ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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★2019年 ヌルボの個人的映画ベスト10

2020-01-03 09:27:40 | 韓国映画(&その他の映画)
 1月7日の「アリー/ スター誕生」から12月29日の「アイリッシュマン」まで、合計すると1年間では2回観た分を引いて計123作品。これまでの最多記録104作品(たぶん)を大きく更新しました。
 しかし、ふつうの映画ファンなら観たような作品(「アナと雪の女王2」等々、主にエンタメ系)はたくさんあるし、ぜひ観なくてはと思っていても見逃がしてしまった作品もかなりあります。

 まあそれはそれとして、まずはベスト10の発表。

[2019年]
①金子文子と朴烈
②象は静かに座っている
③半世界
④バジュランギおじさんと、小さな迷子
⑤幸福なラザロ
⑥ i-新聞記者ドキュメント-
⑦存在のない子供たち
⑧ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん
⑨東京干潟
⑩リトル・フォレスト 春夏秋冬
 [次点] RBG 最強の85才・ブラック・クランズマン・ナディアの誓い - On Her Shoulders・劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~・EXIT イグジット・流転の地球
 [別格] サタンタンゴ
 [別枠] 沖縄スパイ戦史

赤色は韓国映画または韓国・北朝鮮に関係する映画です。

 いやあ、今回は1位からおおいに迷いました。ベスト10の候補は20作品以上ありました。どれも僅差というか、差をつけるのがムリというか・・・。連続している3作品はほとんど同順位と思って下さい。
 以下、各作品についてのコメント。
 1位「金子文子と朴烈」は、一昨年3月大阪アジアン映画祭で観て強く印象付けられました。原題は単に「「박열(朴烈)」ですが、どうみても邦題の方が内容に合っています。金子文子を演じたチェ・ヒソが数多くの主演女優賞や新人女優賞を受賞したことが十分うなずけます。物語は1923年9月1日の関東大震災の2日後に逮捕された無政府主義者朴烈が天皇・皇太子の暗殺を計画したという朴烈事件(→ウィキペディア)を素材にした歴史ドラマで、近年の韓国に多いトンデモ歴史ドラマに比べるとはるかに史実に基づいています。2018年のベスト10で1位にした「菊とギロチン」と同じく大正末期のテロリスト関連の映画ですが、<ギロチン社>も<朴烈事件>も映画を観るまで知らなかった人が多いのではないでしょうか? それにしても、その時代にこんなに真正面から天皇制の虚構性を主張した人物がいたのですね。映画を観てない人にも金子文子の自伝「何が私をこうさせたか」(岩波文庫)は強く薦めしたいです。一昨年私ヌルボがわざわざ大阪まで観に行ったのは、もしかして日本での一般公開はないかなと思ったからです。例えば立松予審判に対する朴烈のセリフに次のようなものもあるし・・・。「あなたのところのおぼっちゃん、迪宮(みちのみや)・・・ミッチンノミヤ!)」。迪宮とは当時の皇太子(後の昭和天皇)の幼少時の称号ですが、それを少しもじった朝鮮語の<ミッチンノミヤ(미친 놈이야)>は<狂った奴め>という意味の今もふつうに使われる罵倒語です。しかし、渋谷イメージフォーラムでの公開初日に<反日映画>非難の人たちが若干やって来た程度で終わったのでほっとしました。(もちろん、心配するような現実自体に大きな問題あり、ですが。なお、この作品について敬愛する四方田犬彦先生が「週刊金曜日」誌上で<韓国映画のナショナリズム自己陶酔は、これでいいのか?>というタイトルで批判しているのは首を傾げてしまいました。
 2位「象は静かに座っている」については、1つ前の記事で書いたことをほぼそのまま載せます。4時間近い長尺ですが苦にならなかったです。フー・ボー監督はタル・ベーラ監督の弟子とのことで、たしかにカメラワークは似ています。が、<感触>はずいぶん違います。過去のハンガリーの村と現代の中国の地方都市(石家荘、orその外れの町)の違いだけではなく、リアリティの問題? 物語全体の構図と流れを把握するのに時間を要しましたが、終わって振り返ればなるほど、またパンフを読んでなるほど、でアタマの中でじわじわとわかってきた感じ。個々の人物状況の描写がはからずも(??)大状況を掴んでいる点でエドワード・ヤン監督の名作「牯嶺街少年殺人事件」と相通じるところがあります。それにしても、最初から最後まで明るい笑い声や笑い顔が皆無とは、何という映画か!? その果てに監督までこの1作の長編を遺して自殺してしまうとは・・・。
