ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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30年前<アジア映画劇場>で放映された「男と女の青空市場」をめぐって ①映画ではなくドラマ。その原題と原作小説をつきとめる

2018-10-15 18:23:34 | 韓国の小説・詩・エッセイ
私ヌルボが韓国映画にはまったのは、1990年劇場公開の「シバジ」と翌年公開の「ソウルの虹」あたりからです。カン・スヨン主演の前者は観た人も多かったと思いますが、個人的にはガラ~ンとした映画館で観た「ソウルの虹」の方に強い衝撃を受けました。
 そして何と言っても、同じ頃NHKで放映されていた佐藤忠男先生解説の<アジア映画劇場>で観た韓国映画の数々。2011年の過去記事(→コチラ)でその韓国映画の放映リストを載せましたが、それを見ると1993年放映の「チルスとマンス」がその最初の視聴作品だったと思います。そして翌年観た「神様こんにちは」は、今に至るまで個人的にベスト1の韓国映画です。
 ヌルボとほぼ同じ世代のサークル仲間の間でも、この<アジア映画劇場>がしばしば話題になります。
上記の過去記事で紹介した酔人H先輩の「韓国映画ベスト12」にも<アジア映画劇場>での放映作品がずらっと並んでいましたね。

 ここからじわっと本論です。
 上記の酔人H先輩のリストで12位に挙げられているのが「男と女の青空市場」ですが、これが長年の懸案の作品でした。というのは、本文記事で書いたように、ネット検索しても作品情報はほとんどナシ。本記事の見出しに「30年前・・・」と書きましたが、正確には「約30年前」です。87~93年頃の新聞の縮刷版のTV欄を4回ほど探しましたが放映した日は見つけられず。そして7年経った今に至っても→<allcinema>に下画像のような記事が1つがあるだけで、詳しい内容等を知る術がなかったからです。

 ところが半年ほど前、飲み会でまたこの作品のことが話題になりました。毎度のことながら、酔人H先輩といいお酒の好きなTヒョンといい記憶力は驚くばかり。2人とも<アジア映画劇場>を最初の頃から観ていて、「男と女の青空市場」についてもとても30年も前に観たとは思えないほど細かなことまで憶えているのです。そこで酔人H先輩の言うには、「元々のタイトルはナントカ紀行というんですよ」。
 おっ、これは初耳!
 先の記事で書いたようにキム・ヒラの過去の出演作103本(!)中にもそれらしいものがなかったので、これはおそらくTVドラマだろうと目星をつけ、韓国サイト内で1980年代のドラマを検索してみました。するとKBSで<TV文学館>というドラマシリーズが放映されていたことがわかりました。そしてついに見つけた!のが1980年始まって以来の<TV文学館>放映作品の全データ(→コチラ)。
 放映年月日、各ドラマの原作小説とその著者、演出家や主な俳優の名前が記されています。
 このページ内を<기행(紀行)>で検索すると2件ヒットしました。1つ目は1981年10月放映の김승옥原作「무진기행。これは韓国文学史に通じている人なら誰でも知ってる(だろうな?)金承鈺「霧津紀行」です。翻訳書も出ていて、「霧」というタイトルで映画化もされてます。(一昨年韓国文化院で観たゾ。)
 そして2つ目が「외촌장 기행です。(下画像)

 1987年2月7日放映で、이종남(イ・ジョンナム)김희라(キム・ヒラ)が出演しているということで、これは間違いナシ! ただ、脚本が이영국(イ・ヨングク)となっています。つまり<allcinema>にイ・ヨンスクとあるのは間違いのようですね。またこのリストに名前がある이성호(イ・ソンホ)は、私ヌルボも観た「酔画仙」「空を歩く少年」にも出演していたのですね。
 3人の俳優については<輝国山人のHP>に写真付きで紹介されているので、酔人H先輩とお酒の好きなTヒョンはこのブログ記事を見たら確認してみてください。
 →イ・ジョンナム(1963~)
 →キム・ヒラ(1947~)
 →イ・ソンホ(1949~)

 このドラマ。<TV文学館>というシリーズなので基本的に原作小説があります。リストを見ると黄順元、羅稲香、金裕貞、金東仁、金東里、鮮于煇、李文烈等々往年の著名作家の名前がズラ~リと並んでいます。そして「외촌장 기행(ウェッチョンジャン キヘン)」の原作者は김주영。韓国のネット書店<YES24>等で検索した結果、金周榮(キム・ジュヨン)作の「外村場紀行」という短編小説であることがわかりました。

 ・・・と、以上のことが判明したのが5月頃だったかな? せっかくだから(?)これでオシマイにしないで、原作は短編小説で「教科書に載っている作品」のようだし、読んでからブログ記事を書こうと思いつつ、他の数冊の本と一緒に教保文庫に注文したのがやっと1ヵ月前。しかし届いたのが諸般の事情で先週初め。で、やっと読み終えて記事作成とあいなったわけです。読んでみてわかったこともいろいろあります。一番のアレレ!?は、Tヒョンから聞いていた話とは主人公が違う!ということ。まあ、そういったことは続きいったことに回すことにして、とりあえず一区切り。


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