投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2012年 1月27日(金)13時22分50秒
保立道久氏のブログで「東京大学原発災害フォーラム」という団体ができたと知り、そのホームページを見てみました。
また、「世話人」の一人である安冨歩氏の『原発危機と「東大話法」』(明石書店)という本をアマゾンで購入し、先ほど届いたので30分ほどかけて読んでみたのですが、京都大学出身で東京大学東洋文化研究所教授という立派な肩書を持つ人が書いたとは思えない驚異の書物でしたね。
全部で5章のうち、第2章は精神科医の香山リカ氏への攻撃、第3章は「ブロガーとして有名」な池田信夫氏への攻撃に終始し、ちょっと鬼気迫るものがありました。
内容を少し紹介してみます。(p87~89)
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香山氏の最大の誤りは、「おとぎ話はおとぎ話であって、現実ではない」という「大人の考え」を持っていることです。そうではなくて、おとぎ話は現実を表現しているのです。そうでなければ、小出さんのような存在は理解できません。そもそも、原発を作って爆発させ、日本中に放射能をばら撒く、などという仕業は、おとぎ話の悪者集団そのままです。私が一番ぴったりくると思うのは、「仮面ライダー」の悪の組織「ショッカー」です。「原子力ムラ」は、比喩的な意味ではなく、現実に「ショッカー」だと言うべきかもしれません。
ここを見誤ると、世界の像は完全に歪んでしまい、世の中は「大人の世界」になってしまいます。香山リカ氏は言うまでもなく、大人の世界の住人ですから、このことが受け入れられないのだと私は理解します。
仮面ライダー・小出裕章
原子力ムラがショッカーである以上、小出さんは仮面ライダーです。それはじつに構造的に一致しています。仮面ライダー新1号のオープニング主題歌の後には、
仮面ライダー・本郷猛は改造人間である。彼を改造したショッカーは、世界制覇を企む悪の
秘密結社である。仮面ライダーは人間の自由のためにショッカーと戦うのだ!
という、私が子ども時代にしびれたナレーションが入っていますが、仮面ライダー・小出裕章も改造人間です。原子力村ショッカーが大学や大学院でいろいろ教え込んで、小出さんを改造したのですから。
仮面ライダー・本郷猛が、精神まで改造される前に逃げ出し、ショッカーによって改造された身体を武器に戦っているのと同じように、小出さんは大学や大学院で改造された頭脳を武器に戦っています。仮面ライダーが孤独で、わずかの仲間と共に人間の自由のためにショッカーと戦っているのと同じように、小出さんはわずかの仲間と共に人間の自由のために原子力村と戦っています。小出さんもライダーも、ショッカーや原子力村が次々と繰り出してくる「怪人」と戦い続けていますが、決して傷つかず、倒れません。
石森章太郎は、「世界がショッカーに支配されかかっており、人間の自由を守るためには、一人ひとりが仮面ライダーとなって戦い続けるしかない!」という驚くべき真実を、当時の子どもたち(すでに私のように中年になっていますが)に伝えようとしていたのだと私は考えています。
こんなことを大真面目に書くと、頭がおかしいのではないか、と思われるでしょう。それは覚悟の上です。私も、以前はこんなふうに考えてはいませんでした。私が考えを改めたのは、東京大学に就職してからです。それも、しばらくはそんなふうには考えなかったのですが、何年かの間、いろいろと奇妙で不愉快で悲しい体験を繰り返すうちに、ある時、ハタと、
「東大って、ショッカー?!」
と思った瞬間に、一挙に多くのことが理解できるようになったのです。それで考えが変わりました。それから東大で生きるのが、ずいぶんと楽になりました。
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このレベルの文章が間断なく続いて、270ページ、税込1680円の本ですね。
私は書籍をかなり大量に買っているので、ある程度の割合で駄本が混じるのは仕方ないと思っているのですが、この本くらい痛切に「金返せ」と思った本は近年ないですね。
というか、今までなかったし、今後もないと思います。
まあ、大変お気の毒だとは思いますが、安冨歩氏は「心のケア」が必要な方ですね。
早く東大病院に相談された方がよいと思います。
参考:池田信夫氏と安冨歩氏のやりとり
>筆綾丸さん
「太郎」は学力のないホットスポットの代表、「啓子」は学力のあるホットスポットの代表として、経済史学会代表幹事・東京女子大学教授の栗田啓子氏のお名前を借りました。
まあ、「実」でも「道久」でもよかったのですが、女性の方が対句として面白いかなと思いまして。
でも、今日になってみたら、「歩」が最適だったようにも感じます。
※筆綾丸さんの下記投稿へのレスです。
雪 2012/01/27(金) 06:12:04
小太郎さん
大きな出来事があると、いろいろな変人奇人が降って湧きますね。
元木泰雄氏の『平清盛の戦い 幻の中世国家』は、以前、如月さんの掲示板で、日本語が変だ、論理がおかしい、とくに、国家とか権力とかの概念構成が全然ダメだ、などと罵倒したことがあるのを思い出しました。
新作「セシウム」について質問なのですが、二行目、「次郎」ではなく「啓子」にされたのには、どのような意味があるのですか。
小太郎さん
大きな出来事があると、いろいろな変人奇人が降って湧きますね。
元木泰雄氏の『平清盛の戦い 幻の中世国家』は、以前、如月さんの掲示板で、日本語が変だ、論理がおかしい、とくに、国家とか権力とかの概念構成が全然ダメだ、などと罵倒したことがあるのを思い出しました。
新作「セシウム」について質問なのですが、二行目、「次郎」ではなく「啓子」にされたのには、どのような意味があるのですか。
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