 3位「半世界」は、期待ほどではなかった日本映画が少なからずあった(アニメを除く)中で、すなおに観てよかったと思ったほとんど例外的な作品。じわっと心に沁みます。男優陣もさることながら、池脇千鶴がいい。助演女優賞に推薦!
 4位「バジュランギおじさんと、小さな迷子」は、19年で一番の感動作! 誰彼問わずオススメしたい! 隣国同士の仲の悪さといえば、インドとパキスタンの間もその代表例。宗教も違うし、領土紛争(カシミール紛争)では過去何度も武力衝突もしてきました。したがって相手国に対してアタマに血が上る人たちは双方とも多いようですが、それぞれに争いを好まぬ人、心優しい人もたくさんいるのですね。主人公その1はパキスタンの6歳の(口の利けない)女の子(すごくカワイイ!←この映画の魅力の3割)。ところがこの子がお母さんとインドの寺院にお詣りに行った時迷子になっちゃうのです。なぜかその女の子に頼られてしまったインド人のオジサンが主人公その2。すごい苦労して国境を越え、女の子を親元に届けるという話です。印パの間には食生活のタブー等々もあって、その点も日韓間のミゾどころじゃないですね。それでも、主人公が寛容なイスラム導師の保護を受けたりして、ラスト近くではオジサンも相手方の言葉で「サラーム」と挨拶するのです。両国のそんな政治的宗教的対立を乗り越えて、人間として通じ合うものがある・・・というのが魅力の5割以上。そしてお約束の歌と踊り。基本はエンタメですが、いろんな要素がてんこ盛り。・・・ところが私ヌルボがこの映画を観た日(2月22日)の半日後、なんと<インド政府、パキスタンで武装勢力を空爆と発表 300人死亡>というニュースを読むことになるとは・・・。
 5位「幸福なラザロ」は、イタリアの人里離れた小さな集落で閉鎖的な暮らしを営む住民に昔からの領主が外の世界の変貌を知らせず、やっと20世紀後半になってそんな前近代的な集落の存在が外の世界にも知られることになって・・・というウソのような事実に基づく作品で、その構図からして寓話的。規模を大きくしたら北朝鮮とダブるところがいろいろあるような・・・。
 6位「i-新聞記者ドキュメント-」は、望月衣塑子記者のタフさに舌を巻きました。体力的にも精神的にも。ずいぶん大勢いると思われる感情的な批判者の人たちも、せめて彼女の半分でも必死に頑張って批判してほしいものです。そしてもちろん大勢の新聞記者の皆さんも頑張れ!とエールをおくりたいです。菅義偉官房長官は神奈川県第2区選出つまり私ヌルボの居住地で関係のポスターはいやというほど目にするので、「わたしはブレない」というキャッチコピーは否応なく憶えてしまいました。あの答弁を見ると、およそどんな質問にたいしても決してブレていないことがよくわかります。
 7位「存在のない子供たち」は、中東の貧民窟に生まれた少年を主人公に、<不法労働>や児童労働、子供の教育等々、難民たちの置かれた悲惨な状況を掘り下げた社会派ドラマ。難民関係の映画はこれまで何本か観ましたが、これは出色! 自身がシリア難民という主演の少年ゼイン・アル=ラフィーア君の演技とは思えないような<ツラガマエ>がすごくいい。両親を「自分を産んだ罪で告訴したい」という訴えは、日本にも似たような状況がありますね。
 8位「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」は、この1年けっこう観た外国アニメ(アメリカを除く)の中で一番の感動作。氷山の浮かぶ海の夕焼けの景色等々、画面(が美しい! 物語は、サンクトペテルブルグの貴族の令嬢サーシャ(14歳)が、1年前に北極航路の探検に出たまま未だ行方がわからない祖父を探しに北極圏へと旅に出るというもの。物語も、輪郭を描かない絵柄もシンプルなのですが、「太陽の王子 ホルスの大冒険」のような黎明期の日本アニメを彷彿とさせる魅力が感じられました。
 9位「東京干潟」は、とくに予備知識もなく、なんとなくタイトルに惹かれて観に行ったドキュメンタリー。撮影場所はほとんど多摩川下流の大師橋の下あたり。そこの干潟(というより泥地)でシジミを獲って生活している85歳のおじいさんに村上浩康監督が4年間密着して撮影。近年増えているというシジミの乱獲のこととか、土手の下のビニールハウスで一緒に暮らす15匹のネコのこととか、台風による増水等の自然のこととか、干潟で知られる有明海の近くで育って復帰以前の沖縄に行って等々のおじいさんの人生のこととか、興味深い話がいっぱい。泥にはまって動けなくなった人が救急隊に運ばれていく場面もあったり・・・。観に行って大正解!
