ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画の興行成績 [10月8日(金)~10月10日(日)]と人気順位 ▶セリーヌ・シアマ監督の新作「プチ・ママン」、韓国で公開←日本ではいつ? マット・デイモン主演「スティルウォーター」も・・・

2021-10-13 22:15:05 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
▶今回は前週以上に各ランキングの作品の出入りが少なく、韓国映画の初登場作品はナシ。外国映画で注目は、韓国で10月7日公開の「プチ・ママン」(仮)。セリーヌ・シアマ監督の新作なんですが、私ヌルボがシアマ監督作品で観たのは日本では昨年12月公開の「燃ゆる女の肖像」だけ。カンヌ国際映画祭で脚本賞とクィア・パルム賞を受賞、その他世界での受賞数は計44に及ぶとのことでさっそく観にいきましたが、感想はというと「多くの人が賛辞を寄せていますが、私ヌルボとしては「なるほど、ごもっとも」というものばかり。しかし(ラストシーンを除いて)感情を揺さぶられないのはなぜ?」などと、内心懸念していた通りになってしまいました。今→<キネノート>のレビューを拾い読みすると、「こういう映画を、昼間から女ひとりで観ることができる世の中になったことの幸せ。ほんの少しだけど世界が広がったことを感じられる幸せ。オトコにはわかんないだろうなぁ…」という一文が目に留まりました。はい、わかんなかったです、トホホ・・・。その後発表されたキネ旬ベスト・テンの外国映画部門で①パラサイト 半地下の家族 ②はちどり に次いで③位に入っていたのは全然異存はないですけどね。
 ・・・と、ここまで書いたところで思い出したのは、シアマ監督の「水の中のつぼみ」(2007)に続く第2作「トムボーイ」(2011)が近所の横浜シネマリンで上映中ということ。10年前の作品を6月以降少ない映画館で細々と公開しているのですね。(<tomboy>は<おてんば>、<男の子のようにふるまう女の子>の意。) 韓国では昨年1月公開で、映画評論家・記者から高く評価された作品です。で、記事を書きかけのまま観に行く見に行くことに・・・。→(この間約6時間)→
 さて、観終わった感想。両親&妹と共に引っ越した10歳の女の子、服装・髪型等見た目も男の子みたいで、近所の新しい遊び仲間の間でも男の子と見られ、自分でも男の名前を名乗り、妹をいじめる男子をやっつけたり、親しくなった女の子から熱い視線を送られたりしますが、やがて・・・、というストーリー。やはりこれもシアマ監督が女性の感性から思春期直前の女の子の心理を家族や社会との関わりとともに描いた作品で、私ヌルボとしては「アタマでは理解できるが、直接的な共感や感動にはつながらないかなー」という感じでした。しかし、この作品もシアマ監督のファンに限らず多くの人にオススメしたい作品だと思います。
 「プチ・ママン」についてのあらましは下の<記者・評論家による順位>の説明を参照してくたさい。しかし、日本での公開はどうなっているんでしょうね? やっぱり1年くらい待たされる?
※横浜シネマリンでは、ホン・サンス監督の初期作「カンウォンドのチカラ」「オー!スジョン」を上映中(~10/22(金)。全国で1館だけ! 東京等で見逃した方はどうぞ。

    ★★★ NAVERの人気順位(10月12日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】
  ※[記者・評論家による順位]とも、評点の後の( )は採点者数。初公開から1年以内の作品が対象。
        「初登場」とは、本ブログでの初登場の意。

①(1) 夢見るネコ(韓国)  9.85(40)
②(4) 学校に行く道(韓国)  9.58(157)
③(3) パクカン・アルム結婚する(韓国)  9.56(45)
④(5) シャーマン・ロード(韓国)  9.56(18)
⑤(6) BanG Dream! Episode of Roselia II:Song I am.(日本)  9.41(29)
⑥(7) コーダ  9.35(513)
⑦(-) 玆山魚譜 チャサンオボ(韓国)  9.34(2,885)
⑧(-) 再び出会った日々(韓国)  9.34(171)
⑨(8) 映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者(日本)  9.30(361)
⑩(9) 奇跡(韓国)  9.29(3,279)

 新登場の作品はありません。

     【記者・評論家による順位】

①(-) サマ  8.25(4)
②(1) グリーン・ナイト  8.20(5)
③(2) ノマドランド  8.00(8)
④(3) 水を抱く女  8.00(6)
⑤(4) バクラウ 地図から消された村  8.00(5)
⑥(5)あの日のように抱きしめて  7.80(5)
⑦(6) イントロダクション(韓国)  7.67(3)
⑧(新) プチ・ママン  7.63(8)
⑨(7) ガールフッド  7.60(5)
⑩(8) モガディシュ(韓国)  7.27(11)
 ⑧「プチ・ママン」(仮)が新登場です。フランスのドラマ&ファンタジー。「燃ゆる女の肖像」「トムボーイ」等々の作品で知られるセリーヌ・シアマ監督の新作です。祖母の遺品を整理するために、8歳の女の子ネリー(ジョゼフィーン・サンス)は父(ステファン・ヴァルペンヌ)、母(ニナ・ミュリス)と共に田舎の家に来ます。ネリーがもっと幼い頃来た時にママン[母]が家の近くの森に建てた小屋を憶えていました。その森でネリーはママンと同名で自分と同い年のマリオン(ガブリエル・サンス)と出会います。一気に親しくなった2人ですが、ネリーはこの偶然の出会いの中できらめくような秘密を知ることになります。「私の秘密で、あなたの秘密でもあるの・・・」。私ヌルボ、→韓国版の予告編を見たら女の子2人がよく似ていて見分けがつきません。そしてママンと同名ということは・・・。そこらへんにファンタジーのカギがありそう。予告編の最後の方に「ジブリを思わせる魅力的な物語」という惹句がありましたね。韓国題は「쁘띠 마망」です。

    ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績10月8日(金)~10月10日(日) ★★★
         「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」が2週連続1位

【全体】
順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・007/ノー・タイム・トゥ・ダイ・・9/29・・・212,816・・・・・・・・981,229・・・・・・9,583 ・・・・・1,764
2(2)・・ボイス(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・9/15 ・・・・・84,998・・・・・・1,270,416・・・・・12,546・・・・・・・863
3(3)・・奇跡(韓国) ・・・・・・・・・・・・・・・・・9/15・・・・・・42,636 ・・・・・・・610,008・・・・・・5,744・・・・・・・688
4(6)・・映画クレヨンしんちゃん ・・・・・9/15・・・・・・12,986 ・・・・・・・171,393 ・・・・・1,627・・・・・・・289
       激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者(日本)
5(5)・・竜とそばかすの姫(日本) ・・・・・9/29・・・・・・12,100・・・・・・・・・47,804 ・・・・・・・464・・・・・・・199
6(4)・・シャン・チー ・・・・・・・・・・・・・・・・9/01 ・・・・・11,531・・・・・・1,730,042 ・・・・17,616・・・・・・・317
      テン・リングスの伝説
7(7)・・劇場版ポケットモンスター ココ(日本)・・9/15・・12,395・・・196,502・・・・・・1,783・・・・・・・255
8(9)・・モガディシュ(韓国)・・・・・・・・・・7/28・・・・・・・7,023・・・・・・3,597,706 ・・・・34,425・・・・・・・222
9(再)・・ゼロ・グラビティ・・・・・2013/10/17・・・・・・・6,793・・・・・・3,292,520 ・・・・32,412・・・・・・・155
10(28)・・スティルウォーター・・・・・・10/06・・・・・・・6,732 ・・・・・・・・・13,427・・・・・・・・121・・・・・・・353
     ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は10位「スティルウォーター」だけです。2007年イタリアのペルージャで起きた英国人留学生殺害事件(アマンダ・ノックス事件)(→ウィキペディア)をモチーフにしたアメリカの犯罪&ドラマ。タイトルの<スティルウォーター>はオクラハマ州にある人口4万に満たない小都市。そこの石油会社に勤めるビル・ベイカー(マット・デイモン)は、マルセイユに1年間留学して疎遠になっていた娘アリソン(アビゲイル・ブレスリン)がレズビアンのガールフレンドを殺害した容疑で逮捕・起訴されたことを知ります。獄中のアリソンに面会するためにフランスを訪れたビルは、彼女が法的手段をほとんど使い果たし、打つ手がないことを知ります。彼はフランスに移住してアリソンの無実を晴らすために奮闘します。その間言語の壁や文化の違い、そして1994年に制定された複雑な法制度に立ち向かうことになりますが、プレッシャーが高まる中、彼は自分がどこまでやれるか決断を迫られます・・・。韓国題は「스틸워터」です。
 なお9位「ゼロ・グラビティ」はサンドラ・ブロックとジョージ・クルーニー共演のサスペンス大作で、日本でも2月遅れの同年12月に公開されて大ヒット。この手の作品はふつうは選にはいらない(?)「キネマ旬報」の外国映画ベスト・テンでも「愛、アムール」に次いで2位に入っていたのですね。ところが私ヌルボ観た記憶ナシ。アレ?と思って記録を見るとやっぱりナシ。そうか、観てなかったのか・・・。韓国題は原題と同じで単に「그래비티(グラビティ)」です。

【独立・芸術映画】
順位・・・・題名 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・週末観客動員数・・累計観客動員数・・累積収入・・上映館数
1(1)・・捜索者(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9/29・・・・・・・1,838・・・・・・・22,912・・・・・・・・・・173・・・・・・・88
2(4)・・コーダ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/31・・・・・・・1,335・・・・・・・58,399・・・・・・・・・・540・・・・・・・20
3(3)・・TADA : 大韓民国・・・・・・・・・・・・・・10/14・・・・・・・1,190・・・・・・・・3,100 ・・・・・・・・・・・29・・・・・・・・4
       スタートアップの肖像(韓国)
4(2)・・セッション・・・・・・・・・・・・・・・2015/3/12・・・・・・・・・473 ・・・1,645,493・・・・・・・13,158・・・・・・・19
5(15)・・映画の街(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・9/16・・・・・・・・・254・・・・・・・・1,989 ・・・・・・・・・・・14・・・・・・・・6

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