ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国内の映画 Daumの人気順位 と 週末の興行成績[10月25日(金)~27日(日)]

2013-10-29 23:19:01 | 韓国内の映画の人気ランク&興行成績
 10月25日(土)に終わった東京国際映画祭は結局行かずじまい。韓国映画に限らず、「これはぜひ観よう!」という作品がなかった、というか、それ以前にこの映画祭自体にあまり心が動かされなくなっているというか・・・。
 しかし、イ・ジュヒョン監督の長編デビュー作で、観客賞を受賞した「レッド・ファミリー」は今後上映の機会があれば絶対観に行かなければ。「ふつうの家族を装って韓国で暮らす北朝鮮のスパイチームの姿を描く」というもので、脚本はキム・ギドク監督が書いたとか。幸せそのものに見える北朝鮮のスパイによる疑似家族と、ケンカの絶えない崩壊寸前のリアルな韓国の家庭の矛盾を描き、深刻なテーマと凄惨なシーンにユーモアが加わり、感動的な終盤に突入していく・・・ということだそうです。こういう韓国に隠れ住む北朝鮮スパイの映画といえば漫画が原作の「隠密に偉大に」が思い出されます。小説では金英夏の「光の帝国」。やはり、こうした作品には素材となるような現実があるということでしょうか?

 10月12日から11月8日までシネマート六本木&新宿でやっている<K-Movie Festival>が11月2~15日横浜のブリリアショートショートシアターでも開かれることになったのは、その近所に住む私ヌルボにとってはウレシイ。詳細は→コチラです。
 半分はすでに観た作品ですけどね。目新しいところでは、今年6月韓国でヒットしたホラー映画「ザ・ウェブトゥーン 予告殺人」が「殺人漫画」という邦題で上映されています。もうシネマート新宿でご覧になった方もいらっしゃると思います。(あ、大阪や福岡でも・・・。)

 これ以外でも、映画情報をつぶさに見ると、ヒューマントラストシネマ渋谷で「人類滅亡計画書」(~)、新橋文化劇場で「悪い男」を上映していたり(どちらも11月1日まで)、キネカ大森では11月2日から「10人の泥棒たち」と「ある会社員」の2本立てず始まったりと、韓国映画がポツリポツリと上映されています。先の2つは観てないので行ってこようかな。

           ★★★ Daumの人気順位(10月29日現在上映中映画) ★★★

【ネチズンによる順位】

①フェイマス・ファイブ:キリン島の秘密  9.5(22)
②ニュー・シネマ・パラダイス  9.4(486)
③コアラ(韓国)  9.3(30)
④道の上で(韓国)  9.3(64)
⑤キャプテン・フィリップス  9.1(201)
⑥ロデンシア:魔法王国の伝説  8.9(25)
⑦怪盗グルーのミニオン危機一発  8.9(151)
⑧ラッシュ  8.9(218)
⑨ブルー・ジャスミン  8.9(69)
⑩願い(韓国)  8.8(723)

 新登場は③「コアラ」だけ。脱サラをしてハンバーガーショップを開店した若者たちの奮闘記です。希望と期待一杯でスタートしたものの、店はガラガラ、パテの価格は上昇、新メニューも失敗して、店の差し押さえまでくらっていまいます。そんな状態からはたして浮上できるかどうか? あ、압류(押留)なんて単語は何だろうと思ったら、これが差し押さえなんですね。原題は「코알라」です。

【専門家による順位】

①蜂蜜  8.5(2)
②ゼロ・グラビティ  8.2(5)
③悲しみのミルク  8.0(2)
④恋するリベラーチェ  7.6(3)
⑤ブルー・ジャスミン  7.5(6)
⑥悲しみを聴く石  7.5(2)
⑦ブエノスアイレス恋愛事情  7.3(3)
⑦ベンダ・ビリリ!~もう一つのキンシャサの奇跡  7.3(3)
⑦ミスター・ノーバディ  7.3(3)
⑩25年目の弦楽四重奏  7.2(4)
⑩父の秘密  7.2(4)
⑩グランド・マスター  7.2(4)

