ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [12月12日(金)~12月14日(日)]

2014-12-17 17:34:32 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 12月15日夜、大田(テジョン)の東横インの一室でTVを点けっぱなしにしていたら、アレッという映像が映し出されていました。KBS1の午後9時のニュースの中です。
  

 これは今ヒット中の映画「あなた、あの川を渡らないで」の一場面でないの! 本ブログでも2週間前の記事(→コチラ)でポスターの画像付きで紹介しました。98歳のおじいさんと89歳のおばあさんという「超」高齢夫婦の夫婦愛を描いたドキュメンタリーです。先週は興行成績ランキング5位に上昇して、それでも十分に画期的だったのが、その後さらに弾みがついて今回の週末ランキングは堂々1位、そしてこれまでの観客動員数100万人にまで達したということで、9時のニュースでも取り上げられたというわけです。昨日(16日)KBSのサイトでそのニュースを見なおしてみました。

 黄色い字が「百万突破」です。また、上の円グラフでもわかるように20代が半数近くと、とくに若い人たちの感動をよんでいるようです。来年中には日本でも公開されるかな? 今後も注目!です。

 ところで、11日夜に韓国に着いてから「雲のむこう、約束の場所」「ほしのこえ」「秒速5センチメートル」と新海誠監督のアニメを連続して観た上、以前から行ってみたかったミニシアター상상마당(サンサンマダン.想像マダン)に行ったのはいいとして、そこでたまたまやっていたので観た映画が「갈증」つまり中島哲也監督の「渇き。」で、自分でも笑っちゃいます。

 あまりあてのない今回の旅の中で大きな目当ては実は→コチラで、12日に行ってきました。あまりにも収穫が多すぎて別記事、それも何回分かにはなにそうなので今回はこのリンクだけにとどめておきます。

 「朝鮮日報」12月12日掲載の「封切映画 ぴったり10字評」です。(ハングル文も訳文も10字です。)
 「あと1センチの愛」
   愛してるなら迷いなく・・・。 ★★★☆

 「博士と彼女のセオリー」

   愛の完成について問う ★★★☆

 「ムード・インディゴ うたかたの日々」

   監督特許・手作りアート ★★★

 「吹雪の中の白い鳥」

   冷たく私を罰した印象 ★★★☆

 「西遊記:孫悟空の誕生」

   続編が出たかと思った ★

※仏米合作のドラマ「吹雪の中の白い鳥」については→コチラのブログ記事参照。
 「西遊記:孫悟空の誕生」は韓国題は「モンキーキング:孫悟空の誕生」ですがアメリカ映画「モンキーキング 孫悟空」(2001)とは関係ない中国映画で、2014年正月映画として大ヒット。詳しくは→コチラ
 他の3作品は以下の記事中に説明あり。

           ★★★ Daumの人気順位(12月16日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①クォ・ヴァディス(韓国)  9.8(31)
②いのち(韓国)  9.4(95)
③あなた、その川を渡らないで(韓国)  9.3(589)
④ボックストロール  9.3(24)
⑤60万回のトライ(日本・韓国)  9.3(95)
⑥ちびっこ潜水艦オリー 2  9.1(23)
⑦ピアノ・レッスン  9.0(86)
⑧ハウルの動く城(日本)  9.0(870)
⑨ポンヌフの恋人たち  9.0(50)
⑩アクト・オブ・キリング  8.9(32)

 今回の新登場は①「クォ・ヴァディス」だけです。このランキングに登場する宗教関係のドキュメンタリーというと、また一部信者のための作品かと思ってしまうところですが、これは「トゥルーマッ・ショ-」(2011)や「MBの思い出」(2012)を作ったキム・ジェファン監督ということで全然違うみたいですよ。「トゥルーマッ・ショ-」(→過去記事)はTV放送局がグルメ番組で推薦している店の真実を暴いた映画、「MBの思い出」(→過去記事)は李明博政権の「5年前の約束を確認する精算コメディ」と銘打った風刺ドキュメンタリー。
 つまり、対象とされた側にとってはアタマにくる「お騒がせドキュメンタリー」といったものでしょうか? そして今回ターゲットとされたのは韓国の宗教社会を象徴するといっていい大規模プロテスタント教会。紹介文に「教会はますます大きくなり、イエスはますます小さくなった」とあります。教会の所有者である牧師の後は彼の息子が後をつぎ、みんな貪欲に溺れる中、教会はただ沈黙するのみ、と批判しています。→コチラの「毎日宗教新聞」の記事(日本語)によると、「映画に登場した大型教会が法的対応を検討」したり、「封切り前にも教会の反発を憂慮した映画館側の非協力によって試写会場を変える」といったことになっているようです。14日の「ハンギョレ」にもそんな記事がありました。(→コチラ。) 「毎日宗教新聞」の記事にもいろんな不祥事や問題点等がいくつもあげられています。いやー、やっぱり「お騒がせドキュメンタリー」でした。しかしこの評点の高いこと! ネチズンのレビューは満点のオン・パレード。それだけ共感を覚える人が多いということか? 原題は「쿼바디스」です。

     【専門家による順位】

①6才のボクが、大人になるまで。  9.5(8)
②鉄の夢(韓国)  8.0(5)
③アクト・オブ・キリング  7.8(6)
④ゴーン・ガール  7.7(8)
⑤自由が丘で(韓国)  7.7(4)
⑥インターステラー  7.6(9)
⑦巨人(韓国)  7.1(7)
⑧渇き(日本)  7.0(5)
⑨いのち(韓国)  7.0(4)
⑩帰来(カミング・ホーム)  7.0(3)
⑩ボックス・トロール  7.0(3)

 順位・評点とも前回と変わりありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[12月12日(金)~12月14日(日)] ★★★

         「あなた、あの川を渡らないで」がついに1位の座まで上りつめた!

