ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績 [9月19日(金)~9月21日(日)]

2014-09-23 18:22:37 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 1つ前の記事で私ヌルボお薦めの映画「ソウォン/願い」についていろいろ雑多なことを書きました。ぜひ目を通してみて下さい。(→コチラ。)

 1週間前の記事で、慶州氏緊急対策委員会が映画「鳴梁」を先祖の名誉を毀損したという理由で告訴したことを書きました。その後調べてみたら、日本でも事実ではないことが明らかな場合は、本人の死後でも家族や子孫が名誉毀損で告訴することができるそうです。つまり織田信成選手は信長の名誉毀損を訴えることができるということ。ただ、産経新聞が朴槿恵大統領に対する名誉毀損で取り調べられた事件のような第三者による提訴は日本では認められていません。

 先週は「祖谷物語 -おくのひと-」を観ました。徳島県出身のヌルボとしては同県の奥地を舞台にした映画ということで関心を持って観に行ったところ、20歳代の監督が撮ったとは思えないほど柄の大きな作品で、いくつかの映画賞を受賞したのもうなずけます。蔦哲一朗監督は高校野球ファンの記憶に残る池田高校の蔦文也監督の孫とのことですが、これから大いに期待できる監督だと思います。

 この記事では毎週<多様性映画>の興行成績も掲載しています。「作品性、芸術性に優れた低予算映画」とのことです。先週の「朝鮮日報」の記事(→コチラ)によれば、アメリカ映画「はじまりのうた(ビギン・アゲイン)」が9月17日に累積観客動員数200万人を突破し、多様性映画で歴代1位の「牛の鈴音」を超える勢いとのことです。この記事によると、多様性映画の動員記録の歴代上位3作品は次の通りです。
 ①牛の鈴音(2009) 293万4409人 ②ハウルの動く城(2004) 243万3298人 ③ラスト、コーション(2007) 191万784人
 現時点ではもう「ハウルの動く城」を追い越しています。近いうちにトップに立つものと思われます。

 先週も「朝鮮日報掲載の「封切映画 ぴったり10字評」の掲載はありませんでした。期待している読者も多いと思うのですが・・・。

           ★★★ Daumの人気順位(9月23日現在上映中映画) ★★★

     【ネチズンによる順位】

①足球王(韓国)  9.3(95)
②バセコの子どもたち(韓国)  9.0(27)
③60万回のトライ(日本・韓国)  9.0(43)
④ぼくを探しに  8.9(118)
⑤夜間飛行(韓国)  8.7(30)
⑥はじまりのうた[ビギン・アゲイン]  8.7(778)
⑦その人 枢機卿(韓国)  8.7(54)
⑧映画ドラえもん 新・のび太の大魔境 ~ペコと5人の探検隊~  8.3(53)
⑨さよならを待つふたりのために  8.7(337)
⑩ステップ・アップ:オール・イン  8.4(132)

 ③「60万回のトライ」が今回の新登場です。大阪朝鮮高校ラグビー部のドキュメンタリー映画で、日本でも好評でした。私ヌルボも今年4月に観ましたが、生徒諸君ののびやかな姿がホントに良かったですね。韓国のネチズンにも好評です。その中に6.0と低めの評点があったので寸評を読んだら次のように書かれていました。
 良いドキュメンタリーだと思う。夢があり、情熱を持っている若い姿を収めたカメラのみずみずしさを感じる。ただ、北朝鮮が住民を弾圧する地球上に2つとない全体主義体制ということを知っているかどうか、まだ彼らの故国が存続しているのが不思議だ。あまりすっきりしない。
 ・・・この点はヌルボとしても朝高のことが話題になると常に引っかかることです。日本での人権を訴えることと北朝鮮に対して人権を訴えることの間に「政治的思惑」等をからめると、何か不純な印象をうけてしまいます。

     【専門家による順位】

①ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー  8.0(5)
②その人 枢機卿(韓国)  8.0(1)
③夜間飛行(韓国)  7.6(3)
④自由が丘で  7.3(3)
⑤慶州(韓国) 7.2(7)
⑥群盗:民乱の時代(韓国)  7.0(9)
⑦グレート・ビューティ  7.0(7)
⑧her/世界でひとつの彼女  7.0(6)
⑨空の黄金馬車  7.0(3)
⑩恋するヨプゴン・ガール  7.0(1)
⑩18:私たちの成長ノワール(韓国)  7.0(1)

 若干の順位変動はありましたが、今回の新登場はありません。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[9月19日(金)~9月21日(日)] ★★★

         仁川アジア大会が観客動員数減に影響か?