 10位「リトル・フォレスト 春夏秋冬」は、ベスト10のラストに片手にあまるほど候補がある中、一応当ブログの立ち位置も考慮して(笑)韓国映画から選ぶことに・・・。37作品観た韓国映画中、新作は約半分。その中で、「飛べ、ペンギン」「牛と一緒に7泊8日」等と同様穏やかな優しさが漂っていてヌルボと波長が合うイム・スルレ監督作品を選びました。五十嵐大介の原作漫画も読んでないし、橋本愛主演の映画も観てませんが、主演のキム・テリもいいフンイキで、とても後味の良い作品でした。。
 [次点] 「RBG 最強の85才」は、アメリカ最高裁の80代の女性判事ルース・ベイダー・ギンズバーグの若い頃、つまり70年代頃からアメリカ社会の女性の権利に対する認識(&法律や政治等)が大きく変わっていくわけですが、その大きな流れを彼女が直接関わったいくつもの裁判の事例を通してたどっていくというドキュメンタリー。そんな大きな流れが他の多くの人権闘争と同様<自然に>、<歴史の流れ>で現実化するのでなく、多くの人の闘いの末に実現したものであるということを教えてくれます。また彼女が、この世代としては稀有な男性ともいうべき生涯の伴侶と10代に出会って等々といった家庭生活や、最近の若い世代との交流等も紹介されています。驚いたのは、アメリカでは70年代でも裁判官も含めて男性たちの認識がこんなにも低レベルだったのかということ。法律まで差別が一杯だったとは! (関係ないけど、バックでジャニス・ジョップリンの「サマータイム」が流されていました。懐かしい!) そういえば、日本でもその頃<フェミニスト>といえば部屋のドアを開けて女性に「どうぞお先に」と言うような男性のことを指していたなー。また「女は家事と育児に専念すべし」という男はざらにいたし・・・。(当時の<ウーマン・リブ運動>、見直しました。その中心人物の1人田中美津さんは「この星は、私の星じゃない」と上映後のトークで現況を知りました) 「ブラック・クランズマン」は、人種差別をテーマとしている点で「グリーンブック」と共通していますが、コチラの方がずっとアグレッシブ。個人的にはコチラが好み。「グリーンブック」の高評価もわかるけど、主人公も作品自体も行儀がちょっとよすぎるような・・・。(たぶん感動する観客も?) 「ナディアの誓い - On Her Shoulders」は、イラク北部の小さな村でISIL(イスラム国)に捕らえられながらも脱出に成功し人権活動家として活動を続け、2018年ノーベル平和賞を受賞したナディア・ムラドに密着取材したドキュメンタリー。2週間の間をおいて「バハールの涙」と両方観たのがよかった。(直接関係ない(?)けど、例の<慰安婦>を<性奴隷>と呼ぶ人たちはISILに捕らえられて悲惨な目に遭った彼女たちを何と呼ぶのでしょうか?)  「劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~」は、登場人物も作品自体もとてもナイーブ(←否定的に言ってるのではありません)。外国の人たちにどれだけ、どんなふうに通じるのかな? 「EXIT イグジット」は、観客動員数941万人の大ヒットがうなずける娯楽作。よく考えればツッコミどころも多々ありますが、笑える場面、韓国社会を反映している場面、韓国らしい家族愛あふれる場面の配合もよく楽しめました。「流転の地球」はマイナーながらも注目に値する中国SF。話題の小説「三体」の作者・劉慈欣の短編が原作とあって、発想がユニーク。太陽が膨張して地球自体が大ピンチ!ということになるのですが、「全人類(orその一部)は地球を脱出して云々」というんじゃなく、なんと、地球を丸ごと太陽系から離脱させようというもの。ところが・・・、ということで物語は核心に突入します。制作技術面でも中国初の超大作ブロックバスター作品ということで、視覚効果等々はすごいすごい! ただ、人物の描き方に深みが欠けるのがなんとも残念。それは監督等制作スタッフの問題なのか、(今の)中国人・中国社会に基因するものかはわかりません。
[別格] 「サタンタンゴ」は、上映時間が438分というだけでなく、登場人物の会話が少なくてただ黙ってるだけのシーンがやたらと多いし、それも無表情。延々と続くまっすぐな道を数人がこれまた無言で延々と歩く。やたら雨が降っていて風景も陰鬱。7時間以上耐えた自分を褒めたい、という点で別格。いや、それでも後の方になるとむしろおもしろくなってきたのはなぜ?(笑)
[別枠] 「沖縄スパイ戦史」は、18年に一般劇場公開された作品なので、自己基準によりベスト10から外しました。しかし今年観たドキュメンタリーの中では文句なくベストです。三上・大矢両監督の<本気>が伝わってきます。キネ旬のベスト・テン<文化部門>第1位等々多くの賞を受賞したことが十分以上にナットクできます。

