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酒田の本間家VS鶴岡の風間家(その2)

2013-03-19 | 東北にて
投稿者:鈴木小太郎 投稿日:2013年 3月19日(火)00時02分51秒

先に引用した山形新聞に続いて、河北新報に次の記事が出ていました。

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ひな人形「おうちどっち」 所有権めぐり山形県の旧家対立

(前略)
 本間家側は58~60年に3回に分けて計10万円を風間家側に支払い、現在、本間家が設立した本間美術館が保管する。風間家側は10万円は賃貸料であるとし、98年ごろからひな人形の返還を求めてきた。
 本間家側は「10万円は購入代金だ」と反論する。本間美術館の田中章夫館長は「長年こちらが保管し、展示してきた。必要になったから返せと言われても困る」と話す。美術館は毎年春にひな人形展を開いており、風間家の人形は欠かせない「看板」の一つになっている。
 鶴岡市は95年に市内の旧家や公共施設を会場にひな人形展示イベントを始め、98年には風間家にも展示を要請した。風間家の財産を管理する財団法人「克念社」は「ひな人形を元に戻し、本来あった場所で多くの方に見てほしい」と提訴の背景を説明する。
 戦後の混乱期に、両家の当主同士が口約束で人形をやりとりしたとみられ、文書が残っていないことも解決を難しくしている。昨年3度にわたって裁判所で調停があり、ひな祭りの時期以外に「里帰り」する案も出されたが、合意に至らなかった。
 双方の代理人らは「何らかの形で和解するのが望ましい」としているが、具体的な妥協点はまだ見えない。
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/03/20130318t53019.htm

だいぶ事情が分かってきましたね。
58~60年に3回に分けて合計10万円とあるので金額的には賃貸料っぽいですが、その後38年間放置して98年から返還要求というのは風間家側に相当不利な事情です。
ポイントは返還約束の有無で、立証責任は風間家側が負います。
「戦後の混乱期に、両家の当主同士が口約束で人形をやりとりしたとみられ、文書が残っていない」という事情であれば、返還約束は結局のところ真偽不明となり、請求棄却、風間家敗訴の結論に至る可能性大ですね。

※二年後に和解で終わりました。
「酒田の本間家VS鶴岡の風間家(その3)」
https://blog.goo.ne.jp/daikanjin/e/bd7d1d8b7738f8d87bbfec1a17280586

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