ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

①韓国文学②韓国漫画③韓国のメディア観察④韓国語いろいろ⑤韓国映画⑥韓国の歴史・社会⑦韓国・朝鮮関係の本⑧韓国旅行の記録

高校生にすすめる本360冊(1998年版&増補) [10]

2013-10-17 14:07:27 | 高校生にすすめる本360冊

 今回は、軽めの随筆・エッセイと、教養書19冊です。
 (緑色の地の部分も1998年当時のものです。)

☆印はとくに推奨。×印は品切れまたは絶版中の本(多すぎる!) △は絶版・品切れでも単行本なら出ている本。
195團伊玖磨パイプのけむり朝日文庫195~200=ユーモアとウィットに富むエッセイ。
195の著者は作曲家、196は「お葬式」等で有名な俳優・監督。どちらもちょっとキザだが教科書的随筆の比ではない楽しさ。またいろんなことを教えてくれる。
197はおかしさの中に風刺も効いている。
198は女流作家とその高校生の娘との間の楽しい話あれこれ。抱腹絶倒の親子だ。(その娘も今は母となる。)
199は競馬にまつわる人間模様。文章が実に巧み。競馬場での声援のかけ方にも<形>があるのだと。
200は漫画家の雑文と馬鹿にするなかれ。<ショージ君>シリーズはくだらなさの中にも蘊蓄(うんちく)が来られていてどれも楽しい。これも名文のうち。
201=外国の1コマ漫画の紹介。絶対笑えるヨ。保証します! (星新一のSFよりずっとおもしろい。)
202=ネコと、ネコをめぐる人々の物語風随筆。著者は詩人。
203=庭を歩いているニワトリや野良犬を食っちゃう話など、キョーレツだが、生命や自然について深く考えさせられる。
204=山はいいなあ──と溜め息をつきながら読む本。また三ッ峠山(河口湖からラクに上れる。オススメ!)にでも登って、ボケーッと富士を眺めていたいなあ・・・・。
205~207=音楽家に名文家は多い。
205の著者は著名なヴァイオリニスト。民衆と社会に向ける眼の的確さとその行動力には敬服。(音楽もさることながら、生きた社会の勉強になる。)
206はピアニスト自身が過去のピアニストたちについて記す。大正期のスター久野久のエピソードは痛切極まりない。
207の著者は国際的指揮者。プロでも本番で楽譜をとばして演奏してしまうことがあるんですと・・・・。クラシック・ファン(+ブラバン)の人は寝るのが惜しいくらい夢中になれる本。
208=単なる画集に止まらず、画家や作品の運命、時代背景等も紹介。1枚1枚の絵からいろいろな世界を見せてくれる。
209=浮世絵を緻密に解き明かす。江戸文化の深さに驚く。
210・211=リクツ(抜き?)の楽しさ。クイズ好きの人に。
210は“強弁”と“詭弁”の例がおもしろい。しろうとハンターの会話。「おいっ! おまえ、うちの家内を撃ったな?」「すまん。代わりにあそこにいるうちの奴を撃ってくれ」。
212=楽しく深い遊びの本。だまし絵等、視覚的に楽しめる。
213=甲子園での箕島-星稜の歴史的一戦等の野球や、ボクシング、棒高跳等を扱った感動のスポーツ・ノンフィクション。
196伊丹十三女たちよ!文春文庫
197井上ひさし日本亭主図鑑新潮文庫
198佐藤愛子娘と私の部屋集英社文庫
199岩川隆馬券学入門中公文庫
200東海林さだおショージ君の「さあ!なにを食おうかな」文春文庫

201
星新一進化した猿たち新潮文庫
202長田(おさだ)弘ねこに未来はない角川文庫
×
203
田島征三土と草と風の絵本新潮文庫
204深田久弥日本百名山新潮文庫
205黒沼ユリ子メキシコからの手紙岩波新書
206中村紘子ピアニストという蛮族がいる文春文庫
207岩城宏之楽譜の風景岩波新書
208
世界名画の旅朝日文庫
×
209
高橋克彦浮世絵ミステリー・ゾーン講談社文庫
210野崎昭弘詭弁論理学中公新書
211織田正吉ジョークとトリック講談社現代新書
212岩根巌夫遊びの博物誌朝日文庫
213山際淳司スローカーブを、もう一球角川文庫
 あー、こういうリストというのはハダカをさらけだすようなもので、とてもはずかしい。教師でなけりゃ作ってなかっただろう。これが9度目の改訂版かな。以前、生徒にきかれた。「これ、全部読んだんですか?」 はいはい、この十倍は読みましたよ。そりゃあ風呂場でも読んでるんだから年間3ケタはいく。恋愛小説など読む暇があったら本物の恋愛に熱中する方がずーっといいし、金もうけの話を読むより実際に金がもうかる方がいいに決まっている。アホなもんだね、活字中毒なんてね。疑似体験にしか感動が得られないとすると、それは実生活の貧困の証明かも。
 高校生諸君はというと、とくにこの頃は本を読むのはごく少数のオタク族で、大多数はほとんどといっていいくらい読まないそうで、たしかに授業でもそんな印象は受ける。「水滸伝」「知らん」「白鯨」「知らん」「大地」「知らん」「ヴェルヌにウェルズ」「知らん知らん」。今は知らないことが恥ではない時代なのだろうか。だけどねー、それで「私は英文科に進みたいの」などと涼やかに口にしないでおくれ。聞いてる私の方が恥ずかしくなってしまう。このリストのネライは<勉強じゃない読書の魅力>を知ってもらうことだが、本を全然読まない学問というのもないんだからね。