 日本の俳優で目立ったのは、女優では上掲の池脇千鶴。そして「さよならくちびる」の門脇麦、だけじゃなくて小松菜奈も。映画関係の記事を見ると、「よこがお」の筒井真理子の名前も上がっていますが、あいにく観てないもので・・・。「岬の兄妹」の和田光沙も熱演していましたが、私ヌルボとしては作品自体になにか肝心なものが欠けているような感じなのでその分印象としてはイマイチ感が残ります。
 男優は、ソモソモ顔や名前が憶えられなくて・・・(恥)。かろうじて記憶にあるのは、「タロウのバカ」の新人YOSHI。菅田将暉よりも彼の演技(なんだろな?)に目をみはりました。「岬の兄妹」の松浦祐也も、「宮本から君へ」の池松壮亮も頑張っているのは認めるけど、ちょっと頑張りすぎの感がなきにしもあらずだし、それ以前に作品がどうも・・・。
※気になりつつも結局観てない日本映画は「ひとよ」「蜜蜂と遠雷」等。「天気の子」「プロメア」も観てませんが近いうち観るつもり。
※話題作・注目作で観てない代表は「主戦場」「新聞記者」です。
※マイナーながらも、観てよかったドキュメンタリーには「シード ~生命の糧~」「タリナイ」「妓生:花の告白」等があります。

