ヌルボ・イルボ    韓国文化の海へ

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韓国映画「亀、走る」 忠清道のローカル色がまったり漂う

2010-09-06 23:48:23 | 韓国映画(&その他の映画)
 シネマート新宿で韓国映画「亀、走る」を観ました。
 主演はキム・ユンソク。2007年「タチャ イカサマ師」で大鐘賞などで助演男優賞を受賞し、翌2008年には「チェイサー」で大鐘賞ほかで主演男優賞6冠王。最近一気に国民的な人気俳優になったようですね。昨年はカン・ドンウォンと共演した「田禹治伝」もヒットしたし・・・。

 この「亀、走る」も昨年の作品。キム・ユンソク演じる刑事が凶悪な脱走犯を追う、という設定ということで、「チェイサー」の印象もあって緊迫感漂うアクションかな、と思ったのですが、全然違うフンイキ(笑)。

 舞台は忠清南道の礼山。ローカル色漂う映画です。
 忠清道といえば、「忠清道人は話す速度が遅い」とよく言われるそうで、おなじみの笑い話があります。
 父子が山で畑仕事をしていたら上から岩が転がり落ちてきた。息子は「아부지~ 바위가 굴러가유~!」(お父さ~ん、岩が転がっていきますよ~!)と叫ぶのですが、あまりに話すのが遅くて、言い終わる前にお父さんは岩に当たって死んでしまったという話。(助かるバージョンも見たことがありますが・・・。)

 この映画も、主役の刑事ももっさりしたオジサンで、漫画貸本店をやってる奥さんには頭が上がらず、その奥さんの通帳をこっそり持ち出して闘牛大会に賭け、ガッポリ大金をせしめたかと思ったら盗られちやったり、肝心の脱走犯を捕まえに行っても逆にやられちゃったり等々、なさけない・・・の連続。

 しかし、まあ最後はなぜかメデタシで終わるし、「チェイサー」みたいに何人も殺されたりしないし、まったりゆったりと楽しめた映画ではありました。

 ふと思ったのですが、私ヌルボ、忠清道方言を聞いたのはこの映画が初めてかも・・・。本では、個人的に韓国マンガ最初の感動したカン・モリムの佳作「タルレと私と」に始まっていろんなところで目にしてきたのですが・・・。この映画の最初の方で語尾の「~シュー」「~ユー」というのを聞いて、ああ、これが忠清道方言で、ここが忠清道なのか、とわかった次第です。

※標準語“안녕하세요”→ 忠清道“안녕하세유”
 標準語“괜찮습니다.”→ 忠清道“됐슈”
 標準語“어서 오십시오” → 忠清道“빨리와유”

※慶尚道方言なら「チング」「学生府君神位」「僕が9歳だったころ」、全羅道方言なら「木浦は港だ」などが思い浮かびます。(「トンマッコルへようこそ」が江原道方言というのは、あんまり印象がないですが・・・。)
コメント (2)
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