 「パイプのけむり」の中の、「木の芽時」という表題だったか・・・。ネコは人間の服というものがわかっているのかどうかを確かめるため、ネコの前で服を脱ぎ、裸になって鳴き声の真似なんかしている時に家人(夫人?)が部屋に入ってきて・・・、という話はよく覚えています。他にもいろいろ。
 「女たちよ!」では、女性の頭皮が張っていないことや額の骨の彎曲の度合いのこと、全然別の話でスパゲティのゆで方のこと等々も記憶に残っています。
 文章の巧みさ、内容のおもしろさはその人の専門とはほとんど関係ないみたいですね。

 久野久という女性ピアニストについての中村紘子「ピアニストという蛮族がいる」の記述は、必ずしも公正なものでもなさそうです。(参考→ウィキペディア。)

 「スローカーブを、もう一球」をここに置いたのはちょっとしたミスだったかも・・・。

[韓国旅行]円~ウォン、両替する場所によって1食分トクする!

2013-10-17 13:35:11 | 韓国の街ネタ、観光ポイント、店・施設等
 9月の韓国旅行。ロッテ百貨店本店に買い物に行った時、仲間の1人の物識りS氏が明洞に両替に行くというのでついていきました。

 ロッテ百貨店東側に、両替所がありましたが・・・

       
            【レートは「107,000」と表示されています。】

 S氏、見向きもしないでスタスタ通り過ぎて行きます。

 明洞の路次に入ります。その入口にも両替所が・・・。

      
     【「$¥€元」の表示があるので一目で両替所とわかる。】

 しかし、ここもスルー。

 この先、道の左手は2010年から改築工事中の中国大使館。9月29日付「朝鮮日報」のコラム「萬物相」によると、工事は今年末を目標に最終段階に入っているそうです。(→コチラ。会員制。)
 その記事によると、清が公館として使用したこの場所の家には、事実上の朝鮮公使として赴任した袁世凱も1885年から10年にわたって滞在したとのことです。

      
     【中国大使館付近では、中国関係の建物が見受けられます。】

 少し先の右側に中国系の両替所が並んでいました。

      
        【テシン両替・トンア両替(左写真)と、大使館前換銭。(右写真)】

 レートは「108,500」。つまり、1万円を両替すると10万8500ウォンになります。(並んだ店は同レート。)
 結局、S氏はここで両替。大体ここがレートが良いので数年前から利用しているそうです。

 数日前金浦空港に着いた時に、空港内の新韓銀行で両替した時のレートは「104,000」でした。この明洞で両替した日も同じか、「103,000」だったと思います。

         
  【今年2月には「112,500」くらいだったのに・・・。街の両替所では「115,800」だったのか、とほほ。(悲) 】

 つまり、空港内の両替よりも1万円につき4千~5千ウォンもお得。数万円両替すると食事1回分以上浮くことになります。

 実は、<コネスト>に両替についての詳しい記事がありました。(→コチラ。)
 コネストでは、毎年日韓の各銀行や街の両替所、南大門市場の両替おばさんも含めて20数ヵ所で<1万円同時両替企画>というのを実施しているのですね。レートの良い順からランキングを公表しています。
 そのまとめとして、次のような「両替の公式」を提示しています。

 [レート悪] 日本の金融機関<ホテル<空港<デパート内<都市銀行<公認両替所 [レート良]

 なお、<コネスト>には観光スポットの両替所についての説明と詳しい地図の載った記事もあります(→コチラ。)

 私ヌルボ、これまで漫然と空港内で両替していましたが、きちんと数字を比べてみると、ロッテ百貨店から10分歩く労に十分値する違いがあるものですね。
 ヌルボ同様無頓着だった皆さんも、今後は所持金や回る場所を考えながら両替所をうまく利用するといいと思いますよ。