 今回の初登場は⑦「ミスター・ノーバディ」だけです。仏・独・カナダ・ベルギー合作のSFで、ひとりの男性の何通りもの人生の行方を描く。日本では2011年に公開されました。韓国題は「미스터 노바디」です。

         ★★★ 韓国内の映画 週末の興行成績[10月25日(金)~27日(日)] ★★★

         ソン・イェジン主演のスリラー「共犯」がトップに

【全体】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(37)・・共犯(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・10/24 ・・・・・・・・・・・・・648,180 ・・・・・・・・・769,139・・・・・・・・5,451・・・・・・・・611
2(1)・・ゼロ・グラビティ ・・・・・・・・・・・・・10/17 ・・・・・・・・・・・・・580,153 ・・・・・・・1,738,799・・・・・・・16,509・・・・・・・・531
3(2)・・ファイ 怪物を呑み込んだ子(韓国)・・10/09・・・・・・・・169,192 ・・・・・・・2,252,494・・・・・・・16,679・・・・・・・・358
4(3)・・願い(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・・・10/02・・・・・・・・・・・・・145,991 ・・・・・・・2,542,302・・・・・・・17,429・・・・・・・・331
5(9)・・キャプテン・フィリップス・・・・・・・10/23・・・・・・・・・・・・・・99,962・・・・・・・・・・152,017・・・・・・・・1,058・・・・・・・・302
6(新)・・トップスター(韓国) ・・・・・・・・・・10/24 ・・・・・・・・・・・・・94,549 ・・・・・・・・・171,726・・・・・・・・・・822・・・・・・・・396
7(新)・・俳優は俳優だ(韓国)・・・・・・・・10/24 ・・・・・・・・・・・・・・63,030 ・・・・・・・・・・85,280・・・・・・・・・・628・・・・・・・・297
8(4)・・ローラーコースター(韓国)・・・・・10/17 ・・・・・・・・・・・・・・26,615 ・・・・・・・・・262,855・・・・・・・・1,863・・・・・・・・167
9(5)・・夜の女王(韓国)・・・・・・・・・・・・・10/17・・・・・・・・・・・・・・・14,870 ・・・・・・・・・247,270・・・・・・・・1,728・・・・・・・・135
10(8)・・怪盗グルーのミニオン危機一発・・9/12・・・・・・・・・・・・・5,782・・・・・・・・・・959,944・・・・・・・・6,585・・・・・・・・・42
       ※KOFIC(韓国映画振興委員会)による。順位の( )は前週の順位。累積収入の単位は100万ウォン。

 新登場は1・6・7位の3作品で、どれも韓国映画。これでベスト10中7つが韓国作品となりましたが、数字的には今ひとつか。
 1位「共犯」は韓国のスリラー。15年前に韓国中に衝撃を与えた誘拐殺人事件。時効を控え、ダウン(ソン・イェジン)は犯人の声から父(キム・ガプス)の存在を感じ、父の過去を追跡し始める。知れば知るほど彼女は混乱に包まれ、父に対する疑惑が大きくなっていく・・・。原題は「공범」。
 6位「トップスター」。人気俳優ハ・ジョンウがコメディ「ローラーコースター」で監督デビューしたのに続き、パク・チュンフンも本作で監督デビュー。勝手知った俳優の世界を描いた作品です。トップスターのウォンジュン(キム・ミンジュン)が飲酒運転でひき逃げ事故を起こしてしまいますが、マネジャーのテシク(オム・テウン)は彼に代わって自首します。そのネライは、自分自身がスターになること。身代わり自主の恩返しとしてドラマの小さい役をもらいます。それを契機に、テシクはウォンジュンの地位を脅かすほどのスターになり、ウォンジュンの恋人のミナ(ソ・イヒョン)に手を出すようになりますが、そのテシクを阻止しようとするウォンジュン。・・・というように、いろいろ芸能界の裏話が盛り込まれているようです。すでに日本への配給が決まったとか。原題は「톱스타」です。
 7位「俳優は俳優だ」は、「ロシア小説」のシン・ヨンシク監督、そして脚本&製作はあのキム・ギドク監督。コチラは、助演として登板した新人俳優オヨンが優れた演技力で一気に人気を獲得してトップの座まで急浮上するのですが、その後再び底辺の人生に墜落へ・・・。これも「俳優誕生の衝撃的な裏話?が今明かされる!」とのふれ込みですが、なんかキム・ギドク監督の人生を想起させる要素もある? オヨンを演じるのが音楽グループMBLAQのイジュン。衝撃のベッドシーンを盛り込んだ“19禁予告編”が出てると→コチラの記事にありました。原題は「배우는 배우다」です。

