五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

麗しい

2015年06月05日 | 第2章 五感と体感
麗しい
2015年6月5日

野村萬師の狂言「清水座頭」を観ました。
長い謡いの掛け合いが多い味わいの深い狂言です。

盲目の二人が清水寺に良縁を求めてそれぞれ詣で、盲目故の出会いがいざこざを生むわけですが、結果互いに手を取り合ってハッピーエンドとなる微笑ましいお話です。

ともかく昨晩は野村萬師の謡いに惹きこまれました。
浄土の響きを想像させるものでした。

カトリック聖歌に「楽の音(ね)に合わせて賛美の歌をうたおう」という歌詞があり、ミサで時々歌うのですが、この歌詞を歌う度に宇治の平等院の雲中供養菩薩の楽天が思い浮かぶのです。もちろんバッハも弾いているし聴いていますが、「自分は東大寺二月堂で千年前に学んでいたと妄想」しているくらいの私は、このイメージがポンと浮かんできてしまうのです。これからしばらくは清水座頭の謡いの声が私の脳みその中枢あたりに深く留まりそのうち宇宙の果てまで添ってくれるのではないかと思うくらい沁み入っています。

そして、アド役の野村万蔵師の手を取る萬師の所作の指の先までのなんと美しいこと・・・。橋掛かりをいつまでもいつまでも目で追いたい心持になりました。
なんと幸せな御二人だろう、と。
話の中の盲目の二人と演じる二人の幸福感が
ぴたりと同一化したような、そんな感じです。

麗しい。
こんな時に使いたい言葉だと思いながら現世に戻る私でありました。

天に携える私の記憶がまた一つ増えました。
物は持てねど魂には持てぬ荷物はありませぬ。

☆☆ ☆☆
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