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・累計観客動員数・・・累積収入・・・上映館数
1(25)・・メイズ・ランナー ・・・・・・・・・・・・・9/18 ・・・・・・・・・・・631,812・・・・・・・・・720,384 ・・・・・・・・5,653・・・・・・・・648
2(6)・・はじまりのうた[ビギン・アゲイン]・・8/13 ・・・・・・・・・330,983 ・・・・・・2,437,755・・・・・・・・19,435・・・・・・・・499
3(1)・・タチャ – 神の手(韓国) ・・・・・・・・9/03・・・・・・・・・・・・222,558・・・・・・・3,577,511 ・・・・・・・29,276・・・・・・・・641
4(新)・・獣たちの墓・・・・・・・・・・・・・・・・・9/18・・・・・・・・・・・・・99,916・・・・・・・・・126,675 ・・・・・・・・1,011・・・・・・・・378
5(5)・・海賊:海に行った山賊(韓国)・・・8/06・・・・・・・・・・・・・78,109・・・・・・・8,501,491・・・・・・・・65,256・・・・・・・・354
6(4)・・イントゥ・ザ・ストーム ・・・・・・・・・・8/28 ・・・・・・・・・・・・60,045・・・・・・・2,016,501・・・・・・・・15,698・・・・・・・・277
7(3)・・LUCY/ルーシー・・・・・・・・・・・・・9/03・・・・・・・・・・・・・45,655・・・・・・・1,927,931・・・・・・・・16,112・・・・・・・・285
8(6)・・どきどき僕の人生(韓国)・・・・・・・9/03・・・・・・・・・・・・・43,612・・・・・・・1,579,806・・・・・・・・11,983・・・・・・・・295
9(9)・・みつばちマーヤ・・・・・・・・・・・・・・・9/04 ・・・・・・・・・・・・25,898・・・・・・・・・242,382 ・・・・・・・・1,787・・・・・・・・231
10(8)・・鳴梁(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・7/30・・・・・・・・・・・・・23,030 ・・・・・17,571,621 ・・・・・・135,430・・・・・・・・172
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 先週金曜夜の開会式に始まった仁川アジア大会の真っ最中で、そのためか全体的に観客動員数は少ないようで、4位でも10万人を割っています
 「タチャ – 神の手」に代わって、久しぶりにアメリカ映画がトップに立ちました。
 今回の新登場は1位と4位の2作品です。
 1位「メイズ・ランナー」はアメリカのSF・アクション・スリラー。ジェームズ・ダッシュナーが2009年に発表し、ベストセラーになったヤングアダルト小説が原作。(未訳) 舞台は文明が荒廃した後の世界。記憶を消されて少年たちのコミュニティに送り込まれたトーマスは、やがて少年たちが巨大な迷路に閉じ込められて生活をしていることを知る・・・。「メイズ(maze)」は迷路。迷図と表記してもよさそう? 韓国題は「메이즈 러너」、日本公開は2015年2月です。
 4位「獣たちの墓」は、ローレンス・ブロックの<マット・スカダー・シリーズ>中の同名サスペンス小説が原作。麻薬密売人クリストの魅力的な若妻が誘拐され、キーナンは犯人の要求額の40%を支払いますが、送られてきたのは妻の身体の40%(!)。つまりバラバラ死体です。復讐を誓うクリストの依頼を受けた無免許探偵マット・スカダーは残虐な犯人を追うのですが・・・。原題は「A Walk Among the Tombstones」で韓国題は「툼스톤」ですが、とりあえず原作の翻訳書の書名にしておきました。日本公開は来年のようです。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(1)・・はじまりのうた[ビギン・アゲイン]・・・・8/13・・・・・・・・・・・・360,983 ・・・・・・・・・・2,437,755 ・・・・19,435・・・・・・・・499
2(新)・・60万回のトライ(日本・韓国) ・・・・・・・9/18・・・・・・・・・・・・・・3,639 ・・・・・・・・・・・・・・8,335 ・・・・・・・・61・・・・・・・・・71
3(3)・・足球王(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8/21 ・・・・・・・・・・・・・2,943・・・・・・・・・・・・・・36,033・・・・・・・287・・・・・・・・・36
4(2)・・自由が丘で (韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・9/04・・・・・・・・・・・・・・2,481 ・・・・・・・・・・・・・30,644 ・・・・・・・250・・・・・・・・・36
5(新)・・クワイエット・ワン・・・・・・・・・・・・・・・・・9/18・・・・・・・・・・・・・・2,379 ・・・・・・・・・・・・・・4,271 ・・・・・・・・34・・・・・・・・・69

 2・5位の2作品が新登場です。
 2位「60万回のトライ」については上述しました。
 5位「クワイエット・ワン」はアメリカのホラーです。1974年、オックスフォード大学のクープランド教授は、悪魔つきやポルターガイスト現象は人間の負の精神が生みだすものとの仮説を立て、それを立証する研究をしています。研究の目的は、ポルターガイストのような超常現象の仕組みを解明し、それに悩む人々を治療しようというもの。(実際にそんな研究が行われたのだそうです。) 学生たちをアシスタントとして実験チームが立ち上げられ、抑うつ状態にある女性ジェーンを被験者として実験が始められます。ところが実験の刺激が誘引となり、ジェーンに不可思議な現象が起こり始め、スタッフまでも危険に巻き込まれていきます・・・。韓国題は「콰이어트 원」、日本公開は未定です。