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(5)・・あなた、その川を渡らないで(韓国)・・11/27 ・・・・・637,306・・・・・・・1,057,422・・・・・・・・・8,378・・・・・・・・867
2(2)・・インターステラー・・・・・・・・・・・・11/06・・・・・・・・・・・396,176・・・・・・・9,700,575・・・・・・・・77,499・・・・・・・・630
3(1)・・エクソダス:神と王・・・・・・・・・・12/03 ・・・・・・・・・・・346,349 ・・・・・・1,371,478・・・・・・・・11,404・・・・・・・・661
4(新)・・博士と彼女のセオリー ・・・・・12/10 ・・・・・・・・・・・138,697・・・・・・・・198,082・・・・・・・・・1,553・・・・・・・・399
5(20)・・あと1センチの恋・・・・・・・・・・・12/10 ・・・・・・・・・・・127,739・・・・・・・・194,119・・・・・・・・・1,492・・・・・・・・379
6(3)・・ビッグ・マッチ(韓国)・・・・・・・・・11/27・・・・・・・・・・・・・97,124 ・・・・・・1,141,174・・・・・・・・・8,694・・・・・・・・360
7(新)・・ポロロ 劇場版・・・・・・・・・・・・・12/11 ・・・・・・・・・・・・77,127 ・・・・・・・・・83,475 ・・・・・・・・・・418・・・・・・・・181
       雪の妖精村大冒険(韓国)
8(7)・・ハウルの動く城(日本)・・・・・・・12/23 ・・・・・・・・・・・・52,209・・・・・・・2,588,411 ・・・・・・・16,308・・・・・・・・250
9(4)・・フューリー・・・・・・・・・・・・・・・・・・11/20・・・・・・・・・・・・41,783 ・・・・・・・1,348,943 ・・・・・・・10,275 ・・・・・・・248
10(6)・・徳修里[トクスリ]5兄弟(韓国)・・12/04 ・・・・・・・・・・30,251・・・・・・・・・201,304 ・・・・・・・・1,525・・・・・・・・225
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 ミニシアター系のドキュメンタリー「あなた、あの川を渡らないで」という映画のワクを超えた特報については記事冒頭に記した通りです。数週続いたアメリカ映画の首位独占を打ち破ったのがこの作品だったとは!
 今回の新登場は4・5・7位の3作品です。
 4位「博士と彼女のセオリー」は、スティーブン・ホーキング博士と彼を支えた妻の愛を描いたヒューマン・ラブストーリー。韓国題は「사랑에 대한 모든 것(愛についてのすべてのこと)」、
日本公開は来年3月です。
 6位「あと1センチの恋」は、
世界的ベストセラーで映画化もされた「P.S.アイラヴユー」の作家バーティ・アハーンの小説「愛は虹の向こうに」(小学館文庫)の映画化。イギリスの田舎町で暮らす6歳の頃からの幼なじみで、ずっと「友達以上恋人未満」のロージー(リリー・コリンズ)とアレックス(サム・クラフリン)のじれったい関係(?)を描いた作品は日本でも12月13日公開。韓国題は「러브, 로지」です。
 7位「ポロロ 劇場版 雪の妖精村大冒険」は、韓国の人気キャラクターのポロロが活躍するアニメ。雪の妖精のボディガードになったポロロが、どこかから飛び込んだ巨大な溶岩モンスターの襲撃から雪の妖精たちを救うために乗り出します。原題は「뽀로로 극장판 눈요정 마을 대모험」です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・あなた、あの川を渡らないで(韓国)・・11/27・・・・・・・・・・・637,306・・・・・・・・・・・1,057,422 ・・・・・8,378・・・・・・・・・806
2(2)・・ハウルの動く城(日本)・・・・・・2004/12/23・・・・・・・・・・・・・52,209・・・・・・・・・・・2,588,411 ・・・・16,308・・・・・・・・・250
3(59)・・スーパー処方箋 ・・・・・・・・・・・・・・・12/10・・・・・・・・・・・・・・9,490 ・・・・・・・・・・・・・15,672 ・・・・・・・118 ・・・・・・・・142
4(3)・・幸福はどこにある・・・・・・・・・・・・・・・・11/27 ・・・・・・・・・・・・・9,171 ・・・・・・・・・・・・110,334・・・・・・・815・・・・・・・・・・40
5(8)・・ムード・インディゴ うたかたの日々・・12/11・・・・・・・・・・・・・7,309・・・・・・・・・・・・・・11,594 ・・・・・・・・93 ・・・・・・・・・55

 3位と5位の2作品が新登場です。
 3位「スーパー処方箋」はフランス・ベルギー合作のコメディ。主人公ロマン(ダニー・ブーン)は顔もアタマもよくユーモアまで兼ね備えた男。ところが救急室は日常茶飯事、X線撮影はスマホの自分撮りのよう、注射も常習という状態になってしまっているのは、潔癖症・神経衰弱症等々のビョーキをたくさん抱えているため。つまりは超がつくほどの鋭敏さが問題。そんな彼を治すべく、彼の長年の友人でもある医者のディミトリ(カード・モラード)は彼をホントに重い病を患っている患者たちが集まる医療キャンプに連れていくのですが・・・。韓国題は「슈퍼처방전」。日本公開は未定で情報にも乏しく原題(「Supercondriaque」)もよくわからないので、韓国題をそのまま仮題にしておきました。
 5位「ムード・インディゴ うたかたの日々」は、日本では2013年10月に公開されています。韓国題は「무드 인디고」です。
コメント (4)
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