 ・・・というわけで、今回のキーワードは<混沌>ということにあいなりました。たくさん見過ぎて<混沌>の中で自分の位置がちょっと定まらず、かな? 今年はもっと減らさなくては・・・。

[参考]過去10年のベスト10
[2018年]①菊とギロチン②顔たち、ところどころ③判決、ふたつの希望④犬ヶ島⑤止められるか、俺たちを⑥坂道のアポロン⑦ラ・チャナ⑧カメラを止めるな!⑨生きてるだけで、愛。⑩ニッポン国VS泉南石綿村
 [次点] 謎の天才画家 ヒエロニムス・ボス・万引き家族・孤狼の血
 [別格(旧作の新版)] ファニーとアレクサンデル

[2017年]①わたしは、ダニエル・ブレイク②あゝ、荒野③ベイビー・ドライバー④米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー⑤抗い 林えいだい⑥ブレードランナー 2049⑦みかんの丘⑧トンネル 闇に鎖された男新感染 ファイナル・エクスプレス⑩KUBO/クボ 二本の弦の秘密
 [次点] 哭声/コクソン・人生タクシー
 [別格(旧作の新版)] アンダーグラウンド完全版・牯嶺街少年殺人事件(デジタル・リマスター版)

[2016年]①キャロル②トランボ ハリウッドに最も嫌われた男③この世界の片隅に④ブリッジ・オブ・スパイ⑤ソング・オブ・ザ・シー 海のうた⑥ズートピア⑦インサイダーズ/内部者たちそばの花、運のいい日、そして青春⑨私の少女時代-Our Times-⑩牡蠣工場
 [次点] シアター・プノンペン・ハドソン川の奇跡・危路工団
 [別格(初見の旧作)] チリの闘い・アルジェの戦い(デジタル・リマスター版)

[2015年]①ボーダレス ぼくの船の国境線②顔のないヒトラーたち③セバスチャン・サルガド/地球へのラブレター④雪の轍⑤マッドマックス/怒りのデスロード⑥神々のたそがれ⑦幕が上がる⑧海街diary⑨ストレイト・アウタ・コンプトン⑩KANO~1931海の向こうの甲子園~
 [次点] バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)・人生スイッチ・恋人たち・傷だらけのふたり許三観
 [別格(初見の旧作)] ショア・裸の島

[2014年]①イーダ②グランド・ブダペスト・ホテル③ジャージー・ボーイズ④罪の手ざわり⑤ソウォン/願い新しき世界ソニはご機嫌ななめ怪しい彼女テロ,ライブ⑩ある精肉店のはなし
 [次点] 60万回のトライ私の少女(扉の少女・ドヒや)・祖谷物語 おくのひと

[2013年]①セデック・バレ②少女は自転車にのって③きっと、うまくいく④もうひとりの息子⑤嘆きのピエタ⑥あの頃、君を追いかけた⑦シュガーマン 奇跡に愛された男⑧ハンナ・アーレント⑨王になった男建築学概論
 [次点] 殺人の告白・凶悪
 [別格] 阿賀に生きる
 [多くの人に観てほしい作品] ファルージャ イラク戦争 日本人人質事件…そして

[2012年]①ニーチェの馬②ヒューゴの不思議な発明③プンサンケ(豊山犬)ワンドゥギ拝啓、愛しています⑥ロボット 完全版⑦桐島、部活やめるってよ⑧三池 終わらない炭鉱(やま)の物語⑨かぞくのくに⑩ピアノマニア 別格:春夏秋冬そして春

[2011年]①サラの鍵②テザ 慟哭の大地③愛する人④彼とわたしの漂流日記⑤アリス・クリードの失踪⑥阪急電車 片道15分の奇跡⑦牛と一緒に7泊8日⑧未来を生きる君たちへ⑨ゴーストライター⑩エンディングノート

[2010年]息もできない過速スキャンダル冬の小鳥④ゲキシネ蛮幽鬼(日)⑤実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(日)⑥告白(日)⑦瞳の奥の秘密⑧飛べ!ペンギン⑨川の底からこんにちは(日)⑩ONE SHOT ONE KILL

[2009年]①グラン・トリノ②ディア・ピョンヤン(日)③妻が結婚した母なる証明チェイサー⑥チェンジリング⑦劔岳 点の記(日)⑧チョコレート・ファイター⑨戦場のワルツ⑩牛の鈴音

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2 コメント

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新年の挨拶 (yab)
2020-01-04 21:38:23
あけましておめでとうございます。
去年はいろいろありがとうございました。
「ペパーミント・キャンディー」「1987」等の韓国映画を観た際にヌルボさんの映画の解説記事は大変参考になりました。
他にもコメントに対して、きちっと考えさせられるレスポンスをしてくれたのに、色々考えあぐねていたらすっかり時間が経ってしまいました。


話は変わりまして、興味深い本が最近発刊されました。
「続・全共闘白書」という本で(http://www.zenkyoutou.com/)
全共闘世代の方々(中にはよど号、赤軍の当時のメンバーも)が当時の運動を振り返りとともに、
平成天皇、トランプ大統領、民主党政権の評価等々、今を問うアンケートを集めた本で、94年の続編ということで彼らの遺言(!)という形で発刊されたそうです。もしかしたら既にヌルボさんもアンケートに答えていますでしょうか?

