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近所を歩く、遠くの町を歩く、見たこと食べたこと、感じたことを思いつくままに・・・。おじさんのひとりごと

“下山事件” フクの証言は謀略?

2008年09月19日 | 下山事件
昨日の続きです。

私・・・それでは、本日から具体的な証言を採り上げ、検証していきたいと思います。先ず最初は、轢断現場付近を“下山総裁”が一人、彷徨いていたと云う証言からです。

これには、何人もの証言があり、自殺説の裏付けに使われているのですが、証言はあまり信用できません。

B氏・・・ずいぶん簡単に否定しますね。

私・・・何故かと云えば、この捜査を担当していたのが、事件現場の状況を一目見るなり、“直感的”に自殺と判断した捜査一課だからです。

全て、自殺を立証する方向での裏取りです。このような捜査手法は現在においても行われており、目撃者の証言を“筋書”きに合わせて、“誘導”したり、不確かな情報を断定的に書き換えたりするのです。

B氏・・・そう云えば、最近でも、何処かの地方都市で、選挙違反をでっち上げた事件が報道されていたね。

私・・・警察は、自ら作った筋書きに合わせて、逮捕者から自白を強制し供述調書をでっちあげ、数十人を起訴しました。これからすれば、目撃証言の都合のいい改竄なんて朝飯前です。

事件前に、轢断現場付近を彷徨く下山総裁の目撃証言も、偶々歩いていた男を目撃し、距離や周囲の状況から、細かい人相、服装は判別不可能でも、下山総裁らしき中年紳士を見かけたとの証言に変えられたのです。

その中で、自殺説を決定づけた“長嶋フク証言”があり、これが“最初の事後謀略”です。

B氏・・・自殺説として、かなり有力な証言なわけだ。それも、怪しいわけねぇ。

私・・・偽証だと思う。いゃ、明らかに偽証です。長嶋フクはこの旅館の経営者“長嶋勝三郎”の妻で、五日の2時頃に休憩したいと云って訪れた、下山総裁に応対したと、証言しました。

この証言は、事件後6日経った7月12日、西新井警察署に夫の勝三郎から電話で通報があったのです。

B氏・・・事件後に周囲の聞き込み捜査では引っかからなかったわけ。

私・・・事件後6日とい時間経過、捜査員の聞き込みではなく、電話による通報と云う点も怪しい。そして、決定的に怪しいのは、この“勝三郎”が戦時中の“特高警察”だった事実。

B氏・・・あの有名な思想犯を専門に取り締まるヤツねぇ。拷問とかやっていた。

私・・・そうです。この男の背景から、実行組織との繋がりが匂ってきます。それと、事件後、勝三郎の羽振りがよくなったという情報もある。

B氏・・・証言の報酬を手にしたわけだ。でも、その情報はあてになるの?

私・・・それは、オマケ的な情報です。兎に角、フクの証言が、服装、人相、体型、特徴的動作、等々の細部に渡り、完璧だった。

B氏・・・偶々訪れた客の特徴を詳細に記憶しているのは明らかに不自然だね。人間そんなに記憶力はよくないから。

私・・・それと、諸永裕司の「葬られた夏」のなかで、

『・・・下山はヘビースモーカーだった。それが、3時間も休んだのに、末広旅館にはタバコの吸い殻が一つも残っていなかった。しかも、水かお茶を飲んだときに唾液がついたはずのコップは洗われ、髪の毛一本さえ残されていなかった。このため、休憩したのが下山本人かどうかを血液型から特定することもできなかった・・・』

と云って、偽証の根拠の一つとしている記述がある。

B氏・・・タバコは唾液から血液型がばれるし、宿帳への記入は筆跡を残すから・・・と、云うわけで、偽物の影を消して行ったわけだ

私・・・そこは判るけど、事件後一週間近く経ってから、警察に名乗り出たわけだよ、いくら場末の汚い“連れ込み旅館”だからと云っても、一週間も灰皿やコップを洗わない方がどうかしている。

B氏・・・そう云われてみれば、変ですね。

私・・・宿帳の記入を断った事は怪しいと思う。でも、しかし、私としては、そもそも、この日、末広旅館にそのような人間は現れなかったと考えている。

わざわざ、偽物を使って目撃証言をでっちあげなくても、都合のいい証言はいくらでもできるからね。

B氏・・・旅館の出入りに際して他の目撃証言はあったの?

私・・・ありません。

B氏・・・それじゃ、下山総裁らしき人物が旅館に現れた事実だって疑わしいかもね。この写真は、いつ頃に撮ったの?

私・・・2年ほど前です。この門の脇にある木だけど、この繁り方から、当時からここにあったような・・・・・・。


     
これが当時の末広旅館だけど、雰囲気が似ているだろ。



B氏・・・しかし、よくもまぁ、暇だとは云えこんな処まで行って写真を撮ってくるね。

私・・・それは、もう、何たって行って見たくなるものです。現場を歩き、当時の匂いを探したくなるものです。下山病患者としては。

今日は、この辺で終わりにします。

それでは、また来週。



コメント
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