ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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「週刊読書人」で<韓国文学のオクリモノ>シリーズ(晶文社)を翻訳者3人の対談で紹介

2018-05-06 23:52:37 | 韓国の小説・詩・エッセイ
 5月2~4日神保町のチェッコリで昔の韓国映画を観てきました。「무녀도(巫女図)(1972年)、「카인의 후예(カインの後裔)(1968年)、「나그네는 길에서도 쉬지 않는다(旅人は道でも休まない)の3作品です。いずれも小説が原作で、「巫女図」をはじめいろんなネタが一杯の映画でしたが、それらについては後回し。

 3日とも好天だったので、映画と昼食の後、近くの書店を廻ってみました。
 古書店の話も後回しにして、新刊の書店で真っ先に行くことにしているのは東京堂書店です。品揃えに(韓国語でいうところの)「概念がある」からです。


 私ヌルボ、学生時代にこのすずらん通りのパチンコ店ポニーによく行ってたという話は→過去記事でも少し書きました。半世紀近くも経った今、個々の店も街の景観もずいぶん変わりましたが、いつ歩いても懐かしさといったものを感じます。
 しかしこの頃は週4日くらい横浜市立図書館に通う生活になって、神保町にもあまり行かなくなりました。いや、それどころか近隣(横浜)の書店に足を運ぶ回数もかなり減りました。
 ところが、久しぶりに東京堂書店に行き、平台を眺めてほとんど愕然としてしまいました。
 「蔵書数170万冊の図書館にもないものがここにはある!」
 今どんな本が読まれているか? 今人々はどんなことに関心があるのか? 今日本や世界でどんなことが起きているのか? ・・・等々。つまり<今>が見てとれるということです。
 そんなわけで、私ヌルボ、いろいろ現今の生活を反省しましたです、はい。

 さて(と、ここから本論)、その東京堂書店でたまたま目に入って買ったのが「週刊読書人」の最新号(5月4日発行)。


 1面だけでなく、最終面(8面)もまるまる昨年10月から刊行されている晶文社の<韓国文学のオクリモノ>全6冊に充てているではないですか! ※7面にも作家(ファン・ジョンウンさん)の来日イベントの記事があります。

 このシリーズの内訳は次の通り。
  ハン・ガン「ギリシャ語の時間」(斎藤真理子 訳)
  パク・ミンギュ「三美スーパースターズ 最後のファンクラブ」(斎藤真理子 訳)
  キム・エラン「走れ、オヤジ殿」(古川綾子 訳)
  ファン・ジョンウン「誰でもない」(斎藤真理子 訳)
  キム・グミ「あまりにも真昼の恋愛」(すんみ 訳)
  チョン・ミョングァン「鯨」(斎藤真理子 訳)

 詳しくは→晶文社のサイトを参照してください。

 で、この「週刊読書人」の記事は翻訳者3人の皆さんの対談だけで構成されています。その内容というのが各作家や作品のことや翻訳に関することだけでなく、日本と韓国の作家性の違いとか、最近の♯Me Tooのこととか、韓国文学から社会状況にまで話が及んでいて、とても興味深く読みました。
 とくに注目したのは、斎藤真理子さんとすんみさんによる朴婉緒(パク・ワンソ)、呉貞姫(オ・ジョンヒ)以降の韓国文学の概観。すんみさんが「九十年代、韓国でもポストモダンが流行って、社会変革の気運が高まりました。ですが、韓国ではまだ一度も大きな物語が崩れたことはないのではないかと思うんです。一方で、日本では完全に大きな物語が忘れ去られて、近年まではそういうことをあまり意識しなくてもいい時代があったと思います」と語っていらっしゃるのは、なんとなく韓国の90年代以降の文学史を日本の70年代以降の文学史とダブらせて見ていたヌルボとしては「なるほど、そうなのか~」といった感じ。今世紀に入ってからの韓国小説はたいして読んでもいない(短編を入れて30作品読んでなさそう?)立場なので、何を言ってもうわべだけの感想になってしまいますが・・・。
半日後の付記] 韓国現代文学の歴史については、<KAJA>のサイト中の、きむふなさんの講座に基づく記事が参考になります。→コチラ

 あ、関係ないけど最近斎藤真理子さんの例の南北首脳会談の日ツイート(→コチラ)は共感を覚えました。・・・って、当日の本ブログ記事の続き、下書きのまま止まっちゃってるな・・・。

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