この本を読んで、彼らの当時の運動、その想いや思想の多様さが伝わってきます。
あの時代に憧憬と畏怖の念を抱く若輩者の自分としては、あの運動や団塊の世代にいろいろあれこれ言う前に、まずはきちんと受け止めてあげるべきだと思った次第です。

でも、当事者の周辺にいた人たちの声をもっと拾うべきとおっしゃるヌルボさんの望みにかなう本ではないかも…?
とはいえ、僕の紹介した「ランナウェイ/逃亡者」でヌルボさんの血を煮えたぎらせてしまった?ようなので、是非この本もご一読してみてはいかがでしょうか。
返信する
全共闘のこと等 (ヌルボ)
2020-01-07 16:59:02
 「続・全共闘白書」のことは知りませんでした。リンクが開かないのでアレッ?と思ったら後の方のカッコまで範囲指定されてましたね。つまりコチラでOK。→
http://www.zenkyoutou.com/
 さっそくアンケートの質問項目を見てみましたが、文言自体に疑問を感じた質問文がいくつかありました。
・「あの時代に戻れたらもう一度参加するか?」「もう一度政治に関わりたいか?」といった質問は、もしかして「政治に関わる」ことをデモや集会のような街頭闘争として捉えているのでしょうか?
今の香港で繰り広げられているような闘争、あるいはソウルで週末ふつうに行われている大規模な街頭集会等々。しかし、政治にはさまざまな関わり方があります。多くの情報に接してよく考えて投票することは基本だし、なによりも「いろんなこと」を考えた上で自分の仕事をすること。それも無意識のうちに(時には意識して)政治に関わってきます。むしろ、そうした生き方・考え方をしなければ、ということを学生をはじめ多くの人々(?)に自覚させる契機となった点に全共闘の意義(のひとつ)があったと思っています。そういいう意味で私は「もう一度政治に関わる」どころか、ずっと政治に関わり続けています。
・「革命を信じていたか?」という質問は、当時の全共闘系学生たちは「本気」の度合いは別にして「革命を目指していた」と見ているのでしょうか? 韓国の民主化闘争の場合は軍事政権打倒といった具体的な目標がありましたが、全共闘運動の大きな特徴は、闘争目的がたとえばセクトによって、あるいは大学によって、さらには個々人で実に多種多様だったという後の世代から見ればたぶん理解しがたい点にあります。もしタイムスリップして68・69年の高揚期に行って「闘争、勝利!」と叫んでいる当時のデモ学生たちに「勝利とは何がどうなることなの?」と訊いても答えはマチマチでしょう。「外」に向かって叫ぶことがまた「内」(=自分)にも返ってくる、そんなヤヤコシイ闘争だったと、私は思っています。
 たしか前にも書きましたが、60年代末の学生運動史の中で連合赤軍等ごく一部の過激武闘派を過大視して欲しくないです。
 関連記事もいくつか見てみました。コチラとか。→
https://dot.asahi.com/dot/2019061800015.html?page=3
 天皇制について、「革命や社会変革を志した若者時代、天皇制に反感を持っていた人が多かったことは想像に難くない。ところが、平成時代の天皇(現在の上皇)については66%が「評価する」と回答した。」とあります。
 ・・・が、制度としての個々の天皇の人間性や思想性は、天皇制という政治的・法的・社会的制度とは直接関係ありません。けっこう基本的なことだと思いますが・・・。
私個人としては、今まで公的に(たとえば本ブログでも)明らかにしたことはありませんが、小さな声で言うと(笑)、皇室民営化論者(!)です。天皇に職業選択の自由等々数多くの自由や権利が実質的に認められていないのは問題です。憲法(や他の法律)には天皇や皇室に関することを削除すべきです・・・といっても、言うまでもなく天皇及び天皇制はこれまでの長い歴史を背負っているので、こんな非現実的な主張をしても空しいだけなので、しません。ただ、日本国民の一人ひとりが自立的な市民であろうとするならば、天皇のような特別な存在を置くことは矛盾しています。現段階はそこまで行ってない、ということ。「天皇陛下バンザーイ」を叫ぶよりも、国民の一人として「スケープゴートにしちゃってすみませんねー」という感じ。(あー、ムカシなら監獄行きの内容だな。)
 最後になりましたが今年もヨロシク。
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