【多様性映画】

順位・・・・題名・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・公開日・・・・・・週末観客動員数・・・・累計観客動員数・・・・累積収入・・・上映館数
1(新)・・ある視線(韓国)・・・・・・・・・・・・・・・・10/24・・・・・・・・・・・・4,853・・・・・・・・・・・・・・・・6,231・・・・・・・・・・・46・・・・・・・・・・26
2(新)・・ミスター・ノーバディ ・・・・・・・・・・・・10/24・・・・・・・・・・・・2,660・・・・・・・・・・・・・・・・3,748・・・・・・・・・・・28・・・・・・・・・・24
3(2)・・ブルー・ジャスミン・・・・・・・・・・・・・・・・9/25・・・・・・・・・・・・2,321・・・・・・・・・・・・・・126,135 ・・・・・・・・・925・・・・・・・・・・18
4(3)・・ロデンシア:魔法王国の伝説 ・・・・・10/02・・・・・・・・・・・・1,763・・・・・・・・・・・・・・・95,599 ・・・・・・・・・618・・・・・・・・・・16
5(26)・・サウンド・オブ・ミュージック・・1978/2/04 ・・・・・・・・・・・1,061・・・・・・・・・・・・・・・・9,378 ・・・・・・・・・・20・・・・・・・・・・・1

 1・2・5位が新登場。
 1位「ある視線」は、「もし,あなたなら~6つの視線」(2003)以下、優れた人権啓発映画を作ってきている国家人権委員会の製作による10番目の作品で、3編からなるオムニバス映画。第1話「トゥハンへ」は、身体障害を持つトゥハンと貧しいチョルウンは同じ学校の親友同士だが、ある日チョルウンはトゥハンの家に遊びに行った時トゥハンの兄のiPadを盗んでしまい、それを何も知らないチョルウンの兄が学校に持っていくのですが・・・。第2話「ポングは配達中」は、宅配で生計を立てている独居老人ポングは、ある日道で6歳の男の子を見つけ、幼稚園まで連れていこうとしますが、なぜか一緒に旅行(?)することに・・・。ところがTVでは児童誘拐犯としてポングの身上が公開されてしまいます・・・。第3話「氷の川」は、入隊を控えたソンジェは、銃を使うことができない宗教的信念に従い、母には言わずに兵役を拒否することを決意。しかし、息子の財布にお小遣をこっそりと入れようとした母は、入隊の日が1日だけ残っている令状を発見してしまいます・・・。あ、この「氷の川」はあの「ヘファ、ドン」のミン・ヨングン監督か。うーむ、これはぜひ観なければ! って日本公開はあるのかな? 原題は「어떤 시선」。予告編は→コチラ
  ※韓国における兵役拒否についてはいずれ記事にまとめなければ、と思っています。
 2位「ミスター・ノーバディ」は前述のように日本では2011年公開されました。
 3位「サウンド・オブ・ミュージック」は言うまでもなく往年の名作ミュージカル映画の再上映。韓国題は「사운드 오브 뮤직」です。