映された作品で、すでに日本を含むアジア6ヵ国・地域で上映されることが決まったそうです。
 この作品は主人公は、前国家代表の射撃選手だったがアルコール中毒ですべてを失って、中学校の射撃コーチをしている男(ユ・ジュンサン)。・・・というあらすじの最初だけ見ると「ホームランが聞こえた夏」を思い起こしましたが、その後が大違い。以後酒を絶っていた彼は、ある日コーチの座が危ういと聞いて理事長に会うために会食の席に出席しますが、再契約のために理事長がすすめる酒を飲んでしまいます。その帰り射撃部の女生徒を車でひいてしまい、あわてて逃げて帰宅したところ警察に捕まってしまいます。彼の示談金を用意するために孤軍奮闘する妻も、病院での介護の仕事でいろいろあって病院をやめさせられ、娘もいなくなったりして、(私ヌルボは半分以上自業自得と考えるのですが)どんどんハチャメチャな状況になっていく・・・。「ますます絶望の沼に沈んでいくが、家族に平凡な幸せという奇跡の瞬間は訪れるだろうか?」とオリジナルの映画紹介文は結ばれていますが、ヌルボとしては「訪れない」と思っちゃうんですけどねー。原題は「터치」。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[11月9日(金)~11日(日)] ★★★

         「オオカミ少年」が2週連続1位

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・オオカミ少年(韓国) ・・・・・・・・・・・10/31 ・・・・・・・・・・・・・1,333,826・・・・・・・・3,603,922・・・・・・・・25,389・・・・・・・854
2(6)・・私が殺人犯だ(韓国)・・・・・・・・・・11/08 ・・・・・・・・・・・・・・・568,568・・・・・・・・・・726,795 ・・・・・・・・5,544・・・・・・・547
3(2)・・007 スカイフォール ・・・・・・・・・・・10/26 ・・・・・・・・・・・・・・・222,365・・・・・・・・2,119,973・・・・・・・・15,735・・・・・・・350
4(3)・・光海、王になった男(韓国)・・・・・・9/13・・・・・・・・・・・・・・・・174,700・・・・・・・11,734,859 ・・・・・・・84,967・・・・・・・317
5(新)・・アップサイド・ダウン・・・・・・・・・・11/08・・・・・・・・・・・・・・・・・94,029・・・・・・・・・・126,343・・・・・・・・・・899 ・・・・・・・308
6(新)・・ナウ・イズ・グッド・・・・・・・・・・・・・11/08 ・・・・・・・・・・・・・・・・26,505・・・・・・・・・・・34,752 ・・・・・・・・・・247・・・・・・・144
7(新)・・ジャングル大帝 劇場版(日本)・・11/08・・・・・・・・・・・・・・・25,189・・・・・・・・・・・25,725 ・・・・・・・・・・164・・・・・・・159
8(4)・・容疑者X(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・10/18 ・・・・・・・・・・・・・・・・22,640 ・・・・・・・・1,534,541 ・・・・・・・11,128・・・・・・・192
9(5)・・アルゴ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/31・・・・・・・・・・・・・・・・・14,548・・・・・・・・・・128,422 ・・・・・・・・・・919・・・・・・・121
10(7)・・メリダとおそろしの森・・・・・・・・・・9/27・・・・・・・・・・・・・・・・・・9,711・・・・・・・・・1,222,736 ・・・・・・・・8,969・・・・・・・・58
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 今日のニュース(→コチラ)によると、「光海、王になった男」は「ブラザーフッド」(1174万人)も抜いて韓国映画歴代4位に。しかし、この映画も「泥棒たち」同様記録達成のため上映館を無理に確保したあおりを受けて、他の作品の上映枠が狭くなったとかの悪評も聞かれます。この先、さらに歴代3位の「王の男」(1230万人)を抜くまで引っ張るかどうか?
5・6・7位の3作品です。
 5位「アップサイド・ダウン」は、カナダ・フランス合作のSFラブストーリー。主人公の2人アダムとイブが住むのは、重力が異なって上下に隣接する2つの逆さまの世界のそれぞれ。で、SFながら設定はやっぱりロミオとジュリエットのようで、異なった世界に住む2人がひかれ合った時にはたして何が起こるのでしょうか? 予告編の視覚効果だけでもアタマがヘンになりそう。韓国題は「업사이드 다운」。日本公開は未定のようです。
 6位「ナウ・イズ・グッド」は、いわゆる難病物。イギリスで文学新人賞を受賞したYA小説ジェニー・ダウンハム「16歳。死ぬ前にしてみたいこと」(PHP)の映画化作品。少女のみずみずしい感性が胸をうつ、白血病の末期で、余命を宣告されてしまった女の子が「死ぬ前にしてみたいこと」とは・・・? 韓国題は「나우 이즈 굿」。日本公開は未定。
 7位「ジャングル大帝 劇場版」、1997年の作品がどういう経緯で今上映されるのでしょうね? 韓国題は「밀림의 왕자 레오2(密林の王者レオ2)。ハングル表記だと「王者」も「王子」も同じですが。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・タッチ(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・11/08 ・・・・・・・・・・・・・・3,522・・・・・・・・・・・・・・・5,624 ・・・・・・・・・40・・・・・・・・・・95
2(1)・・テイク・ディス・ワルツ・・・・・・・・・・・・9/27 ・・・・・・・・・・・・・・2,721 ・・・・・・・・・・・・・53,126 ・・・・・・・・423 ・・・・・・・・・13
3(新)・・リトル・ジェイコブ(韓国)・・・・・・・・11/08・・・・・・・・・・・・・・・2,016・・・・・・・・・・・・・・・2,016 ・・・・・・・・・・8・・・・・・・・・・・9
4(3)・・シュガーマン 奇跡に愛された男・・10/11・・・・・・・・・・・・・1,347・・・・・・・・・・・・・・17,015 ・・・・・・・・120・・・・・・・・・・13
5(2)・・おおかみこどもの雨と雪(日本)・・・・9/13 ・・・・・・・・・・・・・・・・651 ・・・・・・・・・・・・330,345 ・・・・・・2,284・・・・・・・・・・・4

 新登場は1位と3位の2作品。
 1位「タッチ」は上述しました。
 3位「リトル・ジェイコブ」は、韓国最初の3Dキリスト教アニメ。2011年第9回ソウルキリスト教映画祭上映作って、そういう映画祭があるんですね。神様の子どもとしての大切な「自分」を探すジェイコブの冒険物語。ジェイコブは韓国人なのか西洋人なのか、予告編を見ても、わかりません。→コチラのサイト(韓国語)によると、「創造論と進化論の問題について、「"私は神の子」というテーマを物語としてわかりやすく解き明かしたこの映画は、進化的な世界観が唯物論、快楽主義のような現代社会の弊害はもちろん、神から離れる理由を提供することを指摘している」とのことで、この映画の製作を後援した牧師は、自分の退職金と私宅まで投じたとあります。原題は「리틀 제이콥」です。(進化論を否定しているのかな?)

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