五感で観る

「生き甲斐の心理学」教育普及活動中。五感を通して観えてくるものを書き綴っています。

草履の鼻緒

2010年03月22日 | 第2章 五感と体感
デパートの和装売り場で履職人の方が鼻緒の取りつけ実演をされていました。

能楽を始めたおかげで、母からの借り物ばかりでなく自分の物を少しずつ買い揃えています。
職人さんの横には、鼻緒がたくさん並べてあります。ふと「霞がかかったような薄紫の裂地に葡萄の刺繍」の鼻緒が目に留まりました。ちょっと高いけど、買っちゃおうかなぁ~

おめでたい儀式の手伝いを終えた帰り道でもあるし、ビーズアクセサリー作家の友人が出品している展覧会を観た帰り道でもあるし、、、
いろいろと自分の中で「買うことの言い訳」を廻らせ、葡萄の鼻緒を自分のものにすることに決めました。

職人さんは70代くらいの方。浅草で長年やっておられます。
私の足に合った鼻緒をつけ出しました。
ここでも、好奇心が湧き出し、職人さんの手つきをしげしげと無言で眺める私。

そうすると職人さんが「紐を括る、この音が良いんですよ。ね、いいでしょ?」と私に振ります。私が「キュッていう音で絞った感覚がわかるんですねぇ~さすがですねぇ」

そこからまた、じっと眺める私に「お客さんの顔と姿で、どんな足なのかわかるんです」
と職人さんが言います。「ほーーー、それは、すごい、、、」と私

仕上がった草履に私が足を入れると、「ほらね。ぴったりでしょ」とおっしゃいます。

江戸職人の艶っぽい粋な言葉に、私の気分は隅田川の橋のほとりまで行っちゃったような心地よさを感じました。

職人さんと「出会いだね」と互いに言葉を交わしお店を後にしました。
「出会いだね」
魂の会話は、やっぱり清々しい・・・

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